6ミリ×1.5メートルのクライミング補助ロープ
大昔、ナイル川全域踏査隊というので出かけたときには、太さ6ミリのクレモナロープを大量に用意した。エンジンつきゴムボートの運行に関することから、装備の運搬、キャンプ生活まで、あらゆる作業を6ミリでやりくりした。
ケニアでのことだが、車(トヨタ・クラウンの中古ステーションワゴン)がタイミングギアの破損という重傷になったとき、100キロ(km)ほど牽引してもらったことがある。そのときも6ミリのクレモナを束にしてなんとかしのいだ。
「クレモナ」はクラレがつくるビニロンとポリエステルの混紡糸のブランドで、それまでの綿ロープや麻ロープの役割を完全に奪ってしまった。ロープにおいて化学繊維が天然繊維を追い越したひとつの象徴といっていい。
現在、ヨットやプレジャーボートの係船ロープとしては12ミリから20ミリという太さのものが使われているというが、日常的な汎用ロープとしては6ミリが際だって扱いやすい。
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| ■補助ロープでクサリ場の安全係数を高める ― 2006.4.23 これは両神山の八丁尾根。規模の大きなクサリ場は問題ないが、この小さなクサリ場だけは、1歩か2歩、クサリに全体重をかけたくなる。そういうところこそ、ハンドホールドを増やしてでも、3点支持できちんと下るトライをしたい |
……が、ここで語りたいのはクレモナロープではない。しごく便利で、購入しやすいクレモナロープではなく、登山用品店で「クライミングの補助ロープ」を買ってほしいのだ。こちらは特殊な構造のナイロンロープと考えていただきたい。
登山用のロープには決定的に性格の違う2種類のロープがある。いまクライミングロープというのは「ザイル」といったほうがわかりやすい登攀用のロープで、破断強度が墜落時の安全性に直接かかわるが、じつは伸縮性も備えている。墜落時の衝撃をやわらげるショックアブソーバー機能が内蔵されているのだ。だから一度墜落衝撃を受けたロープは主役の座を降りることになる。
補助ロープのほうは逆に伸びない。その分安くなっていると考えられる。ヒマラヤの登山活動などで「固定ロープを張る」というようなときにはこの補助ロープを使っていると考えていい。
クライミングロープと補助ロープは人間ひとりを支えるという目的では8ミリから11ミリの太さのものが用意されている。シングルで使うか、ダブルで使うかという選択もあって、安全係数の幅はかなり広い。
さて、太さ6ミリの補助ロープはとりあえず何に使うのかというと、登山用語でスリングと呼ばれるもの、あるいは捨て縄と呼ばれるものに使われる。
スリングは最近ベビースリングという名でアフリカ由来の赤ちゃん抱っこ用布ベルトという意味になるらしいが、本来は航海用語で帆桁の吊り綱のことだとか。吊り上げたり、吊り下げたりするロープのイメージだ。
登山では、命をかけるクライミングロープを主役として、それを支える役目のロープにスリングという名を与えている。ただし最近はロープではなくナイロンテープを輪にしたテープスリングが一般的だから、ロープスリングはクラシックスタイルということになる。
どんな使い方があるかというと、岩場を懸垂下降で下るとき、木や岩に捨て縄で支点をとる。それにクライミングロープを通して(ダブルで)下り、最後に引き抜く。文字どおり捨てていくロープのことだ。
あるいはあとで詳しく述べるがプルージックループという輪ロープが非常に活躍する。
6ミリの補助ロープは新品時の耐荷重が1トン近くある。ザックを背負って100キロ(kg)になった人物がぶら下がる程度のことなら十分に耐えられる。6ミリの補助ロープは長さ1メートル単位で約100円なので、10メートルほど買ってみていただきたい。木から木へピンと張ると、ぜいたくな物干しロープになる。
