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毎日が山歩き 案内人 伊藤幸司(糸の会・登山コーチングシステム)  50歳を過ぎてからでも楽に山歩き、愉しく山登り、のんびり山遊びが楽しめる毎日を紹介します。

講座 2008.6.12更新  

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【講座57】虫除け


無抵抗主義のすすめ

虫さされにうんと弱い人がいる。他の人がなんでもないのに顔がお岩さんになったという事件が何回かある。

アブに襲われたこともあった。八ヶ岳の権現岳から清里に下る途中で、大型のアブが濃密に待ちかまえている場所があって、そこを突破するまで、ほとんど全員がからだのあちこちを噛まれた。

リーダーとしては、蜂に刺されるのは大きな責任だと考えているので、スズメバチの偵察飛行があったら、もうそこから引き返すくらいの覚悟はしている。おかげで大きな事故はないけれど、ひとりだけが蜂に集中攻撃されたことがある。

中央本線沿線の滝子山の下り道で、私の後、2番目を歩いていた女性が突然大騒ぎし始めた。蜂の集中攻撃を受けたのだ。

黒っぽい服装だったことがよくなかったのかもしれないし、2番目という順番が不運の原因だったかもしれない。ともかく黒くて丸い、クマバチの小型種みたいな蜂が彼女だけを攻撃したのだ。

下山路の途中に陶芸家の家があり、その蜂がジムグリという名で、登山道の脇に巣があったのだろうと教えてくれた。蜂毒そのものは強くないということで、秘伝の塗り薬を分けてくれた。

たぶん、先頭の私が蜂を驚かせて、2番目の彼女が攻撃目標となったのだ。


ヤマビルについてはすでに書いたが、これから日本の山では、いて当然という虫になるのではないかと思う。21世紀に原始的な虫が地面からはい上がってくるという時代錯誤的恐怖は、なかなか強烈だ。

ヒルはその人生(?)にただ1回、待ち伏せに成功して動物の血を吸えれば幸福というようなハイリスクな生き方をしているので、ヒル王国に踏み込んだらもう、逃れられない感じがする。ヒルが出没することが分かると、止まって休む気にもならなくなる。

■虫除けシール――2008.5.27
女性たちは日除けと虫除けに最大の注意を払っているようだ。もっともヘビーなものでは顔をおおうネットまで、出てくるわ、出てくるわ

山に出かけて虫にさされる、虫に食われるという例はいくらでも出てくる。さてどうするか。

結論として、私は無抵抗主義を貫きたい。虫を嫌う人たちは虫除けスプレーから始まって、虫除けパッチとか虫除けリングとか、虫が嫌う木の香りなどをくゆらせる忌避剤を準備している。

キャンプ生活なら蚊取線香や蚊取マットもほしくなるだろう。

私は昔、夏の知床半島山中にかなり長期間滞在したことがあるけれど、あのヌカガとかいう小さな虫に食われて、顔がまん丸になったことがある。

ところがその洗礼を一度浴びると、あとはうっとうしいけれど、大騒ぎするほどのものではなくなった。

あるいは6月から9月にかけて北米ユーコン川を下ったとき、北極圏の川べりでキャンプ生活を繰り返したが、虫にかかわる恐ろしい体験はほとんどない。テントを張ったら虫除けのネットを律儀に閉める程度のことで安眠も確保された。

虫に関しては、みなさんが大騒ぎしている場面でできるだけ平静を装っているだけだが、人並みにかゆいこともある、という程度だ。


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