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東京湾を見渡す東京タワーは高さ333mだが、それはてっぺんまでの話。大展望台は150m、特別展望台は250mの高さにある。それと比べたら、横浜のランドマークタワーは296mとわずかに低いが、最上階69階にあるスカイガーデンは高さ273mで、日本一高い展望フロアとされている。今回の湯河原・幕山は標高626m(建物同様標高差でいえば約400m)にすぎないが、海の展望台としては東京タワーやランドマークタワーをはるかにしのぐというわけだ。
日本では高山と呼べる山は(富士山を除くと)ほとんどが本州中央部に集まっている。海辺の山は高さではあまり自慢できない。ところが、ぐるり日本一周、海沿いの町や村にはなかなかいい山がある。週末になると地元の人たちが健康登山をするような山になかなかいい眺めのものがあり、桜の季節には花見の山になったりする。北アルプスからはるか彼方に日本海を見る感激もいいが、海や空が表情をどんどん変えていく海辺の小さな山の味わいは捨てがたい。
日本全国にほとんど無数にある海辺の名山の一例として、首都圏のいくつかの山を紹介したい。 |
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伊豆急行の伊豆稲取駅から山に向かって約2時間歩いていくと、山菜狩りの受付所がある。春には山焼きがおこなわれ、ゼンマイなどの山菜狩りを楽しめるのだそうだ。
じつはこの山、ほとんど山頂直下まで車で上がれるのだけれど、草原をゆっくりと登っていくと海がだんだん大きくなり、伊豆大島がすぐ向かいにせり上がってくる。
足元にはゴルフ場があり、風力発電機があり、海岸にへばりつく町がある。あとは海と、驚くほど大きな空。海辺という価値を感じる山といえそうだ。 |
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丹沢はじつにすばらしい海辺の山だ。表尾根と呼ばれる稜線からはいつも視野の中に海がある。これは年中無休の山小屋・尊仏山荘のある塔ノ岳の山頂の朝。太陽がちょうど大山のところから出た。ちょっと見にくいが、大山の右手に湘南の海岸のきれいな円弧が描かれていて、ポチンと江ノ島が見えている。
もうすこし視界がよければ、三浦半島の向こう側に東京湾の海面が細く見え、その先に房総半島がのびている。 |
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東海道の旧街道と国道1号線、東名高速道路、それと東海道本線がよじれ合っているのが由比駅と興津駅の間のサッタ峠。もちろん東海道新幹線も通っているが、海に張り出すしかない状態なので、長いトンネルを掘っている。
浜石岳からそのサッタ峠へと下っていくと、富士山がしだいに駿河湾と一体感を強くしていく。 |
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沼津の市街地から始まる海岸沿いの山並みが沼津アルプスと呼ばれているが、小さなピークがいくつも連なって、たっぷりと歩かされた気分になる。
これはそのほぼ中間に位置する鷲頭山の頂上手前の展望地点。常緑の険しい山が海岸平野をピシャリと仕切っている。ここまで海岸と近いと、海辺の縦走という気分になる。 |
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伊豆長岡温泉の葛城山(452m)に連なる発端丈山に、伊豆三津シーパラダイスの近くから登っていった。ミカン園が終わってスギの植林地を抜けると、突然コンクリート製の展望休憩舎が現れた。
振り返ると内浦湾があって、おにぎり型の淡島が浮いている。海辺の小さな山襞を登ってきたという気分がした。 |
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駒ヶ岳山頂にはロープウェイの頂上駅がある。見下ろすと芦ノ湖があり、さらに駿河湾が光っていた。
この日は大雪の直後で、私たちは大湧谷〜神山〜駒ヶ岳と新雪を踏んできた。1日の行動の終わりを、光る海を眺めながらゆっくりとかみしめた。 |
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「房総のアイガー」というのだそうだが、伊予ヶ岳(337m)に登り、富山まで歩いてきた。
海がずいぶん近づいて、まだ東京湾の内側なのに、海はずいぶん大きく見えた。
南総里見八犬伝の世界がこんな風景の中に展開した……のだろうか。 |
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首都圏ではないが、海辺の山としてきわめて特異なものとして深田久弥が「日本百名山」のひとつに加えたのが鹿児島県のこの山。
円錐形の旧火山が南国の常緑樹にすっぽりとおおわれて緑の塔(伝説のバベルの塔を想像させる)となっている。そこを螺旋形にほぼ一周して山頂に達するのだが、展開する海岸の風景にあっ!と声をのむ瞬間を乞御期待。 |
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