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名曲の楽しみ pops-rock編 案内人 船木文宏

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(続)「青い影」で知られるプロコル・ハルムをもっと深く聴き込むための名盤

プロコル・ハルムといえば「青い影」。でも、他の優れた楽曲にも目を向けて彼らの魅力に注目してほしい、というのが今回の趣旨である。前回は紙ジャケットで再発された作品が中心であったが、今回はファンの間では、彼らのいわゆる失敗作といわれる作品も含めて選んでみた。数少ないライヴ盤やライヴ映像を納めたDVDにも注目していただきたい。

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青い影+4

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青い影+4

プロコル・ハルムのデビュー・アルバム。イギリスで1967年に発売された時には、『Procol Harum』というタイトルで「青い影」は収録されていなかった。現在は『A Whiter Shade of Pale(邦題:青い影)』 のタイトルで発売されるのが一般的だが、当時のイギリス盤には「青い影」は未収録だったのである。
「青い影」のヒットを受けて、これはイケると思ったレコード会社がせっついて作らせたような内容で、3日で録音されたとか、いや1日だけだったという、とにもかくにも極超短期間で制作されたという逸話が残っている。ポール・サイモンが1964年にリリースした『Song Book』が、わずか2時間で録音されたという話があるが、それはギター1本の弾き語りだからであって、バンド編成で1〜3日というのは無理がある。しかも、すでにステレオ録音が一般的であったにもかかわらずモノラル録音で制作され、完成度としては決して高くない。しかし、ファンの心理とは不思議なもので、化粧する前の女優の顔やスターの日常生活が見てみたくなるのと同じで、彼らのデビュー当時の素の姿が出ているところが魅力なのだろう。後々の可能性も十分に感じさせて、聴き応えのあるアルバムとなっている。

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プロコルズ・ナインス

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プロコルズ・ナインス

アメリカのコーラスグループ、ドリフターズの「There Goes My Baby」「Save The Last Dance For Me」などのプロデュースで知られる、ジェリー・リーバーとマイク・ストーラーのコンビがプロデューを手がけた作品。彼らは、R&Bにストリングスを取り入れなるなど、当時(1950年代後半)としては斬新な手法でポップスとしてのR&Bを形作った存在として知られる。

そんな彼らがプロコル・ハルムを手がけるということで期待された作品だったが、あまり評判はよくなかった。すでに人気が低迷し始めていたプロコル・ハルムを、もう一度トップへ押し上げようという試みは成功しなかったようだ。しかし、それはデビュー当時の「プログレッシブ・ロックの先駆者」としてのプロコル・ハルムに期待をかけるからであって、音楽自体が優れていないわけではない。たとえば、1曲目の「パンドラの箱」は、シングルカットされてヒット曲にもなった。音楽にも歌詞にも重厚で神聖なイメージをもっていたバンドが、ポップで軽薄なことに手を出した、というイメージがファンの期待を裏切ってしまったということかもしれない。

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BBCライヴ・イン・コンサート

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BBCライヴ・イン・コンサート

プロコル・ハルムといえば、「青い影」のイメージが定着してしまっている中で、彼らがそれだけではない、本当はどんなバンドであったのかを教えてくれるライヴ・アルバム。1974年に発表された力作『幻想』の発表にともなって行なわれた、BBCでの放送用に録音されたライヴの模様を収録している。クラシックとロックの融合や、ピアノとオルガンのダブルキーボードによる独特のサウンド・メイキングといった、プロコル・ハルムの醍醐味を味わうことができる。「青い影」は収録されていないが、この曲から離れることで、本当の実力を見せようとした意欲をが感じられる作品だ。

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ライヴ・イン・デンマーク 2001(DVD)

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ライヴ・イン・デンマーク 2001(DVD)

1977年にやることをすべてやり終えたように力尽きて解散を迎えたプロコル・ハルムであったが、1990年にドラム担当だったB.J.ウィルソンが肺炎で亡くなると、追悼の意を込めて再結成の動きが見られた。そして、翌年の1991年に再結成が実現し、2枚のアルバムをリリースしている。この作品は、オリジナル・メンバーのゲイリー・ブルッカーとマシュー・フィッシャーを中心に1991年再結成されたプロコル・ハルムが、さらに10年後の2001年12月にデンマーク、コペンハーゲンで行なったライヴの模様を収録している。「青い影」から再結成後のナンバーまでを含めた、まさにベスト・オブ・プロコル・ハルムといった内容で、スタジオでのリハーサル映像まで収められていて、ファンにとってはじつに興味深い。

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ライブ・アット・ザ・ユニオン・チャペル(DVD)

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ライブ・アット・ザ・ユニオン・チャペル(DVD)

プロコル・ハルムは再結成後2003年になって、31年ぶりにようやく日本でも来日公演が行なわれた。この来日に先駆けて新作「Well's on fire」が発売され、日本での人気が再復興し始めていた。この作品は、2002年の新作リリース時に行なわれたロンドンのユニオン・チャペルでのライヴの模様を収録したもので、残念ながら日本公演のものではないが、ほぼ同じ内容が楽しめる。特典映像として、ゲイリー・ブレッカーのインタビュー映像が収録されている。発表当時にはなかった「青い影」の3番が聴けるのも話題になった。メンバーが熟年を迎えて、最もプロコル・ハルムらしい音楽が堪能できる作品である。

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