アラウ、シフラ、ボレットといった一世代前の「リスト弾き」とは一線を画すような、アルゲリッチ独自のさらりとした超絶技巧が耳を捉えて離さない演奏。アルゲリッチはこれがこの曲の4度目の録音になる。作品解釈上もまったく自家薬籠中のものとなり、これが演奏家の性差論かと思わせられるほどの自己表出(演奏技巧)で、アプローチの違いも際立つ演奏だ。元夫君であるデュトワとのパートナーシップの存在も大きい。例えばアバド(DG/1968録音)との共演盤は、アバドがロンドン響を率いて懸命にサポートを展開するが、デュトワは好きにおやりなさいなといったクールな風情で一歩退いていながら、その実ソフトに全体を包み込むような伴奏のつけ方をしている。デュトワとモントリオール響ならでは“婦唱夫随”の名演奏である。
◇1998年録音
この曲の新録音では、ピアノとオーケストラの機能美を際立たせた、アルフレッド・パール(ピアノ)のディスクも挙げておきたい(BVCO-38044 クライツベルク指揮 BBC交響楽団◇2003年録音)。
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