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名曲の楽しみ JAZZ/WorldMusic編 案内人 船木文宏

JAZZ/World Music編 11/8更新 JAZZトップへ戻る
king porter stomp/キング・ポーター・ストンプ
  作曲:ジェリー・ロール・モートン(Jelly Roll Morton)

ジャズ発生の中心地となったルイジアナ州のニューオリンズは18世紀、フランスとスペインが支配していた時代があり、人種のルツボであった。フランス、スペインはもちろん、イギリス、ドイツ、イタリアからも、そして南部で需要の多かった黒人もどんどん入ってきた。19世紀、ルイジアナ州はアメリカ領となるが、その頃には俗にいう混血クレオールが多数生まれていた。

そしてさまざまな場所で、ヨーロッパの白人たちが持ち込んだ音楽と、黒人が持ち込んだ音楽とが出会い、融合し、ジャズを生むことになる。この混血音楽であるジャズの前身といわれる音楽のひとつにラグタイムがある。ラグタイムの中心地は北アメリカ大陸の中部に近いミズリー州のシダリア地方であるとされる。ここには、テキサス生まれで、ラグタイムの始祖ともいうべきスコット・ジョプリン(Scott Joplin/ピアノ 1868-1917)がいたからだ。映画『スティング』に用いられた「エンターテイナー」はあまりにも有名。

ラグタイムは、作曲されたピアノ音楽。ただ、黒人的なシンコペイションとブレイクがあり、ヨーロッパ風タイムをラグ(からかう、いたずらする)しているので、“ラグタイム(ragtime)”と呼ばれた。ラグは完全なアドリブ音楽ではなく、ジャズとは呼ばないが、セントルイスやカンザス、そしてニューオリンズでも流行った。

20世紀初頭、ラグタイムのスタイルやフィーリングを取り入れた演奏を好み、これを基に独自のスタイルを確立することに夢中になっていたのが、ニューオーリンズのストーリーヴィルを仕事場にしていたジェリー・ロール・モートン(1890-1941)だ。しかし、彼はギャンブルにも熱を上げ、ピアノ演奏の休憩時間に、近くの賭博店へ足を運ぶのが常習となっていた。モートンの生活は、音楽と賭博に明け暮れていたが、やがて賭博のことを知った育ての親である祖母に勘当され、家を飛び出して放浪の旅に出る…。そして、各地を旅してラグを身につけ、生地に戻り、ラグを基にしたニューオリンズ・ジャズを創造した。「king porter stomp」は、彼が1905年に発表したとされる代表的な楽曲。

必聴オススメ盤
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ベニー・グッドマンのすべて

ベニー・グッドマン

BVCJ-38065/6
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「シング・シング・シング」の大ヒットで知られるスウィングの帝王、ベニー・グッドマン(Benny Goodman/クラリネット 1909-1986)のCD+DVDのベスト盤。彼の黄金期である30年代後半の音源を中心に収録されている。30〜40年代のスウィング全盛時の映画からの映像もうれしい。ミドル・テンポで演奏される、和やかな「king porter stomp」が聴ける。


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グレン・ミラーのすべて

グレン・ミラー

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CD+DVDのベスト盤シリーズのグレン・ミラー(Glenn Miller/トロンボーン 1904-1944)版。なんといっても映像の素晴らしさが光る。そして、ブルース・フィーリングとは異なる独特のスイング感、「ジャズ史上初のジャズDJ」と揶揄される選曲センスの高さ。コーラス・グループを従えたセッション風景などは、はっきり言ってオシャレ過ぎ!! アップテンポで華やかな「king porter stomp」が聴ける。

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時の歩廊

ギル・エヴァンス

BVCJ-38087
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“音の魔術師”と呼ばれるギル・エヴァンス(Gil Evans/ピアノ、アレンジャー、コンポーザー 1912-88)の最高傑作のひとつ。70年代におけるギル・エヴァンス・オーケストラは、フュージョン全盛の時代にあってすべてのジャンルにおける優れたミュージシャンたちの登竜門的な存在として、重要な“場所”であったことは間違いない。デヴィッド・サンボーン(David Sanborn/アルト・サックス 1945-)や、マーヴィン・ピーターソン(Marvin "Hannibal" Peterson/トランペット 1948-)、そして、ビリー・ハーパー(Billy Harper 1943-)、ジョージ・アダムス(George Adams 1940-92)というテナーの2大新人を輩出し、ハワード・ジョンソン(Howard Johnson 1941-)の重厚なチューバや女性ドラマー、スー・エヴァンス(Sue Evans 1951-)のプレイにも心惹かれる。冒頭「king porter stomp」は、ビッグバンド・ジャズの醍醐味、音圧の心地よさを体感させてくれる。

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ラテン・ファイア

キャンディド

UCCU-3017
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アフロ・パーカッションの名手キャンディド(Candido 1921-)が残したスウィング・ジャイヴ・アルバム。ダンサブルなパーカッションと、スウィートなコーラスで、おなじみのジャズ・ナンバーをリラックスして楽しめるように仕立てた、小粋なアフロ・キューバン・サウンド。凄みを秘めたパーカッションの妙技が見事。


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Mr.ジェリー・ロード−スタンダードタイムVOL.6

ウイントン・マルサリス

SICP-1103
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ジャズ最初期のスターであり、多くの名曲を残しているジェリー・ロール・モートンにスポットライトをあて、ウイントン・マルサリス(Wynton Marsalis/トランペット 1961-)のレギュラー・セクステットに、曲によってダニロ・ペレス(Danilo Perez 1966-)、エリック・リード(Eric Reed 1970-)、ハリー・コニックJr.(Harry Connick, Jr. 1967-)らのゲスト・ピアノ陣を加えて作り上げた作品。「king porter stomp」でのウィントンのソロは絶品。ちなみに、「Tom Cat Blues」では、国立エジソン博物館所蔵のワックス型蓄音機を使ったレコ−ディングを試みて、当時の音質を再現しているとのこと。ジャズの歴史を辿るヒストリカルな作品でもある。

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