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久しぶり来た伊豆大島である。何とか滞在中に三原山に登りたい、お鉢めぐりをしたいと思っていた。40年以上前の前回は、火口を見た記憶が薄れ、ただ黒くゴツゴツした溶岩の上を長く歩かされた記憶しかない。あれは今の裏砂漠にあたるあたりだったかもしれない。今は86年の噴火で流れ出た溶岩の上を歩く散策路が出来ているが、それ以前はただ溶岩がだだっ広く敷き詰められた、砂漠という感じだった。
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| 今回お世話になった大島観光自動車の福本三雄さん |
今回はしっかり火口を見て記憶に残したい。しかし問題は天気である。5月連休前の静かな時期の大島を狙って選んだ4月下旬だったが、あいにく毎日曇天で、いつ降り出してもおかしくない空模様だ。しかし、到着2日目の月曜日、ホテル「白岩」のマネージャーが、
「お客様、どうしても行かれるなら、今からすぐがいいですよ。先ほど外に出て見ましたら、今朝は雲が切れて上まではっきり見えてます。午前中はきっと大丈夫でしょう」
と、嬉しいご託宣。食事を慌しく切り上げ、早速、昨日知りあって今回のガイド役を頼んだ、大島観光自動車の運転手、福本三雄さんに電話をした。バスの出発時間に合わせる余裕はない気がしたので、山頂口まではタクシーで行くことにしたのである
「今日午前中は大丈夫と天気予報でもいってました。よかったですね。すぐに伺います」
と、彼もいう。
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| 山腹から見下ろした岡田港方面 |
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| 山頂口。遊歩道の降り口に外輪山展望所がある。内輪山方向は霧に煙ってあまり見えない |
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| 内輪山に向かう遊歩道は山頂口から下っていく。みやげ物店などが数件軒を連ねている |
福本さんは、バスの通る三原山登山道路ではなく、ホテルから近い御神火スカイラインを登ってくれた。かなり勾配のきついところもあるが、いい登山道だ。福本さんは子供のころにこの道を登ったことがあるそうだ。窓から見上げると雲の合間に青空が見える。その雲もあまり厚くない。なんとか天気はもちそうだ。
途中で元町港を望む写真を撮って、山頂口まで約30分。福本さんとはいったんここで別れて、昼過ぎに大島温泉で待ち合わせることにした。ゆっくり歩いて、お鉢をまわって、大島温泉で昼食、という予定である。
「大島温泉あたりは携帯電話が通じませんから、もし何か用事がありましたら、大島温泉の公衆電話を使ってください。では後ほど」
こう言い置いて福本さんは去った。さあ、何とか晴れているうちに、大島温泉までたどり着かなければならない。善は急げ、である。すぐに山頂口から火口へ向かう山頂遊歩道に降りた。その降り口に小さな店が何軒かあり、そこに福本さんの親戚の方が土産物屋を出していると昨日聞いた。福本さんが車のバックミラーに吊るしていた、堅く乾燥した椿の実で作ったアクセサリーが気に入ったので、買いたかったのだが、あいにく連休前の月曜日、しかも曇天。店は全部閉まっていた。やむなく火口へ向かって歩きだした。
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