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銀塩カメラ大作戦!
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第13回
4/26更新
3年越しで完成した
機械式カメラのカットモデル!
いつものように下町の酒場で一杯やり、ほろ酔い気分で家の玄関を開けると、宅配便の荷物が置いてある。おっカメラだ! 最近では、なぜかカメラが入っているかどうかわかるようになってしまった。オーラが出ているというか、何かエネルギーを発していて、それを感知する能力が身に付いてしまったようだ。この荷物もオーラを発していた。しかも、かなりの大物。相当強いパワーを発している。いや待てよ。ここ2週間ほどは、我が家の財務省からの厳しい通達があり、eBayでもヤフオクでも落札していないはず。カメラ欲しさのあまり、感知能力が鈍ってしまったのか!
とりあえず荷物を大事に書斎まで運び、伝票の名前を見てみた。カメラ修理のNさんからだった。Nさんに修理を頼んでいたのか思い出そうとしたが思い出せない。開けてみた。丁寧な梱包を解き、ビニール袋から出すと、何と機械式一眼レフカメラのカットモデルが出てきた。“おー、凄い!”夜中だというのに叫声に近い歓声を上げてしまった。
話は3年前に遡る。カメラの修理を頼みに伺い、Nさんに機械式カメラの構造のレクチャーを受けていた。その時、修理を頼んだカメラは確かニコマートFT。クイックリターンミラーや縦走りシャッターの構造やらに興味があり、しつこく質問攻めしていたのだ。Nさんは、嫌がりもせず、分解途中のカメラを使って、丁寧に教えてくれていた。実は機械式カメラが好きだ好きだといっている割には、機械式カメラの構造をほとんど理解していなかった。Nさんの説明が面白くて、さらに追究しようとしたところ、“そんなに興味があるなら、カットモデルを作ってあげるよ。ただし、いつになるかわからないけど、楽しみに待っててよ”と嬉しい言葉を言ってくれた。
それが3年目になって完成して送ってくれたのだ。ありがとうNさん! 機械式一眼レフカメラのポイントは、シャッター機構、巻き上げ機構、そしてミラーにある。このカットモデルは、軍艦部や底蓋や裏蓋をカットして、内部の機械の動きが、しっかりとわかるようになっている。巻き上げるといくつものギアやカムが動き、シャッターがチャージされる。シャッターを切るとレバーやギアが絶妙に連動して、力が伝えられ、ミラーが上がってシャッターが切れる。シャッターを遅くすると低速ガバナーが“ジー”っと言いながら動き、スピードを制御する。
セルフタイマーの動きにも感心する。これまで何気なくシャッターを切っていたが、実はこんなに複雑な動きを機械式カメラは内部で行なっていたのだ。
エレキやコンピューターも技術者の英知の結晶なのだろうが、やはり機械が複雑に連携しながら動くメカニカルカメラに魅力を感じてしまう。そういえば、腕時計もそうだ。正確さでは、クオーツ式の方がはるかに上回り、コストパフォーマンスという点でも機械式は敵わない。しかしクオーツよりも高くても機械式を買ってしまう。 機械式の腕時計は裏スケルトンが流行っている。裏蓋をクリスタルガラスにして、内部の機械を見ることができるのだ。メカニカルカメラもスケルトンに出来ないだろうか。時計と異なり、遮光の問題があるが、スケルトンカメラで実際に撮影できたら、カメラ好きはたまらないだろう。かつてリコーがコンパクトカメラでスケルトン仕様を発売した。できれば金属で部分的にクリスタルガラスを入れて、内部を見せて欲しいが、半透明のプラスティックで側を作っても良い。信州の某メーカーならやってくれそうなのだが………。
という訳で、現在機械式一眼レフカメラがマイブーム。機械式のライカのR6.2を毎日持ち歩いている。内部でどんな動きをしているのか想像しながら、シャッターを切る。巻き上げレバーを動かすとギアが動いている感触が指に伝わってくる。ああ、カメラは楽しい。春の温かい陽気と共に、ますますカメラ好きが高じている今日この頃である。
カメラ:
山縣基与志
ライター、カメラマン。
主な著書に「カメラメーカー勝ち組負け組」など著書多数。
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