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ジャズ発生の中心地となったルイジアナ州のニューオリンズは18世紀、フランスとスペインが支配していた時代があり、人種のルツボであった。フランス、スペインはもちろん、イギリス、ドイツ、イタリアからも、そして南部で需要の多かった黒人もどんどん入ってきた。19世紀、ルイジアナ州はアメリカ領となるが、その頃には俗にいう混血クレオールが多数生まれていた。
そしてさまざまな場所で、ヨーロッパの白人たちが持ち込んだ音楽と、黒人が持ち込んだ音楽とが出会い、融合し、ジャズを生むことになる。この混血音楽であるジャズの前身といわれる音楽のひとつにラグタイムがある。ラグタイムの中心地は北アメリカ大陸の中部に近いミズリー州のシダリア地方であるとされる。ここには、テキサス生まれで、ラグタイムの始祖ともいうべきスコット・ジョプリン(Scott Joplin/ピアノ 1868-1917)がいたからだ。映画『スティング』に用いられた「エンターテイナー」はあまりにも有名。
ラグタイムは、作曲されたピアノ音楽。ただ、黒人的なシンコペイションとブレイクがあり、ヨーロッパ風タイムをラグ(からかう、いたずらする)しているので、“ラグタイム(ragtime)”と呼ばれた。ラグは完全なアドリブ音楽ではなく、ジャズとは呼ばないが、セントルイスやカンザス、そしてニューオリンズでも流行った。
20世紀初頭、ラグタイムのスタイルやフィーリングを取り入れた演奏を好み、これを基に独自のスタイルを確立することに夢中になっていたのが、ニューオーリンズのストーリーヴィルを仕事場にしていたジェリー・ロール・モートン(1890-1941)だ。しかし、彼はギャンブルにも熱を上げ、ピアノ演奏の休憩時間に、近くの賭博店へ足を運ぶのが常習となっていた。モートンの生活は、音楽と賭博に明け暮れていたが、やがて賭博のことを知った育ての親である祖母に勘当され、家を飛び出して放浪の旅に出る…。そして、各地を旅してラグを身につけ、生地に戻り、ラグを基にしたニューオリンズ・ジャズを創造した。「king porter stomp」は、彼が1905年に発表したとされる代表的な楽曲。
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