香深港と島の最北端、スコトン岬を往復するバスに乗って右手の海を何気なく見ていると、やがて小さなボールのようなものが浮いたり沈んだりしているのが見えてきた。それも一つだけではない。よく見るとあちこちに2つ3つ、また4つ5つ、いくつかのグループになっているようだ。これがなんと、アザラシの頭だった。最近アザラシはかなり近くまでくることがあるらしいが、香深に近いところまでくるのは珍しいそうだ。温暖化など気候の変化や、天敵との関係、餌の量などが影響しているのだろう。しかし群れて遊んでいる彼らの姿をみていると、実に平和で地球環境の悪化の深刻さなど忘れてしまいそうになる。

最北端のスコトン岬はクワガタにたとえると、左角の先端。人の住む島としては日本最北の地だが、稚内岬の方が緯度が高いので、慎み深い礼文の人々はスコトン岬を最北端とはいわず“最北限”といって、日本最北限のトイレ、最北限の売店などという具合に使うのだ。この岬の前方に見えるライオンが腹ばいになったような姿の島が海驢(トド)島。明治期までトドが棲息していたことによる命名だが、今はまったくいない。代わりにアザラシが集まる。天気のいいときには遥か遠くにサハリン(樺太)が見える。ロシアとの国境線はすぐ先だ。眼下に広がる大海原を越えて北方を見つめていると、自然の雄大さと人間世界の小ささを得心させられる。
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礼文島最北端の岬、スコトン岬。前方約1.2km
に見える島は海驢(トド)島。明治中ごろまでは ここにトドが生息していたそうだが、今はいない。 |


澄海(すかい)岬の案内図。島の地図もあり花の説明も親切だ。この付近は礼文島の花として有名なレブンアツモリソウの群生地があり観光客注目のポイント。 |
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