 |
| 穏やかな古仁屋港。胴体に赤と青の鯨が描かれているのが、半潜水式水中観測船「ニューせと」 |
「半潜水式水中観光船」は、甲板下の船室の舷側がガラス張り(硬質プラスティック)になっていて、水中が見られるようになっている便利な船だ。古仁屋港には胴体に赤と青の鯨を描いた2隻あって、1日7便運航している。所要時間およそ1時間弱。
大島海峡の海は奄美大島側も加計呂麻島側も、複雑に入り組んだリアス式の海岸で、かなり幅が狭いから、大きな川か湖のように穏やかだ。台風がくれば激しく波立つのは当然だが、今日の海面を見ていると、そんなことは永遠に起こらないと思えるほど穏やかだ。20分ほど快適に進むと、最適スポットに到着したというアナウンスがあった。
 |
近くで見る半潜水式水中観測船
「ニューせと」 |
甲板で海を眺めていた乗客が、静かに下に下りる。席は指定されているので急ぐ必要はないのだ。ガラスに顔をつけるようにして覗き込むと、いろいろな形のサンゴが視界に入ってくる。やがて色鮮やかな魚たちも見えてくる。神経を集中して一心に見ていると、海底を泳いでいるような錯覚に陥るほどではないが、かなり海との一体感が得られる。
しかし、問題が一つ発生した。どう工夫しても、見た目の感じに写真が撮れないのである。プレビューする液晶画面はどれも一様に青黄色っぽくて暗い。サンゴの色も魚の色もグレーっぽく沈んでいる。カメラに付属の小さなストロボの光は、ガラスと海水を通過するには貧弱過ぎるのだろう。ストロボなしでは、肉眼で見ればかなりの明るさがあるが、本物に近いイメージの写真を撮るには光量が足りない。悪戦苦闘の末、ついに諦めて部屋を出た。
|