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やや空きっ腹ながら黒糖焼酎製造工場の見学をした。説明は階段を上がって2階で受ける。壁には製造工程や焼酎の成分表などが貼ってあり、ちょっと化学の授業みたいな雰囲気である。説明員もどこか中学校の熱心な教師、というイメージだ。ここで驚きましたね。Kさんが、先生に見つからないように悪さをするみたいな感じで、そっと私の袖を引いて耳打ちをしたのである。
「Fさん、これ見てよ。この圧力メーター。これね、ウチの会社の製品なんだ。ちょっと古いんだが、この工場で使う分には問題ない。私は営業じゃないから、こういうところに使われているなんて、まったく知らなかった」
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| 製麹機。これについている圧力計がKさんの会社の製品だった |
いや〜、驚きました。こういうことってあるんですね。このようなツアーで知り合ったメンバーは、あまりお互いの職業など披露しあうことはない。Kさんも別に教えるつもりはなかったろう。まったくの偶然で、自分の手がけた製品に予想もしないところで出会い、たまたまそばにいた私に、その驚きを伝えたに過ぎないのだ。しかし、披露するともなく仕事を知ってしまうと、親しみは一層深まるものだ。これも、予期せぬ旅の楽しみの一つである。
さあ、せっかくですから、ここで黒糖製造の流れを簡単に紹介いたしましょう。そうそう、中学の授業のように、退屈でしたら居眠りしてもいいし、別な本を読んでいただいても結構です。
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