


 |
 |
| |
 |
 |
 |
| |

|
 |

 |
かみこうち(標高約1,500m) |
 |
上高地へ入る道は釜トンネルが車両通行止めとなるために(工事車両は入っているかもしれない)、中の湯バス停が出発点となる。
 |
 |
釜トンネル入口には小さな売店兼茶店があり、川の向こうに小さな小屋の「ト伝の湯」がある。タクシーの手配などもしてもらえるので、出発準備をかねてちょっと寄っておくことをすすめたい。
 |
 |
トンネル内は、照明もなく、水が床面に流れていて、それが凍結。軽アイゼンが必要だったが、2005年夏に新しい2車線のトンネルが全線開通して、釜トンネルが一新された。
 |
 |
トンネルを抜けると雪道だが、舗装されたバス道であり、(2005年2月には)上高地周辺に工事車両がたくさん入っている気配だった。ダンプトラックは、上流から見て右岸の道を使うので、大正池の手前から圧雪道路は対岸に渡って、こちらのバス道は除雪していない雪道となっていた。
 |
 |
道は平坦だが雪がかぶっているので、河川敷の自然研究路に入る場合には水路に落ちないように慎重に歩かなければならない。
 |
 |
冬期のトイレは大正池、バスターミナル、小梨平、明神にある。
 |
 |
河童橋の上高地バスターミナルはすべて閉じており、周辺のホテル、旅館、山小屋などいずれも冬期休業している。
 |
 |
冬期営業している宿泊施設は明神からさらに上流約1時間、徳沢園の冬期小屋1か所しかない。
 |
 |
釜トンネル近くには中の湯温泉旅館(TEL 0263-95-2407)と坂巻温泉旅館(TEL 0263-95-2453)があって、
上高地のスノーハイキングには便利な宿となっている。
 |
 |
NTTドコモのアンテナは冬も生きているようなので、携帯電話は通じると考えていい。 |
|

 |
 |
 |
夏は上高地へ入るバスやタクシーに困らないが、冬には松本バスターミナル〜高山バスターミナル、松本バスターミナル〜新穂高温泉のバスが日に数本あって中の湯に止まるだけ。松本〜中の湯1,550円、高山〜中の湯1,800円。
 |
 |
タクシーはアルピコタクシー中央の沢渡営業所(TEL 0263-93-2700)と新島々営業所(TEL 0263-92-2307)
ある。松本電鉄の新島々駅へ出るにはそれとして、松本へ出る場合には、釜トンネル入口の売店で相談してみると帰りがけのタクシーなどがつかまる場合がある。タクシーは釜トンネル〜新島々が約8,000円、釜トンネル〜松本が約12,000円。
 |
 |
中の湯温泉旅館か坂巻温泉旅館に泊まる場合には、送迎があるのであらかじめ問い合わせておきたい。釜トンネル入口までの送迎も期待できる。 |


 |
この地図の範囲は国土地理院1:25,000地形図、高山7号-2(かみこうち)、高山7号-4(やけだけ)でカバーされる。
 |
 |
赤い○印は標高50mごとに置いた半径50mの円。青い◇印は山頂から約500mごとの水平距離。○印の間隔によって登山道のある斜面の傾斜を把握できる。
 |
 |
さらにこの地図の特長は、○印と◇印をどちらも1個(1ポイント)7.5分(2個で15分、8個で1時間)と仮定して、時間とエネルギーを概算できること。 |
|
 |
|
 |
 |
 |
上高地は登山者にとっては起点、観光客にとってはほぼ終点という境界域を構成していて、それゆえに登山者には便利さを、観光旅行者には奥深さをもたらしている。
夏休みには渋滞が生じるほどの超人気観光地であり、新緑の時期、紅葉の時期にも待ちかまえて出かける人がいるほどだから、ふつうならスキー場などを設置して冬でも稼ぐところだろうが、幸か不幸か雪が降ると観光地としての上高地は閉じてしまう。
1992年だったと思うが、テレビ朝日の「ステーションEYE」というニュース番組で、登山家の大谷映芳ディレクターが正月の西穂高岳に登った。私は女子アナを連れて行く役で、涸沢のテント村の取材に入った。
冬期は釜トンネルが車両通行止めとなる。そこから登山者の世界となるわけだ。1月2日に釜トンネルをくぐったが、いるわ、いるわ、登山者が次から次へとやってくる。子ども連れもいれば、マウンテンバイクでけっこう快適そうな人もいる。
道は舗装されたバス道に雪が30cmほど積もった状態。しかもすでに涸沢に1,000人以上入ったという冬山登山の人たちが十分に踏んでいる。雪国の田舎道をゴム長靴でトコトコ歩く感じで上高地まで入れてしまった。
上高地にはご存じ河童橋周辺に宿が並んでいて、合計1,000人以上の宿泊定員となっているが、どこもピタッと戸を閉ざしている。バスターミナルも森閑として売店すら開いていない。
じつはこの時期(正月)、上高地で正規に営業(レストランも)しているのは大正池のたもとにある大正池ホテル(松本事務所TEL0263-33-7400)。その先は、冬期小屋を営業小屋(食事付き・宿泊可能)としている徳沢園(氷壁の宿。4月〜11月TEL0263-95-2508/冬期TEL0263-94-2438)しかない。あるいは稜線まで上がって、通年営業の西穂山荘泊まりという選択もあるが、その場合は岐阜県側の新穂高温泉からロープウェイで上がった方が合理的だ。
しかし「正規に営業」と書いたのは、正月のこの時期に限っては、常連客を受け入れているところがあるような気がするからだ。私たちはその日、明神の嘉門次小屋で宴会に加わり、泊めてもらった。
テントを持ってくるとなると登山者としては上級の力量が必要となるけれど、河童橋の先の小梨平キャンプ場にテントを張って、真冬の上高地を体験するというだけなら、あんがい簡単。冬山経験者にアドバイスしてもらう程度で問題ない。……というのは上高地は谷間の小盆地状態なので冬の強風は吹かない。雪崩の危険もほとんどなく、滑落する危険な斜面もない。吹雪いたとして梓川沿いに既存の道をたどるだけだから、あわてなければ問題ない。標高約1,500mの山間の寒さがあるだけのことだ。 |
 |
 |
 |
正月中は人がたくさん入っているから安心という、あまり意味のない気安さによりかかることもあるだろう。そこで正月はやめて、厳寒の2月はいかがだろうか。
前泊しての日帰りハイキングという考え方で河童橋往復、あるいは明神往復。泊まりたければ徳沢園の冬期小屋だ。
前泊は松本周辺でもいいけれど、山歩きの序章としては中の湯温泉旅館か坂巻温泉旅館をすすめたい。両館とも上高地へのスノーハイクの基地として利用されているので情報も得られる。釜トンネルへは歩いても行ける距離にあるので、宿で朝食をとってから出かけられるだけの時間的な余裕がある。
釜トンネルは新しくなったのでそちらを通るかと思うが、上高地へのゲートとしてドラマチックな仕掛けになっている。路面に薄氷が張っている可能性があるので軽アイゼンはつけておきたい。
トンネルを抜けてしばらくは上方からの雪崩の危険もあるというが、一般の林道歩きと変わらない。そして、カーブを曲がると、突然穂高連峰の白い峰がドンと正面にある……かもしれない。そこからが上高地の心弾む雪の道だ。 |
 |
 |
 |
冬の山歩きの服装は、太平洋岸では好天に恵まれる確率が高いので厚着に注意しなくてはいけない。登りの斜面ではほとんどの場合風がなく、日だまりであったりすると汗が噴き出る。だから春・秋の服装を基準にする。半袖の登山用Tシャツに長袖のシャツ。ズボンは、寒いようなら薄手のタイツをはく。
当然、それでは家を出るときに寒すぎるから、フリースのシャツやジャケットを着るとして、おおよそその程度で服装のベースができる。
冬の山歩きの服装を考えるときに重要なのは、寒さに対する備えよりも冷たさに対する備えと考えたい。すなわち手袋、耳覆いのある帽子、保温性のある靴下を3点セットとして、いろいろ確かめて軽量級と重量級の組み合わせを獲得しておきたい。
……というとあまりにも寒そうに見えるけれど、マイナス0度あたりで天気が悪いときや、上高地のように標高が高くてマイナス10度ほどにも下がるところでは、一番外側にゴアテックスなどの透湿防水性の雨具を着て外部環境から身を守るバリアスーツとする。透湿防水のバリアスーツは冷たい風をブロックしてくれるだけでなく、内部空間の湿度をかなり効果的に調節することを可能にしてくれる。
このように「寒くならない」服装を整えたうえで、想定外の寒さ、冷たさには使い捨ての「貼るカイロ」で重点的に補っていく。貼るカイロについてはいずれ詳しく書きたいが、「ミニタイプ」が万能。最初に確かめてみていただきたいのは腰、土踏まず、手の甲といったあたり。貼るカイロは肌着の上から貼るのが基本だが、体温の環境下で使うと長時間安定した発熱を続けてくれる。保温というより加温であり、肌を湿らせない登山用の肌着に貼る限り、何枚貼っても低温やけどの危険を感じたことはない。 |
 |
 |
 |
いちばん心配なのは足ごしらえだと思うが、おおかたの軽登山靴、トレッキングシューズ、防水のウォーキングシューズなら問題ない。低地の雪は湿って足を濡らしやすいが、氷点下の世界では雪がほとんど溶けないから防水は意外にゆるくていい。
私の体験では、メッシュのランニングシューズに透湿防水靴下をはけば、スパッツなしでも問題なく歩ける。靴下はアンダーとアウターの2枚重ねで、アンダーソックスはウィックドライ機能のもの、アウターには貼るカイロに酸素を供給できるように空気をたっぷり保持できる厚手が好ましい。高級なウールの厚手のソックスは頼りがいがあるが、近くのスーパーで購入した安物の、化繊のパイルソックスでも貼るカイロを常用する限りにおいては問題ない(本格的な冬山装備としては「想定外」の事態に対する安全性を十分に確保しておかなければいけないので、靴下の選択は慎重でなければならない)。
 |
軽アイゼンの2連装(2004.8.21北アルプス・劔沢雪渓にて)
まず軽アイゼン(4本歯と呼ばれる)を土踏まずにロープで固定。それを土台にしてつま先側にもうひとつを固定する。爪が浮きやすい軽アイゼンの欠点をこれによって補える。
販売時にはナイロンバンドやゴムバンドがついているものが多いが、太さ4〜5mmの登山用補助ロープ(長さ1.5m前後)で固定するほうが確実で汎用性も高い。
ただし足幅が広くてアイゼンが靴底にはまらない場合を考えて、私は危機管理用に常備する軽アイゼンとして靴を受ける(ロープをかける)爪を広げたものを3セット用意している。ロープだときちんと縛れるので通常の使用にも問題ない。 |
あとは軽アイゼン。登山用品店にいくと手のひらにのる軽アイゼン(4本歯などと呼ばれる)は危険だから6本歯にしなさいと指導される。そのあたりのことについては改めてこまかく解説する必要があるけれど上高地のスノーハイキングでは手のひら型軽アイゼンでまったく問題ない。ただ、なかにはゴムバンドの使いやすそうに見えるものがあるが、場合によって命にかかわる装備を、伸びるひもで装着するという考え方はまったくけしからんというしかない。ゴムバンドの軽アイゼンはどうでもいいときには便利だが、本当に必要なときに力が加わると役に立たない。
私は以前から、運動靴をすすめていることもあって、ベルト式のものもベルトをはずして、4〜5mmの登山用ロープ(長さ約1.5m)でわらじのように装着することをすすめている。
ちなみに、手のひらタイプの軽アイゼンは鉄の歯が土踏まずのところしかないので、歩き方を慎重にしないと歩く動きの中で浮くことがある。その意味で6本爪(本格的な登攀用アイゼンから前爪を省いたかたちになっている)だとかかと着地やつま先でのけり出しをしても爪が浮く危険が少ない。
手のひらタイプの軽アイゼンは、しかしコンパクトで軽いので、わたしは夏でも2〜3セットはザックに放り込んである。足を痛めた人にできるだけ負担をかけずに下山してもらうというようなときに有効だから、危機管理ツールとして常備している。あるいは冬の舗装路。昼間溶けて流れた水が道全面に薄い氷を張っていることがある。そういうところではどんなに時間がかかっても、アイゼンをつけてもらって通過する。どんな靴にもつかえる2〜3セットが危機を救ってくれる。あるとき奥多摩の陣馬山から下るときに片足ずつはいてもらったことがある。つけられなかった私はダブルストックで慎重に歩いたにもかかわらず3度みごとに転倒した。
それと、トラバース道が沢をわたるようなところでほんの数歩だが、すべったらその後が非常に危険な場合がある。そういうときに初心者がいたら、軽アイゼンを片足に2個ずつつけて爪が浮かないように万全の準備をする。時間がいくらかかろうが、それがほんの数歩のことであろうが、大きな危険につながるところでは最善をつくしておかなければいけない。
手のひらサイズの軽アイゼンは気楽に使えるというよりも、汎用度の広い危機管理ツールとして、私にはきわめて重要な装備となっている。 |
 |
|
|