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名曲の楽しみ JAZZ/WorldMusic編 案内人 船木文宏

JAZZ/World Music編 3/27更新 JAZZトップへ戻る
Nica's Dream/ニカズ・ドリーム(ニカの夢)
  作曲 : ホレス・シルヴァー(Horace Silver)

ホレス・シルヴァー(Horace Silver/ピアノ 1928-)が、ニカ夫人に贈ったファンキーなハード・バップ・ナンバー。初演は、アート・ブレイキー(Art Blakey/ドラムス 1919-90)、ドナルド・バード(Donald Byrd/トランペット 1932-)、ハンク・モブレー(Hank Mobley/テナー・サックス 1930-86)、ホレス・シルヴァー、ダグ・ワトキンス(Doug Watkins/ベース 1934-62)というメンバーで吹き込んだ「THE JAZZ MESSENGERS/ART BLAKEY」という作品(CBS/1956年)。この楽曲をはじめ、タイトルにニカ夫人の名前を使ってジャズメンが作曲した曲はいくつもあって、
「Nica /ニカ」:ソニー・クラーク(Sonny Clark/ピアノ 1931-63)
「Pannonica/パノニカ」:セロニアス・モンク(Thelonious Monk/ピアノ 1917-82)
「Thelonica/セロニカ」:トミー・フラナガン(Tommy Flanagan/ピアノ 1930-2001)
「Nica's Tempo/ニカズ・テンポ」:ジジ・クライス(Gigi Gryce/アルト・サックス 1927-83)
「Tonica/トニカ」:ケニー・ドーハム(Kenny Dorham/トランペット 1924-72)
「Blues for Nica/ブルース・フォー・ニカ」:ケニー・ドリュー(Kenny Drew/ピアノ 1928-93)
「Nica Steps Out/ニカ・ステップス・アウト」:フレディ・レッド(Freddie Redd/ピアノ 1928-)

など、多くのジャズ・ミュージシャンたちが、彼女のために曲を書いている。


ニカは、1913年ロスチャイルド家の令嬢として生まれたキャサリーン・アニー・パノニカ・ロスチャイルド(Kathleen Annie Pannonica Rothschild/Pannonica de Koenigswater 1913-88)の愛称。彼女は1935年、フランスの外交官ジュールズ・ド・ケーニングスウォーター男爵と結婚。5人の子を授かったが、1951年に別居。その後彼女は、ニューヨークの高級ホテルへ移り住み、戦後のパリで体験した“ジャズ”への思いを胸に、音楽への情熱を燃やす多くのミュージシャンの後援者として、公私にわたる援助を行ない“ビバップのミューズ”とも呼ばれた。

ホテルのスウィート・ルームで、食事つきのジャム・セッションを開くなど、ミュージシャンとのエピソードは数多く、映画『BIRD/バード』でニカ夫人がチャーリー・パーカー(Charlie Parker/アルト・サックス 1920-1955)の最後を看取るシーンがあったが、あれも実話をもとにしたエピソードだ。

必聴オススメ盤
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エッセンシャル・ブルー−クラシック・オブ・ホレス・シルヴァー コンピレーション・バイ・ジャズトロニック

ホレス・シルヴァー

TOCP-70219
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2008年3月27日現在、自演しているリーダー作『Horace Scope』(BLUE NOTE/1960年)や、『THE JAZZ MESSENGERS/ART BLAKEY』の国内盤CDが廃盤なので、こちらのベストアルバムを紹介する。ブルーノート・レーベルに残したホレス・シルヴァーの代表的な演奏がずらりと収録されている。


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セニョール・ブルース

デヴィッド・ヘイゼルタイン・トリオ

TKCV-35155
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ホレス・シルヴァーの人気楽曲を、アート・ブレイキー・ジャズ・メッセンジャーズ出身のピーター・ワシントン(Peter Washington/ベース 1964-)と、ヴェテランのルイス・ヘイズ(Louis Hayes/ドラムス 1937-)のトリオで披露。デヴィッド・ヘイゼルタイン(David Hazeltine/ピアノ 1958-)のキレのあるピアノタッチは、ファンキーで勇ましいメロディーラインが特徴のシルヴァー作品に、洗練さをプラスしている。2000年2月録音。

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ラヴ・アンド・ピース=トリビュート・トゥ・ホレス・シルヴァー

ディー・ディー・ブリッジウォーター

UCCU-5312
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1995年録音のディー・ディー・ブリッジウォーター(Dee Dee Bridgewater/ヴォーカル 1950-)のホレス・シルヴァー作品集。シルヴァーの器楽曲を中心に、スキャットを交えじつに鮮やかに歌い上げる。「Nica's Dream」と「Song For My Father」の2曲には、ホレス・シルヴァー自身もピアノで参加。

オリジナルの「Nica's Dream」ではトランペットが主旋律を奏で、猪突猛進的な勇ましさを感じるが、ヴォーカル入りのこのヴァージョンは、紫の煙が漂う夢の世界、妖しげな魅力に満ちた雰囲気を感じさせてくれる。スマートになったリズムアレンジもいい。

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リスン・ヒア

エディ・パルミエリ

VICJ-61280
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第48回グラミー賞で“Best Latin Jazz Album”を受賞した、ラテン・ピアニストの巨匠エディ・パルミエリ(Eddie Palmieri/ピアノ 1936-)の活動50周年を記念したメモリアル・アルバム。

縦横無人に飛び跳ねるピアノ、ドラムとパーカッションによる心地よい複合リズムの上を、ホーンアンサンブルが軽やかにメロディを奏でていく「Nica's Dream」。2コーラス目はゲスト、レジーナ・カーター(Regina Carter/ヴァイオリン 1962-)にバトンタッチ。清らかなヴァイオリンの響きが一服の清涼感を感じさせてくれる。

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モーニン〜アート・ブレイキーの肖像

ジョン・ヒックス・トリオ

TKCV-35364
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1964年からアート・ブレイキー・ジャズ・メッセンジャーズに加わり活躍したピアニスト、ジョン・ヒックス(John Hicks 1941-)によるトリオ作品。恩師ブレイキーの愛奏曲を中心に、モダン・ジャズの名曲を好演。情熱的でスリリングでロマンティックな、彼らしい演奏を繰り広げている。1992年録音。

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