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| 郷ノ浦港付近のクローズアップ |
本欄第6回で紹介した司馬遼太郎の『街道をゆく13 壱岐・対馬の道』で、岳ノ辻は次のように書かれている。
「壱岐は、どこを歩いても風が野と段丘と林を吹きわたっている。大和路のように野の中にいきなりガソリンスタンドやドライブ・インが出現するというようなことはない。
岳ノ辻までのあいだ、かつての東国の防人が壱岐に駐屯させられたことを思ったが、かれらが見た景観と、いま私どもが見ているそれとさほどの違いがないのではないかと思われた。……(岳ノ辻には)粗末な無人の展望台があって、その粗末さがかえって自然をそこなうことをすくなくしていた。
台上にのぼって国見してみると、海にかこまれたこのわかめをひろげたような形の島が、海にむかって押し出すように、緑が広がっている。一面の緑に無数の濃い斑点があり、それはすべて森だった。森の多さにおどろいた。上代はその森ごとに神がいた。いまもこの島ほど古社の多い土地は全国でもめずらしいのではないか。」
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