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さて、利尻島といえば真っ先に思い浮かぶのは、利尻山。以前は利尻岳ともいわれたが、現在の正式名称は利尻山。海抜1,721メートル、通称「利尻富士」。北海道名菓「白い恋人」のパッケージを飾っているのがこの山だ。“富士”をつけて呼ばれる山は全国各地に多いが、利尻山は山容だけからいえば、それほど富士山には似ていない。山頂部はゴツコツと荒々しく、見る場所によっては、2つ頂上があるように見えるのだ。ご存じ深田久弥の「日本百名山」はこの利尻山から始まるが、その冒頭には「利尻富士と呼ばれる整った形よりも、むしろ鋭い岩のそそり立つ形」とある。
そして、残念なことに山頂までの全体を見るのは極めて難しい。8月末に訪れたこの時も、逆さ富士が写るはずのオタトマリ沼や姫沼の対岸から眺めたが、中腹あたりから上は厚い雲に覆われてまったく見えなかった。姫沼で諦めきれずにしばらく見つめていると、やっと雲が少し動き、その切れ目から三角の山頂らしきものが現れた。やったとばかりに快哉を叫ぶと、さも気の毒そうな顔して島の人にいわれた。
「あれはさ、頂上じゃないの、手前の頂で本当の頂上はあの左側にあって、もっと高いんだよ」 |
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利尻山の写真看板。山が見えないので、この看板を背に記念写真を撮る気の毒な人もいる |
 
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オタトマリ沼の美しい風景。本来なら対岸に利尻山が見えるのだが |
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