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ゆっくりと島巡り 案内人 船木文宏

周防大島情報発信人 山口県周防大島町 大野圭司(島スタイル編集長) 2006年8月16日更新

島民の島民による島民のための“星野哲郎記念館”へ

5億1,700万円で建設する“星野哲郎記念館”を、仁徳天皇陵の古墳のような
墓場にしてはいけない〜

母が愛しく見つめる子どもの未来は、このイカダのように波次第。快適な波づくりが僕らの仕事だ

周防大島に2006年の夏がやってきた。島スタイル編集部のオフィス下に広がる“しらき村プライベートビーチ”には、時折、子ども連れの家族が訪れる。このイカダにちょこんと座っている子が20年後、大人になった頃の周防大島はどうなっているのだろうか。
7月29日、不安と希望で頭がパンクしそうになる出来事があった。周防大島町和佐出身の名誉町民である作詞家星野哲郎さん(80)の、音楽活動を顕彰し、5億円1,700万円で“星野記念館”を建設するための着工式があったのだ。4千曲を超す星野さんの作品が聴ける「映像の間」、来場者が星野さんの曲のみを気軽に歌える「音の間」、ゆかりの品を展示する「夢の間」などが設けられる予定で、完成は2007年7月だ。


“星野哲郎記念館”には、新築移転する町役場東和庁舎を併設。鉄筋平屋約850平方メートル で、建設費は約5億1,700万円
周防大島文化交流センター(宮本常一記念館)のとなりに併設建設中の工事現場

星野さんのヒット曲には、「三百六十五歩のマーチ(水前寺清子)」や「兄弟船(鳥羽一郎)」や「なみだ船(北島三郎)」があり、全国の演歌ファンからすると有名人のようだが、若い世代からすると、演歌というのは“聴くのではなく、時々テレビから流れている存在”だ。東京暮らしをしている時に、20代の友人10人くらいに、星野哲郎を知っているかと質問をしたら、1人が「名前は聞いたことある」と答えたのが印象に残っている。演歌は20年後には、歌謡曲ではなく、民謡や童謡のように、継承していく“文化”になっていくような気がしているのは僕だけだろうか。約5億円もかけて、多くの島民にはあってもなくてもどちらでもいいようなハコモノが建設されるのだ。“星野記念館”を、仁徳天皇陵の古墳のような墓場にしてはいけない、と強く思う。


星野哲郎記念館の工事現場と夕暮れ風景に、周防大島の未来が重なる

実は、周防大島町は、今のペースで町基金を切り崩して地域経営を行なうと、2年後には財政破綻という危機的な状況に陥る。このままでは道州制を見据えた、数年後の柳井市地域との広域合併で、星野哲郎記念館は利益を生まないハコモノとして、指定管理者に出され民間ビジネスとして、再出発する可能性がある。
僕ら島民は、近い将来の島変革に今から備えなくてはならない。数年後にはもう、周防大島町はないのだから。

しらき村の屋上から、道の駅とうわ方面を眺める。民間ビジネスは元気があり、道の駅には、年間18万人の島ファンが訪れる

新たな民間活動による島活性化が、島の行き先を決める。僕が東京からUターンし2年と10日。その間に、10人以上の20代30代が同時多発的にUIターンし、島起業家(アイランドプレナー)として自営業にチャレンジしている。(財)日本離島センター主催の「しまづくりサミット」や「島づくり人材養成大学」に参加すると、この2年で起こった周防大島の現象は、全国の島でも希有な事例だと実感している。そしてさらにこの夏、新しいチャレンジが始まった。


サッカーをキーワードにあつまる周防大島を愛する島民有志。焼き肉パワーで、民間チームのハットトリックを目指せ!

まず、サザンセト少年サッカー大会を行政主導から民間主導にしようという、大島サッカー協会の新しいチャレンジ。この少年サッカー大会は、全国の強豪サッカーチームが集まる、島の大イベントなのだが、4町合併し予算縮小で、5年後にはなくなってしまうかもしれないという、危機感をもった30代のサッカー協会の会長が旗を振って始まった。島を愛するサッカー好きな島民が、毎週集まり積極的に議論を深め、9月には周防大島町へ提案書を出す計画で進めている。

周防大島インターネットTVで今の島情報を映像でお伝えする「のんたNews」
周防大島インターネットTVのキャスターも務める、「ami cafe 228. 」オーナーの伊藤慶子。実は別掲写真のイカダに座っている母でもある

僕が暮らす伊保田という集落の盆踊りに、夜店を復活させようという、僕にとって一番身近で大切な課題を、自ら解決するチャレンジも始まった。8月14日の夜は、「伊保田コミュニティCLUB」の一員として、テキ屋の兄ちゃんのごとく元気に、焼き鳥やたこ焼きを売る。
さらに、「島にお嫁さんいらっしゃい〜」ではなく、島内恋愛のミスマッチを解消することで少子化対策につなげるというチャレンジ「島内恋愛のすすめプロジェクト」も、山口県との共催事業として始まった。具体的には、島ムービー協同制作で“島内LOVE”のきっかけを生み出すプロジェクトで、みなさんの好きな「島スポット」を集め「島ムービー」を制作し、独身男女が出会える「上映会&バーベキュー」を開催するという内容。このプロジェクトをきっかけにして、島で結婚し子育てを始めるカップルを生み出したい。

盆通りに夜店を復活させよう。伊保田を盛り上げたい有志が集まった「伊保田コミュニティCLUB」の第一プロジェクト

そして、8月末には、周防大島インターネットTVの事業化チャレンジとして、山口県の中山間地域を元気にする事業プランに応募する。瀬戸内の島々はどこも似たりで、凪いだ海に蒼い空、みかんと魚介類がおいしい。だからこそ「島民の島民による島民のための島」を力を合わせ創っていくことで、その他の瀬戸内の島にはない魅力を掘り起こしカタチにしたい。
島民の島民による島民のための“星野哲郎記念館”が実現する、島の未来に希望をのせて。

【参考ホームページ】  
星野哲郎記念館 島内恋愛のすすめプロジェクト
白鳥ちあき 周防大島インターネットTV(のんたNews)
サザン・セト少年サッカー大会  
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