中高年登山者は清潔さと食事にうるさいので、人気の山小屋に泊まればまず問題ない。しかしそれでも混み具合や天候によってサービス環境は変化する。国際ホテルチェーンが、いつどのホテルに泊まっても同じサービスを提供するということを目指すのに対して、山小屋は同じ金額を取りながら、状況によってサービスは激変する。 というのも、良くも悪くも山小屋は避難小屋をベースにして営業部門を上乗せしている。だから個人所有のちっぽけな山小屋のくせに、国土地理院の地形図に堂々と名前がのる。 高山帯の山小屋には「冬期小屋」と称する小さな施設が備えられていて、冬越しのために戸締めした母屋に触れずに、避難小屋機能を公開している場合がある。 避難小屋の場合は雨露しのいで寝るだけの施設と考えられているから、基本的な機能はどこも変わらない。あとはその日そこに泊まった人数と、顔ぶれによって天国になったり、地獄になったりするだけだ。