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ゆっくりと島巡り 案内人 船木文宏

周防大島情報発信人 山口県周防大島町 大野圭司(島スタイル編集長) 2006年9月20日更新

あったらいいなを“カタチ”にしようとする人って“かっこいい”!

油田小学校のかわいい後輩たちが大人になる頃、都会から島に帰って来てしまう。そんな風土をつくりたい

東京から周防大島にUターンして2年。フリーペーパーを創刊したり、島PRで大阪の展示会や屋久島のサミットに参画したり、家紋アロハのビジネス化など猪突猛進で仲間と挑戦し、その反省と学びのおかげで、自分が本当に目指したい道が少し見えて来た。

その道は、写真に写っている、かわいい後輩たちが社会へ出て、本気で自分や島の未来を考える“大人”になる頃(15年〜20年後)、「あったらいいなを“カタチ”にしようとする人って“かっこいい”!」と思い行動する、島民・出身者・島ファンが増殖する風土づくりを、自分の仕事にすることだ。


バリアフリーアパート“しらき村”の夏祭りで、お年寄りを輪で囲み「大島音頭」を踊る少年と大人たち

僕の想い出は、13人の同級生と学び舎のある「油田(ユダ)」につまっている。その母校も、2年後には、島内の学校統合により廃校になる。油田とは、江戸末期の油宇村の「油」と伊保田村の「田」を合わせ明治22年に“油田村”になった地域名のことで、僕の少年時代は油田にある。油田村は、昭和30年には東和町として合併し名前はなくなり、2年前には島内4町が合併し、東和町は周防大島町になった。そして10年後には、道州制による広域合併で、周防大島町という名前もなくなるかもしれない。

現在の周防大島は高齢化率45%で、人口は21,000人だが、10年後には17,000人になる予測だ。けれど、僕は悲観的に捉えていない。地域力とは住民数ではなく、その地域に「あったらいいなを“カタチ”にしようとする人」の割合“起こし率”次第と考えるからだ。もし現在の周防大島の起こし率が1%だと210人、10年後に3%になれば510人。周防大島の地域力が2.4倍になったと表現することも可能だ。


白鳥ヶ浜で花火を見つめる、広島から去年Uターンした3歳の“新島っ子”。周防大島の海や山で、少年時代は思いっきり遊んでほしい。そして、心の根っこをこの島に持てるように

その起こし率は、どうやったら上がるのだろうか? ひと言で表現すると「友だちが、おもしろそうにやってるから、自分も何かしたいな」と、思わせる作品を、友だち経由で自慢することだ。自慢する方法は色々とあるが、僕らは周防大島を舞台にし、自分たちが好きな “インターネット” と “TV” という素材を掛け合わせ「周防大島インターネットTV」を本格的に始める。自分が自慢したいヒト・モノ・コトを、映像作品としてインターネットでTVのように広める。その作品を見た人が、共感や感動をフィードバックしてくれると、自分に自信を、地域に誇りを、そして次へのモチベーションが生まれる。インターネットTVという地元メディアづくりを旧村単位で行なうことで、地域コミュニティを結い直し、地元アイデンティティをより多くの人が持てるようにしたい。
旧村単位で、多世代を通じて、共通の想い出がある場所はどこだろう? それは “学校” だ。僕らの母校、油田小学校を周防大島インターネットTV “油田村チャンネル” の番組づくり拠点にしたい。実はすでに、実現に向け2つの挑戦を始めている。

2人の大人は「伊保田コミュニティCLUB」の代表と奥さま。旦那さんは、奥さまを連れ僕が小学生の頃に都会から島にUターンした。右端は、高知の大学へ入学し帰省中に夜店を手伝ってくれた。その隣は、伊保田在住の島の高校生。二人は僕のサッカー仲間

1つめは、伊保田盆踊り会場に夜店を復活させ、伊保田を盛り上げたいと思う「伊保田コミュニティCLUB」の挑戦だ。メンバーは中学生、高校生、帰省中の大学生、20代、40代と幅広い。売る品は、たこ焼き、焼きそば、フランクフルト、焼き鳥、かき氷、ラムネとビールだ。僕は焼き鳥を声が嗄れるまで500本売りまくった。みんなのおかげで、2日間で10万円以上を売上げ、利益は来年への投資にした。伊保田という自分の一番近いコミュニティで、「“あったらいいな”を、自分たちで“カタチ”にする」というおもしろさと充実感を体感できたことが、来年の夜店出店につながり、伊保田祭りへの積極的な関わり方も考え始めた。


盆踊りには、多くの出身者を交えて輪を二重に作る。10年後には、この輪を三重に広げたい

2つめは、島のデジタルカフェ「きんさいネット」で5月から実験的に開始している、周防大島インターネットTV“のんたNews”だ。のんたとは、島の方言で「の〜あんたぁ」が略され「のんた」。「今日もええ天気じゃのぉ、のんた」と語尾につけると、言葉にリズムが出る。なので、“のんたNews”とは、家庭用のビデオカメラでつくる地元のニュース番組。きんさいネット裏の、瀬戸内絶景スタジオでのトークとロケ(夏祭り・ドライブ映像・カフェオーナーのインタビュー等)を編集し、ニュースにしている。

盆踊りで再開した同級生たち。広島へ嫁に行き子ども連れで帰省した岡本、広島のホテルで日本料理人としてがんばっている松井と甥っ子、少年時代と変わらず僕の家から徒歩5分の実家で暮らす山本

この2つを組み合わせ、油田村の盆踊り夜店ドキュメンタリーを来年の夏はつくりたい。そして、ドキュメンタリーだけではなく、誰でも自分のネットTV番組がつくれるようになる講座も開始したい。発展継続するために、観光協会等と連携し島内企業からの制作費で、島の食べ歩き番組をつくったり、中国電力MEGA EGG等の動画配信ポータルサイトへ、制作番組を販売したり、地元NHK等に周防大島のタイムテーブルをつくってもらい、番組制作費を頂くビジネスモデルを考えている。将来的には、テレビCMからネットCMへ企業の広告費が移ることが予測されており、YouTube等の動画共有サイト・Google・ビデオiPodが連携した広告ビジネスで、周防大島インターネットTVの番組に、企業広告の出稿が生まれることも視野に入れている。

そして、何より実現したいのは油田村に新しい仕事をつくること。例えば、1泊2日(3食ガイド付)で20,000円/人の油田村ツーリズム。その油田村ツーリズムの構想からプロモーション、顧客の声までを周防大島インターネットTVで、島ファンに伝え売上につなげたい。この仕組みを、島内全域に広め、もしかすると、10年後には瀬戸内海の島々に広がり“瀬戸内海インターネットTV”が実現しているかもしれない。


かわいい後輩や、僕のこどもたちが、都会に出て学び成長し、周防大島に帰って来てしまう。それが当たり前になる日は、そんなに遠い未来じゃない。

【参考ホームページ】  
島のデジタルカフェ“きんさいネット” WEST CAFE MEGA EGGドットコム
周防大島の友だちづくりSNS「島トモ」 ouTube - Wikipedia
周防大島インターネットTV(のんたNews)  
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