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名曲の楽しみ JAZZ/WorldMusic編 案内人 船木文宏

JAZZ/World Music編 4/11更新 JAZZトップへ戻る
Fly Me to the Moon/私を月に連れていって
  作詞・曲:Bart Howard(バート・ハワード)

1954年、歌手のメイベル・マーサー(Mabel Mercer 1900-84)の伴奏を務めていたピアニストのバート・ハワード(Bart Howard 1916-2004)が、彼女のために書いた曲。当時は「In other words」(意:「言い換えると」)というタイトルで、3拍子の曲だった。

ハワードは他にこれといった作品はなく、あまり知られていない。この曲も当時はヒットせず、人気が出始めたのは1962年。ジョー・ハーネル(Joe Harnel/ピアノ 1924-2005)と彼のオーケストラが、4拍子のボサ・ノヴァとして現在の曲名でリリースしたレコードがヒットし一躍有名になった。このレコードは、アメリカにおけるボサ・ノヴァ・ブームをもたらすきっかけとなった作品のひとつで、ハーネル自身、このヒットによって、62年度グラミー賞の最優秀ダンス楽団演奏賞を受賞している。また、60年代のアメリカ合衆国といえばアポロ計画の真っ最中。そのため「Fly Me to the Moon」というタイトルに変え、一種、時代のテーマソングのように扱われたことが、この曲のヒットにつながったともいわれている。

必聴オススメ盤
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ナット・キング・コール&ジョージ・シアリング+3

ナット・キング・コール&ジョージ・シアリング

TOCJ-9470
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大人気シンガー、ナット・キング・コール(Nat King Cole/ヴォーカル 1919-65) とジョージ・シアリング(George Shearing/ピアノ 1919-)クインテットの豪華共演盤。1961年12月の録音。プレイヤー同士の火花散るセッションとは対照的に、ナットの渋い歌声と、シアリングの室内楽的なクインテットによる演奏は、和やかな寛ぎを感じさせてくれる。

ひとつひとつのフレーズを、丁寧に、そして、噛み締めるように歌うコール。呼吸をするように自然なシアリングのバッキング。ナット・キング・コールのファンだったというシアリング、2人の美しいコラボレーション。高級ホテルのバー・ラウンジの雰囲気を遥かに凌駕する、大人の色気に満ち溢れたアルバム。


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ライヴ・イン・パリ

ダイアナ・クラール

UCCV-1036
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2001年12月パリ・オランピア劇場でのライヴ盤。ここに収録されている「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」はギター入りのピアノ・トリオで演奏されている。ほどよく力が抜け、リラックスした雰囲気、会場にいる聴衆が心地よく揺れている姿が目に浮かぶようなご機嫌なスウィングに、思わず、羨ましさが募る。

ダイアナ・クラール(Diana Krall/ピアノ、ヴォーカル 1964-)は今や、ジャズにとどまらない幅広い人気を誇る実力派シンガーだが、ジャズ・ピアニストとしても一流。弾き語りというスタイルで魅せる、彼女のジャジーな魅力に会場はうっとり。聴衆の拍手や歓声の大きさが、それを証明している。

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いそしぎ

アストラッド・ジルベルト

UCCU-9206
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ボサノヴァの女王、アストラッド・ジルベルト(Astrud Gilberto/ヴォーカル 1940-)のセカンド・アルバム。クラウス・オガーマン(Claus Ogerman/アレンジャー 1930-)と、ドン・セベスキー(Don Sebesky/アレンジャー 1937-)という2大アレンジャーを擁した豪華盤。アントニオ・カルロス・ジョビンの『波』、ジョアン・ジルベルトの『三月の水』などとともに、けだるい夏の午後には、なくてはならない1枚。

ストリングスを上手に使った、清涼感溢れるオーケストラの演奏と、虚ろなアストラッドのヴォーカル。灼熱のビーチで、キンと冷えたかき氷をほおばる少女を遠くから眺めているかのような、そんな光景がよく似合う。「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」はもちろん、「いそしぎ」「カーニヴァルの朝」「デイ・バイ・デイ」「イパネマの娘」などなど、人気曲満載なのもうれしい。

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トリステーザ・オン・ピアノ

オスカー・ピーターソン・トリオ

UCCU-9229
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ボサ・ノヴァの人気ナンバーを多数収録した、オスカー・ピーターソン(Oscar Peterson/ピアノ 1925-)のトリオによる作品で、彼の超絶ピアノが全編にわたって繰り広げられている。もう“凄い”の一言につきる。メロディを追えないほどの高速で、狂ったように鍵盤を駆け回る。息をつく暇もない。音の洪水とはまさにこれのこと。

サム・ジョーンス(Sam Jones/ベース 1924-81)とボビー・ダーハム(Bobby Durham/ドラムス )の2人も負けじと一歩も引かず、3者の壮絶なぶつかり合いといった感じ。急斜面を猛スピードで転がっていく雪玉ようにただ一直線に突き進む。爽快感極まりない快演。


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ジャズ・バイ・ザ・シー

ポール・スミス・トリオ

MZCS-1095
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当時、エラ・フィッツジェラルなど、多くの歌手の歌伴プレイヤーとしても人気のあったポール・スミス(Paul Smith/ピアノ 1922-)トリオによる、カリフォルニアのジャズ・クラブ「ハンティング・ホーン」でのライヴ・レコーディング。

ツボをおさえた歌心溢れるピアノ・プレイで、“白いピーターソン”とも呼ばれた彼。正統派スウィングで聴かせる「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」「ローラ」「思い出のサンフランシスコ」「タンジェリン」「サテンドール」など、ポピュラー・テイストの選曲が、西海岸のさわやかなイメージと絶妙にマッチしていて心が弾む。


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