javascriptを有効にしてください。
おとなのたまり場
>
いつでも Bonbivant
>
名曲の楽しみ
> ピアノ曲
フランツ・リスト(1811-1886)
7/26更新
BVCC-31080
「オペラ座のピアノ」〜リゴレット・パラフレーズ
ミシェル・ダルベルト(ピアノ)
エンリケ・グラナドス(1867-1916)
5/17更新
BVCC-34065
「ラローチャ・プレイズ・グラナドス」(組曲「ロマンティックな情景」、「スケッチ集」、「若き日の物語」)
アリシア・デ・ラローチャ(ピアノ)
クロード・ドビュッシー(1862-1918)
4/26更新
COCO-70534、COCO-70535
前奏曲集 第1巻、第2巻
ミシェル・ベロフ(ピアノ)
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)
COCO-70445
ピアノ・ソナタ集(第8、11、15番)
イングリット・ヘブラー(ピアノ)
フランソワ・クープラン(1668-1733)
SACDA67480(SACD/CDハイブリッド盤)
CDA67480(Hyperion 輸入)
鍵盤作品集-2
アンジェラ・ヒューイット(ピアノ)
ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)
SICC-375
ピアノ・ソナタ集
ウラディミール・ホロヴィッツ(ピアノ)
ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)
WPCS-11764/5
平均律クラヴィーア曲集第1巻
ダニエル・バレンボイム(ピアノ)
ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827
)
OC-229 (OEHMS 輸入)
ピアノ・ソナタ全集
アルフレッド・パール(ピアノ)
フレデリック・ショパン(1810-1849)
UCCG-9647/8
夜想曲全集(全19曲)
マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
フランツ・リスト(1811-1886)
BVCC-31080
「オペラ座のピアノ」〜リゴレット・パラフレーズ
ミシェル・ダルベルト(ピアノ)
リストの全700を数える作品中の半数は、トランスクリプションやパラフレーズで占められている。前者はオリジナルとなった作品の曲想を出来る限り忠実にピアノの上に再現しようとするもので、後者はオペラのアリアやひとつの場面を題材に、より自由なピアノ的再構築を試みたものだ。これらの作品の多くはリストが大ピアニストとして積極的に演奏活動を展開した、1831年から1850年の間に集中して書かれている。楽器としてのピアノの機能をフルに生かし、リストの作曲家・演奏家としての存在を効果的にデモンストレートしながら、さらにはオリジナルとなった作品と作曲家をプロモートするという啓蒙的な役割りも担っていた。音楽の使者リストとしての面目躍如のジャンルではあるが、20世紀に至ると、聴き手の嗜好の変化やメディアの発達などにより、この種の作品への評価はリスト当人への評価とともに低められた。 その後、アラウ、ボレット、ブレンデルといったピアニストたちの登場によってようやく復権、芸術作品としての価値が再認識された(UCCP-9350:クラウディオ・アラウ「演奏会用パラフレーズ集」)。そして、「シューベルト・ピアノ作品全集」の録音(DENON)で豊かな歌心を証明した新世代のピアニスト、ミシェル・ダルベルトの録音が登場する。空間表現に優れ、しかも細部も明瞭な録音バランスは、ダルベルトの演奏の真の姿を見事にとらえている。
◇2003年録音
エンリケ・グラナドス(1867-1916)
BVCC-34065
「ラローチャ・プレイズ・グラナドス」
(組曲「ロマンティックな情景」、「スケッチ集」、「若き日の物語」)
アリシア・デ・ラローチャ(ピアノ)
アリシアは1923年にバルセロナに生まれた。グラナドスはすでにこの世になかったものの、ラローチャ家の賓客であった作曲家は、その母や叔母にピアノの手ほどきをしていた。ハープシコードの繊細さをロマン派ヴィルトゥオーゾ作品に融合させたと評される、グラナドスのピアノ作品の難解さを解く鍵を、アリシアは生まれながらにして携えていたピアニストというわけである。彼女は80歳を迎えた2003年に現役引退を宣言した。この演奏の収録はそれ以前になされたものだが、最後の録音としても貴重な一枚だ。マーシャル音楽院(旧グラナドス音楽院)院長としてグラナドス・ピアノ作品全集の監修者でもありながら、初録音となる曲(「スケッチ集」「若き日の物語」)が含まれているのも驚きだ。巧みにコントロールされた打鍵の繊細さ、隅々まで見通しの良い構成力、息の長い歌、そして何よりもそうした計算や技術を聴き手にはかけらも感じさせない優雅な演奏ぶり。ニューヨークでの録音は演奏者への深い敬愛を感じさせる上質な響きに仕上がっている。
◇1994年録音
クロード・ドッビュッシー(1862-1918)
COCO-70534、COCO-70535
前奏曲集 第1巻、第2巻
ミシェル・ベロフ(ピアノ)
第1巻
第2巻
柔軟なリズム感覚と真に超絶と称すべき技巧を備えた、稀有なピアニスト、ミシェル・ベロフは、とりわけドビュッシーのピアノ作品には抜群の同質性示す。スコアの内面のすべてをえぐり出すようにセンセーショナルな音世界を聴かせてくれる。ベロフは前奏曲集を2度録音している。最初はデビュー間もない1970年(EMI)の文字通り世界をあっといわせた録音、そして45歳の分別ある男に大きく成長したこの演奏である。ふたつの録音の間には再起不能とまで噂された右手の故障があり、指揮者への転向、左手の演奏、などの試行錯誤は繰り返したものの、音楽への情熱は決して失うことがなかった。再起後の来日時のインタビューでは、右手の麻痺は完治していないこと、そして演奏法を変える工夫で困難を乗り越えて来たことなどを淡々と語ってくれた。こうした人間的な成長が音楽上に反映されるのも当然で、ちょうど同年齢のころ(47歳)のドビュッシーが、印象派ピアノ作品の集大成として完成させたスコアを、これ以上はないと思わせるほどの深みを感じさせる演奏で音にしてみせた。そして、ベロフの人間性に共鳴するようなラ・ショー・ド・フォンの美しいアコースティックと、完璧なまでに調整されたスタインウェイの無駄のない響きが、見事なバランスの録音で記録されている。名盤である。
◇1994、1995録音
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)
COCO-70445
ピアノ・ソナタ集(第8、11、15番)
イングリット・ヘブラー(ピアノ)
「モーツァルトの女王」と称されるヘブラーの、2度目の全集からの1枚であり、演奏の完成度の高さと録音の良さでPHILIPS録音を凌駕する素晴らしさ。どの場面でもモーツァルトと真摯に対峙するヘブラーの演奏は、表層的には極めて厳しく、その実チャーミングな、愛情にあふれるもの。ディスクの音の良さは、こうしたへブラーの演奏に加えて次の要因が寄与しての結果である。楽器(スタインウェイmodel-D)の完璧な調整、録音会場(ノイマルクト)の静謐なアコースティック、巧みな録音エンジニアリング(今や業界の大物となったアンドレアス・ノイブロンナー)、そして楽器の倍音再現に優れるDENON製PCMプロセッサーの使用。
◇1986録音
フランソワ・クープラン(1668-1733)
SACDA67480(SACD/CDハイブリッド盤)
CDA67480(Hyperion 輸入)
鍵盤作品集-2
アンジェラ・ヒューイット(ピアノ)
カナダ出身のピアニストといえばグレン・グールドの名が浮かぶが、グールドのDNAはその数は多くないとはいえ、継承されているようだ。ヒューイットはまさにその継承者のひとりであり、現代ピアノの表現力を駆使してバッハをはじめとするバロック鍵盤作品に新たな視点から清々しい演奏をくりひろげる逸材だ。バロック期フランスの鍵盤音楽の大家であるフランソワ・クープランの大作「クラヴサン曲集」からヒューイットが独自の選曲をし、3枚のディスクをリリースしている。本盤はその第2集であり、SACD/CDのハイブリッド盤でも発売されている。フランス・クラヴサン奏法を熟知してのスタインウェイによるインタープリテイションは、作品の本質を捉えながら古楽器とは別の深みを与えている。
◇2003録音
ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)
SICC-375
ピアノ・ソナタ全集
ウラディミール・ホロヴィッツ(ピアノ)
ドイツのバッハに匹敵する、バロック期イタリアの音楽一家であるスカルラッティ。なかでもその影響がモーツァルトにまで達する、18世紀オペラ作曲家であるアレッサンドロ。そしてその息子のドメニコは、単一楽章の鍵盤ソナタを500曲以上残した。現在、古楽器演奏ではスコット・ロスによるCD34枚組の全集録音という偉業があるが、それと相対するように、20世紀の巨匠ピアニスト、ホロヴィッツがピアノで演奏した録音は、作品の芸術的普遍性を具現したものとしてエヴァグリーンの名盤である。
◇1964年録音
ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)
WPCS-11764/5
平均律クラヴィーア曲集第1巻
ダニエル・バレンボイム(ピアノ)
最近のバレンボイムからは一種神がかり的な啓示が感じられる。その顕著な例は、パレスチナとイスラエルの青年音楽家たちを集めて故サイードとともにたち上げた、ウェスト・イースタン・ディヴァン・オーケストラの活動などであろう。同様に、音楽のもつ普遍的な精神性をバッハの中に見出して、現在のバレンボイムの姿をそこに投影して見せたのがこの「平均律」の演奏だ。スタインウェイ・ピアノから紡ぎ出される現在形のバッハの響きは、人間味溢れるバレンボイムその人でもあり、「愛」という言葉の尊さが伝わる。
◇2003年録音(「第2巻」はWPCS-11873/5◇2004年録音)
ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)
OC-229 (OEHMS 輸入)
ピアノ・ソナタ全集
アルフレッド・パール(ピアノ)
最新のデジタル機器の特性が生かされた音質の録音で、スタインウェイ・ピアノの芯のある力強い響きが味わえ、そして何よりも(作曲家と演奏者の)鮮烈なインスピレーションが伝わってくるディスクだ。CD10枚組の廉価ボックスで全曲が入手できるのであるから、まずは「全曲」を入手してしまおう。巨匠クラウディオ・アラウを生んだチリ出身のピアニスト、アルフレッド・パールの演奏。秘めた情熱と豊かな歌心、クリアなテンポ感を持ち味にして、すでにリスト・ピアノ作品全集なども完成させている異才だ。BMG系でAlteNovaレーベルを成功させた後に独立、自らの名を冠したOEMS Classicsを設立・運営している独立プロデューサー、ディーター・エームスの秀作録音。
◇1993〜96年録音
フレデリック・ショパン(1810-1849)
UCCG-9647/8
夜想曲全集(全19曲)
マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
ポリーニ久々のショパン、これまで弾きこんできた夜想曲だが、ようやくすべてまとめての全曲録音だ。選曲はいかにもポリーニらしく、作曲家自身が「夜想曲」と認めた19曲。録音においてもポリーニのショパンとの因縁は深い。1960年に弱冠18歳でショパン・コンクールに優勝した直後にピアノ協奏曲第1番を録音、その後演奏活動を中止、1968年の復帰録音が夜想曲4曲(第4、5、7、8番)を含む「ショパン・リサイタル」であった(ともにEMIからCD化リリース/TOCE-59153)。と書き連ねて聴き比べたくなるほどに近年のポリーニのサウンドは大きく変貌をとげている。痛々しいまでの繊細さが吹っ切れたごとくに、音が太い。そして、とかく女性的と形容されるショパンの音も、実はかくやと思わせられるだけの演奏、そして録音なのである。
◇2005年10月録音