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名曲の楽しみ pops-rock編 案内人 船木文宏

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「青い影」で知られるプロコル・ハルムをもっと深く聴き込むための名盤

プロコル・ハルムといえば、1967年のデビュー曲「青い影(A Whiter Shade of Pale)」があまりにも有名で、バンド名やタイトルを知らなくても、この曲は知っているという人が多いようだ。ビートルズのジョン・レノンが絶賛し、日本でも松任谷由実がこの曲を聴いて自分も曲を作り始めたといわれている。映画やテレビCMなどにも頻繁に使われ、ジョー・コッカーやサラ・ブライトマンのカバー・バージョンもよく知られている。日本でも最近、アンジェラ・アキが「Kiss Me Good-Bye」のカップリングでこの曲をカバーして話題になった。
「青い影」はプロコル・ハルム初期のピアノとオルガンのダブルキーボードサウンドと、イメージをそのまま言葉にしたような理解不能な歌詞が生み出す世界を象徴した曲だが、プロコル・ハルムには、まだまだほかにも深い魅力をもった作品がある。また、デビューからメンバーチェンジを何度か経て解散し、再結成されているこのバンドの魅力を2回連続で追ってみたい。まず第1回目として、3月26日に発売された紙ジャケット作品の中から5タイトル。

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ブロークン・バリケーズ

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ブロークン・バリケーズ

1971年の作品で、オルガンのマシュー・フィッシャー脱退後、ギターのロビン・トロワーの個性を感じさせるへヴィなロックサウンドに仕上がっている。「青い影」から始まるそれまでのプロコル・ハルムとは違ったサウンドが聴ける作品である。ロビン・トロワーのギターも、骨太で重厚感のあるギブソン・レスポールから、キレがありひとつひとつの音が明瞭に響くフェンダー・ストラトキャスターに持ち替え、ビブラートのかけ方やリフのアタック感など、奏法も大分変化しているように感じられる。これは、ジミー・ヘンドリックスの影響を受けたものといわれているが、実際に聴くともっと洗練されて全体のサウンドを意識したものになっているようだ。ロビン・トロワーは残念ながら、この作品で脱退してしまったが、その最後のみずみずしく、エネルギッシュな創造力を感じさせる作品である。また、初めてプロコル・ハルムのサウンドにシンセサイザーが導入された点でも注目される。

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プロコル・ハルム・ライヴ〜イン・コンサート・ウィズ・ザ・エドモントン・シンフォニー・オーケストラ

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プロコル・ハルム・ライヴ〜イン・コンサート・ウィズ・ザ・エドモントン・シンフォニー・オーケストラ

1972年に発売された初めてのライヴ・アルバム。ギターのロビン・トロワー脱退後、再びクラシカルな要素を取り入れた作品となっている。プロコル・ハルムは、初期にクラシックの要素をロック音楽に取り入れたバンドといわれたが、「青い影」などは実際にバッハのカンタータ140番「目覚めよと呼ぶ声が聴こえる」をモチーフにしている。そのバンドが、カナダのエドモントン・シンフォニー・オーケストラと、ダ・カメラ・シンガーズという地元のオーケストラ、合唱団と競演をしたことで話題となった作品が本作だ。ロビン・トロワーが脱退後、ピアノのゲイリー・ブルッカーの志向するクラシカルな路線が復活。プロコル・ハルムの過去の楽曲がオーケストラと合唱の参加によってスケールアップされている。

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グランド・ホテル

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グランド・ホテル

1973年に発売された、解散直前の後期プロコル・ハルムの最高傑作といわれる作品。歌詞はフランス貴族の退廃がテーマになっており、よき日々の儚い美しさや夢の跡といったテーマが歌われている。こうしたヨーロッパ的なテーマや歌詞は、後のプログレッシヴ・ロックにも大きな影響を与えているようだ。ピアノのゲイリー・ブルッカーの個性が表に強く出ており、ロック音楽に分類されるものの、いわゆるチャック・ベリーやリトル・リチャードのような“ロックン・ロール”と呼ばれる音楽とは、まったく異なるクラシック色の強い、宮廷音楽のようなイメージの楽曲も収録されている。オーケストラをバックに多用しているが、現在のポップ音楽に使われているストリングスとは違い、風格や格式を感じさせるサウンドになっている。

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異国の鳥と果物(幻想)

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異国の鳥と果物(幻想)

クリス・トーマスをご存じだろうか? 彼は、ポール・マッカートニー&ウイングス、ロキシー・ミュージック、セックス・ピストルズ、ピンク・フロイドなどのプロデュースで有名な人物だが、プロコル・ハルムをプロデュースしたことでも知られている。そのクリス・トーマスの最後のプロデュースとなったのが、1974年のこの作品である。前作までがオーケストラを導入してバンドサウンドを超える音を目指していたせいか、逆にこの作品では、バンドの音だけでどこまでできるか、がテーマになっている。アレンジはシンプルになり、音の構成も分かりやすいが、個々の出す音が分厚くパワフルになっているので、オーケストラを取り入れたサウンドと比べてもスケールダウンしたイメージはない。しかし、この作品は『グランド・ホテル』と並ぶ最高傑作といわれる反面、ピアノのゲイリー・ブルッカーの個性が強調され過ぎた作品だともいわれ、賛否両論である。だが、ロック史上ではファンの意見の分かれる作品こそ、名作として語り継がれることが多いのも事実だ。

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輪廻

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輪廻

1976年のプロコル・ハルムのラスト・アルバム(再結成後の作品は除く)。バンドというのは不思議なもので、やることを全部やってしまったといった後で、さらに名作・ヒット作を次々と生み出すものもあれば、このプロコル・ハルムのように本当に終わってしまうものもある。この作品はそれまでゲイリー・ブルッカーを中心に行なってきた活動で、すべてをやりつくし、その集大成をした感じのアルバムになっている。再びオーケストラを起用したサウンドになっており、過去に「青い影」で評価されたサウンド・スタイルをさらに推し進めようとした感じがする。この後、プロコル・ハルムは「フェアウェル・ツアー」を行なった後、解散してしまう。そして、ドラムスのB.J.ウィルソンが肺炎で他界したことをきっかけに再結成される。

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