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| 奥尻港のターミナルビル。黄色いマスコットは「うにまるくん」 |
船が着岸して、タラップが取り付けられ、外に出られるようになるまでには少し時間がある。船内の出口には今や遅しと乗客が並ぶ。身を乗り出して港を眺める。ターミナルビルには歓迎の垂れ幕がさがり、奥尻島のマスコット「うにまるくん」が置いてある。到着したときは置物だけだったが、帰りには縫いぐるみの「うにまるくん」がいて愛敬を振りまいていた。
やっと港に下りて地面を確かめるように踏みしめ、左を何気なく見やると、奇妙な形の岩が見える。ヤカンのツルのような、真ん中が大きく空いた、というか、粘土細工で造った馬蹄のような形だ。これが実は、奥尻島のシンボルともいわれる「鍋釣岩(なべつるいわ)」である。鍋の取っ手のような形に侵食されているので、こう呼ばれる。夜間にはライトアップされるそうだが、今回は残念ながら夜の姿は見られなかった。
奥尻町の資料によると、この岩の本体は約500〜200万年前の鮮新世という地層の安山岩で、高さは19.5m、周囲101m。日本海の荒波と厳しい風が、気の遠くなるほど長い年月にわたって刻んだ、「芸術作品」である。岩の上部右に生えている小さな木は「ヒロハヘビノボラズ」だそうだ。
写真をよく見ていただくと分かるのだが、上部左肩の部分が少し他とは違って見える。この部分は、大地震で壊れ修理した跡だという。全崩壊しなくて本当によかった。
港から南へ徒歩数分の距離に、この岩をじっくりと観察できる展望台がある。そこから真下の海をのぞくと、きれいに澄んでいて、海底の岩に小さな黒い球体が無数に散らばっているのが見える。これが、なんとみんな「ウニ」なのであった。
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