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名曲の楽しみ 案内人 船木文宏
交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 ピアノ曲 室内楽 声楽曲 オペラ その他

協奏曲
classic 協奏曲
マックス・ブルッフ(1838-1920)
8/09更新
BVCC-37462(SACDハイブリッド)
ヴァイオリン協奏曲第1番、スコットランド幻想曲
ヤッシャ・ハイフェッツ(ヴァイオリン) サー・マルコム・サージェント指揮 ロンドン新交響楽団
classic 協奏曲
フランシス・プーランク(1899-1963)
7/12更新
BVCC-31078
ピアノ協奏曲集
エリック・ル・サージュ(ピアノ) ステファン・ドネーヴ指揮 リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団
classic 協奏曲
アントニン・ドヴォルザーク(1841-1904)
7/12更新
828 767 37162
ドヴォルザーク・チェロ協奏曲の秘密
ヤン・フォーグラー(チェロ)他 D.ロバートソン指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック
classic 協奏曲
サミュエル・バーバー(1910-1981)
7/12更新
BVCC-718
ヴァイオリン協奏曲
竹澤恭子(ヴァイオリン) レナード・スラットキン指揮 セントルイス交響楽団
classic 協奏曲
アントニオ・ヴィヴァルディ(1678-1741)
6/28更新
TOCE-55565
ヴァイオリン協奏曲集「四季」
ファビオ・ビオンディ指揮&ヴァイオリン エウローパ・ガランテ
classic 協奏曲
アルカンジェロ・コレッリ(1653-1713)
6/28更新
OP20012(opus111 輸入)
合奏協奏曲集作品6
ファビオ・ビオンディ指揮 エウローパ・ガランテ
classic 協奏曲
セルゲイ・プロコフィエフ(1891-1953)
6/28更新
TOCE-9800
ピアノ協奏曲第3番
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ) シャルル・デュトワ指揮 モントリオール交響楽団
classic 協奏曲
フェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847)
4/26更新
BVCC-31088
ヴァイオリン協奏曲ホ短調
ニコライ・スナイダー(ヴァイオリン) ズービン・メータ指揮 イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
classic 協奏曲
フランツ・リスト(1811-1886)
4/26更新
TOCE-55628
ピアノ協奏曲第1番
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ) シャルル・デュトワ指揮 モントリオール交響楽団
classic 協奏曲
セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)
4/26更新
TOCE-55750
ピアノ協奏曲第1番、第2番
レイフ・オヴェ・アンスネス(ピアノ) アントニオ・パッパーノ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
classic 協奏曲
アルバン・ベルク(1885-1935)
4/26更新
WPCS-11730
ヴァイオリン協奏曲
ダニエル・ホープ(ヴァイオリン) ポール・ワトキンス指揮 BBC交響楽団
classic 協奏曲
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)  
BVCC-34134
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」、第3番
仲道郁代(ピアノ)、P.ヤルヴィ指揮 ドイツ・カンマーフィルハーモニー
classic 協奏曲 ロベルト・シューマン(1810-1856)

UCCG-1269
《リフレクション/エレーヌ・グリモー》
ピアノ協奏曲、他
classic 協奏曲 ヨハネス・ブラームス(1833-1897

UCCG-1272
ピアノ協奏曲第1番
クリスティアン・ツィマーマン(ピアノ)、サイモン・ラトル指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
classic 協奏曲 ヨハン・セヴァスティアン・バッハ(1685-1750)

OP 30412 (Naive 輸入)
ブランデンブルク協奏曲(全曲)
リナルド・アレッサンドリーニ指揮&チェンバロ コンチェルト・イタリアーノ
classic 協奏曲 ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)

CZS5729302 (EMI 輸入)
ピアノ協奏曲全集
ダニエル・バレンボイム指揮&ピアノ イギリス室内管弦楽団
classic 協奏曲 ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)

BVCE-38087
ピアノ協奏曲第3番&第4番
イェフィム・ブロンフマン(ピアノ)
デイヴィッド・ジンマン指揮 チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
マックス・ブルッフ(1838-1920)
top
このソフトを購入する BVCC-37462(SACDハイブリッド)
ヴァイオリン協奏曲第1番、スコットランド幻想曲
ヤッシャ・ハイフェッツ(ヴァイオリン) サー・マルコム・サージェント指揮 ロンドン新交響楽団
マックス・ブルッフ ハイフェッツの十八番レパートリーであり、モノラル時代に次ぐ2度目のステレオ録音。面白いのは、当時RCAと提携関係にあった英国DECCAのスタッフに制作が委ねられたことで、同レーベルの新人プロデューサーだったエリック・スミス(プロデューサー)とケネス・ウィルキンソン(エンジニア)がクレジットされている。今回のSACD化によって本家にも勝るほどに高品位なデッカ・サウンドで、ハイフェッツの美音が蘇ったことは望外の喜びであり、驚きですらある。ソロの豊かな倍音の広がり、それを支えるオーケストラのしっかりとした低弦にささえられた柔軟な伴奏が克明に記録されている。ドイツに生まれたブルッフは、メンデルスゾーン、ブラームスと流れてきたロマン派の流れが集大成された極めてロマンティックな作風であるが、ハイフェッツはそのロマン的な味わいを十分に生かしつつも20世紀的にクールな演奏をつくりあげている。蛇足ながら、録音に起用されているオーケストラはロンドンに本拠を置く新交響楽団(New Symphony Orch.)という団体で、ロンドン交響楽団とはまったく別の存在。名匠サージェントに導かれた名演奏に変わりはない。

◇1961、1962年録音


フランシス・プーランク(1899-1963)
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ピアノ協奏曲集
エリック・ル・サージュ(ピアノ) ステファン・ドネーヴ指揮 リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団
フランシス・プーランク  フランスのエスプリを体現するような存在のプーランクは、自身優れたピアニストでもあり、作曲表現の解釈の上でも、ピアノは大きな役割を果たしている。ル・サージュは「ピアノ・ソロ作品全集」で仏ディアパソン・ドールを受賞するなど、この分野の今後をリードする俊英ピアニストだ。ディスクには全5作品の鍵盤のために書かれた協奏曲のうち、ピアノのための3作品すべてが収められている。作品の要求に合致した音楽的な響きと同時に、ヤマハ製ピアノを使用していることも注目すべき特徴である。その鍵盤メカニズムの精緻な定量的バランス作り、会場での調律・調整の精度の高さなどが、プーランク作品に必要とされる、軽くありながらも音のひとつひとつが明瞭な存在感を維持するバランスを作り出すのに、大きく寄与しているようだ。

◇2003年録音


アントニン・ドヴォルザーク(1841-1904)
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ドヴォルザーク・チェロ協奏曲の秘密
ヤン・フォーグラー(チェロ)他 D.ロバートソン指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック
リヒャルト・シュトラウス  クラシック音楽の録音制作も変化しつつあることの見本。ドヴォルザークの代表作であるチェロ協奏曲をテーマとしたコンセプト・アルバムの意欲作だ。作品に影響を与えたと推測されるフォスターの歌曲、ないしは作品解釈の手がかりとなるようなドヴォルザーク自作の歌曲などが散りばめられて、総体としてチェロ協奏曲のあらたな側面が照らし出される構成だ。中心となるヤン・フォーグラーの爽快な演奏に加えて、ニューヨーク・フィルの味わい深い伴奏、キルヒスラーガーの歌が見事。ソニー・クラシカルの設立当初から密接な関係にあるトリトナス・プロダクションの手になる瑞々しい録音バランスが素晴らしい。

◇2004、2005年録音


サミュエル・バーバー(1910-1981)
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ヴァイオリン協奏曲
竹澤恭子(ヴァイオリン) レナード・スラットキン指揮 セントルイス交響楽団
サミュエル・バーバー  アメリカの現代作曲家サミュエル・バーバーは、映画「ディア・ハンター」のテーマともなった「弦楽のためのアダージョ」のみが突出した大ヒットとなったせいで、他の作品はすべてが日陰に追いやられてしまった観がある。旋律を重視した穏当な作風は、時代遅れとの批判を浴びることもあった。ゆったりと響きわたるふたつの先行楽章と対象的に、短い最終楽章では110小節休止なしのソロが演じられるという構成のヴァイオリン協奏曲への評価も、当初は演奏不可能とされたが、後にはアメリカ音楽史上の最高傑作とまで言われるようになった。日本の音楽コンクールを制覇し、ジュリアード音楽院でドロシー・ディレイの指導を受けた竹澤恭子の音色は、バーバー作品との同質性を強く感じさせるものであり、彼女のよき理解者でもあるスラットキンの理想的なサポートを得て、一層の輝きを放つものとなった。

◇1994年録音


アントニオ・ヴィヴァルディ(1678-1741)
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このソフトを購入する TOCE-55565
ヴァイオリン協奏曲集「四季」
ファビオ・ビオンディ指揮&ヴァイオリン エウローパ・ガランテ
クラウディオ・モンテヴェルディ  元祖標題音楽。作曲者自作のソネットも添えられた「春」「夏」「秋」「冬」の4つのヴァイオリン協奏曲は、今やクラシックの範疇を超えた作品として広く認知されている。LP時代の定番としては、甘美なフェリックス・アーヨのソロ・ヴァイオリンが歌う「イ・ムジチ盤」、フル・オーケストラでドライヴする「ストコフスキー盤」、アンネ=ゾフィー・ムターをソロに立てた「カラヤン、ウィーン・フィル盤」がある。そして古楽器演奏の時代に入ると、鮮烈なリズムが冴え渡るアーノンクール、ホグウッド、ピノック、パロットらの英国勢の知恵比べ、そして英国の智と欧州の技を合体させたコープマン等を経て、1990年代も後半に入ると、勇躍イタリア生まれの古楽器アンサンブルが次々と台頭してくる。イル・ジャルディーノ・アルモニコ、アンドレア・マルコン、リナルド・アレッサンドリーニ、といったグループや奏者が割拠する。その中で、バロック・ヴァイオリンの技術で突出し、直感的な演奏と譜読みの感覚が秀逸なのが、ファビオ・ビオンディだ。Virgin/Veritasへのレーベル移籍後録音もあるが、それより以前に録音された、ヨランタ・スクラ(opus111のレーベル・ファウンダー)のプロデュースで制作された本作が、完璧ともいえる出来栄えの演奏と録音のバランスで楽しませてくれる。

◇1998年録音


アルカンジェロ・コレッリ(1653-1713)
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このソフトを購入する OP20012(opus111 輸入)
合奏協奏曲集作品6
ファビオ・ビオンディ指揮 エウローパ・ガランテ
 全12曲、ちょうどCD2枚分の合奏協奏曲集は、中期イタリア・バロックの代表的作品。特に第8番は“クリスマスの夜のために作曲された”と記された静かな楽想の作品で、「クリスマス協奏曲」として親しまれている。コンチェルト・グロッソ(合奏協奏曲)としてまとめられてはいるものの、教会コンチェルト(第1〜8番)と室内(宮廷)コンチェルト(第9〜12番)の2つの様式が混在し、作曲年代も広範に渡ると思われる。ほぼ40年間をローマに過ごして、作曲家・演奏家として高い評価を維持したコレッリの唯一にしてベストの同種作品集でもある。録音では古楽器による演奏が盛んになる以前から、イ・ムジチやフランツ・リスト室内管などによる優れた演奏があったものの、やはり本命はピリオド楽器(古楽器)のアンサンブルだ。奏者ひとりひとりの技量の高さ、総体としてのバランスの良さ、それを率いる音楽性に優れたリーダーシップ、すべての条件を満たしていたのがトレヴァー・ピノックとイングリッシュ・コンサートの録音だった(アルヒーフ/1987,88録音)。ところが、英国流バランス志向の秀演に対抗するように現れたのが、ビオンディ率いるエウローパ・ガランテだった。イタリア流の自由奔放を知的にコントロールして聴かせるビオンディは、イタリア勢の古楽器演奏家の中にあっても独自の存在であり、その特徴を余すところなく捉えきったopus111レーベル設立初期の録音とともに、いつまでも色褪せない名演奏・名録音である。

◇録音1996年録音


セルゲイ・プロコフィエフ(1891-1953)
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このソフトを購入する TOCE-9800
ピアノ協奏曲第3番
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ) シャルル・デュトワ指揮 モントリオール交響楽団
 プロコフィエフの5曲のピアノ協奏曲は、左手のピアニスト、ヴィトゲンシュタインの委嘱による第4番を除いた4曲すべてが、40歳以前に作曲家自身で演奏するために書かれた。いずれも初演と同時に物議を呼んだ問題作だが、歌劇「3つのオレンジへの恋」完成後の余韻を残した第3番が最も親しまれている。ウェーベルンが「あたかも時計仕掛けのような仕事ぶり」と評したように、数学的精緻さに裏付けられた作品はしばしばメロディの不在を指摘されるが、いかに的外れなものであるかはその作品が証明している。ロシア革命からスターリニズムが猛威を振るった時代を生き抜いたプロコフィエフが、祖国に抱いていた愛情の深さは並外れたものがある。ロシアの大地に根ざした歌謡性は作品の深部で息づいているのだ。こうした特質ゆえに、演奏の質と作品への理解は密接に呼応する。技と力でねじ伏せようとするかのようなロシア由来の演奏が、プロコフィエフ嫌いを増殖させてしまうのも道理。それとは対極的に、アルゲリッチとデュトワによる、彼ら自身の人生の年輪も加わったような演奏は、普遍的な愛情がいっぱいの美演なのである。

◇1997録音


フェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847)
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このソフトを購入する BVCC-31088
ヴァイオリン協奏曲ホ短調
ニコライ・スナイダー(ヴァイオリン) ズービン・メータ指揮 イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
 ニコラス・スナイダーは「ギドン・クレーメルの登場以来の衝撃」(シカゴ・トリビューン紙)と評された若手ヴァイオリニストの雄である。伴奏指揮の上手さにも定評のある巨匠メータと、そのメータが長年磨き上げてきたイスラエル・フィルの緻密なアンサンブルのサポートを得ての新録音だ。 3大ヴァイオリン協奏曲のひとつに数えられる名作であり、演奏会の人気レパートリーでもある通称「メンコン」だが、近年は目ぼしい録音に恵まれていなかった。その渇望状態を癒してくれるように登場したのがこのスナイダー盤だ。1975年デンマークに生まれた。両親はポーランド系イスラエル人。ブリュッセルのエリーザベト・コンクールで優勝し国際デビューを飾ったスナイダーは、まさに新世代の欧州人であり、感情と知性のバランス、緻密な演奏テクニックといった要件が自然体の音楽表現に実を結んでいる。そして奥行きの深い音場表現に優れた録音が効果的な隠し味となって、このディスクの価値をさらに高めている。ベートーヴェンの協奏曲をカップリング。

◇2005年録音(ライヴ)


フランツ・リスト(1811-1886)
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TOCE-55628
ピアノ協奏曲第1番
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ) シャルル・デュトワ指揮 モントリオール交響楽団
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 アラウ、シフラ、ボレットといった一世代前の「リスト弾き」とは一線を画すような、アルゲリッチ独自のさらりとした超絶技巧が耳を捉えて離さない演奏。アルゲリッチはこれがこの曲の4度目の録音になる。作品解釈上もまったく自家薬籠中のものとなり、これが演奏家の性差論かと思わせられるほどの自己表出(演奏技巧)で、アプローチの違いも際立つ演奏だ。元夫君であるデュトワとのパートナーシップの存在も大きい。例えばアバド(DG/1968録音)との共演盤は、アバドがロンドン響を率いて懸命にサポートを展開するが、デュトワは好きにおやりなさいなといったクールな風情で一歩退いていながら、その実ソフトに全体を包み込むような伴奏のつけ方をしている。デュトワとモントリオール響ならでは“婦唱夫随”の名演奏である。
◇1998年録音

 この曲の新録音では、ピアノとオーケストラの機能美を際立たせた、アルフレッド・パール(ピアノ)のディスクも挙げておきたい(BVCO-38044 クライツベルク指揮 BBC交響楽団◇2003年録音)。


セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)
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このソフトを購入する TOCE-55750
ピアノ協奏曲第1番、第2番
レイフ・オヴェ・アンスネス(ピアノ) 
アントニオ・パッパーノ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 映画「七年目の浮気」でマリリン・モンローが「ラフマニーノフ!」と身悶えた名曲。アンスネスの演奏は、北国の透徹した歌心と、その影に隠れた情熱が交錯しながら創生されるダイナミズムが、徹頭徹尾磨きあげられたピアノの響きとなってほとばしり出る格別なものだ。いまやオペラ指揮者として世界の第一線で活躍するパッパーノも、歌にかけては最強のパートナーであり、ベルリン・フィルを駆って“名歌手”アンスネスが本質的にもつ歌とラフマニノフのそれとを絶妙に結びつけてゆく。ソロとオーケストラが渾然一体となって、室内楽的とさえいえそうなインティメイトな会話が明瞭に聴き取れるのには驚愕する。西洋音楽史の本流からは距離を置いた北欧の演奏家たちの台頭が著しいが、21世紀的ピアニズムとはアンスネスそのものなのかもしれない。こけおどしのないナチュラル・バランスの録音は、意外なほどに再生機器のクオリティが試されるので、その点にも注目していただきたい。

◇2005年録音


アルバン・ベルク(1885-1935)
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このソフトを購入する WPCS-11730
ヴァイオリン協奏曲
ダニエル・ホープ(ヴァイオリン) ポール・ワトキンス指揮 BBC交響楽団
 20世紀に作曲されたヴァイオリン協奏曲の中の最高傑作で、無調や12音技法といった物騒な言葉とは裏腹に、その音楽は人間の本源的な優しさに根ざしてたいる。ホープは作品のこうした本質をしっかりと見据えながら、ベルクならではの精緻な書き込みから作品の存在意義の大きさまでを視野に収めた、21世紀的な名演奏を展開している。
ベルク晩年の傑作ヴァイオリン協奏曲は、ふたつの意味をもつレクイエムである。ひとつは18歳で亡くなったマノン・グロピウスのため。マノンはマーラー未亡人のアルマとバウハウスを創設した建築家ワルター・グロピウスとの間に生まれ、ベルク夫妻とも親しい間柄だった。作品サブタイトルの「ある天使の思い出に」の意味するところがこれである。そしてもうひとつは、作品の初演前に他界してしまった作曲家自身へのレクイエムともなってしまったことである。実は、ベルクの突然の死はヴァイオリン協奏曲の出版譜にも影響を与えていて、作曲家の手書き総譜上の記載ミスもそのままに出版されていた。1966年にクリティカル・エディションがようやく出版され、マンチェスターでの最初の公開演奏を手がけたのがダニエル・ホープであった。

◇2003録音


ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)
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このソフトを購入するBVCC-34134
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」、第3番 
仲道郁代(ピアノ)、 P.ヤルヴィ指揮 ドイツ・カンマーフィルハーモニー
 数多くある古今の「皇帝」の名盤で、わざわざ本録音を選ぶ理由、それは音の良さだ。ドイツで米欧のスタッフによりDSD収録されたマスターは、SACDのオーサリングまで欧州側で行なわれた。発売は通常CDとのハイブリッド盤であり、CDレイヤーでも最新録音らしい滑らかな音質が楽しめる。当然ながら良い音を得るのには、ハードウェア以前に演奏の質と会場の音が良いことが前提だ。ベートーヴェンのソナタ全集を半ばまで進めてきた仲道は、スタインウェイから言葉の最良の意味での中庸のベートーヴェン・サウンドを引き出し、さらにヤルヴィ率いる小さな編成のオケが見事なハーモニーを添えている。シンプルでありながらも、古楽器による演奏とは一線を画した、モダン楽器ならではの深みのある音質と演奏であり、ここからは調和と品位あるベートーヴェンが堪能できるだろう。

◇2004年録音


ロベルト・シューマン(1810-1856)
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このソフトを購入する UCCG-1269
《リフレクション/エレーヌ・グリモー》
ピアノ協奏曲、他
 キュートなフランス女性、エレーヌ・グリモーは芯の強さと優雅さを併せもった美音を奏でるピアニストだ。ところが私生活では、アメリカに狼とともに暮らすという一面をもっている。もちろん単なるペットではなく、許可を取得したうえでの共同生活であり、極めて哲学的・科学的なものでもあるところが並ではない。さて今回、世界的なレコード会社の再編とそれに伴ってのアーティストの契約変更、音楽業界のシャッフルが功奏しての三者の共演盤が実現した。シューマンの天才をそのまま音にするようなドレスデンのオケ、それを現代的な閃きでリードするサロネン、このベースの上をグリモーのピアノが疾駆する。フィンランドの原野を駆け抜ける狼の姿そのものを見る思いがする。ちなみに「リフレクション」と題された本アルバムのテーマは「愛」。

◇2005年録音


ヨハネス・ブラームス(1833-1897)
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このソフトを購入するUCCG-1272
ピアノ協奏曲第1番
クリスティアン・ツィマーマン(ピアノ)、サイモン・ラトル指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 この曲の最新録音にして最優秀録音。ピアノ付きの交響曲とまで称される壮大なスケールの作品であり、特に第2楽章アダージョは敬愛するシューマンの思い出に捧げられたものとされ、さらにはその未亡人クララへの深い愛情が込められていて、いわばロマンティックの見本のような曲。ところがツィマーマンとラトルの2人はそうした感情表出にはあえて無関心を装うかのように、冷静にして緻密な連携プレーを演じる。カラヤンの時代とはもはや別物と化したベルリン・フィルは上質なオブラート役だ。その結果、まったくべた付かないながら、極めて今世紀的なロマンティシズムが溢れ出てきた。録音の優秀さも重要な表現手段を担っている。

◇2003、2004年録音


ヨハン・セヴァスティアン・バッハ(1685-1750)
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このソフトを購入するOP 30412 (Naive 輸入)
ブランデンブルク協奏曲(全曲) 
リナルド・アレッサンドリーニ指揮&チェンバロ コンチェルト・イタリアーノ
 言わずと知れた大バッハの大傑作。トランペット、ホルン、縦と横のフルート、そしてハープシコード、すべからく名人技が必然。クレンペラーやカラヤン、カザルス等の「名盤」を経て、古楽器演奏の隆盛とともにアーノンクール、コープマン、ピノック等々これでもかという勢いで登場する新録音の数々。そのたびにこれぞ究極の演奏と思わされるのだが、さらに進化する“究極”度には恐れ入るほかなし。執筆時点での最新盤でもあるイタリアの怪人アレッサンドリーニの演奏は、繊細にして大甘で鮮烈。そして演奏&録音の質の高品位な響きは新しい録音ならでは。一聴、ネコにマタタビ状態に陥る。

◇2005年録音。ローマのパラッツォ・フェルネーゼでの録音風景とインタビュー収録のDVD(43分)付き。


ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)
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このソフトを購入するCZS5729302 (EMI 輸入)
ピアノ協奏曲全集
ダニエル・バレンボイム指揮&ピアノ
イギリス室内管弦楽団
  モーツァルトのピアノ協奏曲はどれをとっても傑作ぞろい、それぞれが立派に存在意義を主張している。ここはひとつ全曲盤を入手して、お気に入りの1曲を探す楽しみを堪能したい。お薦めはバレンボイムの出世作で、今も演奏、録音ともに輝きを失っていない10枚組のボックス・セット、英EMIの輸入盤。1960年代後半から70年代にかけてのアナログ録音は、ロンドンのアビーロード・スタジオでのナチュラル・バランス。大音量でのリスニングでテープヒスが聴こえる以外は今も新鮮なサウンド。年代的に「古い」録音のお陰でレギュラー盤2枚分以下の出費で、安定して入手が可能だ。お気に入りが見つかったら、今度はSACDの最新盤、古楽器(フォルテピアノ)による演奏、昔の巨匠の復刻版、と聴き比べるのも一興。

◇1967〜1972年録音


ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)
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このソフトを購入するBVCE-38087
ピアノ協奏曲第3番&第4番 
イェフィム・ブロンフマン(ピアノ)
デイヴィッド・ジンマン指揮 チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
 耳の疾患が悪化するまでは、自身も優れたピアニストとしての名声を享受していたベートーヴェンが、自ら演奏するために作曲した自信作にして傑作のカプリング。すでにベーレンライター新版による交響曲の全集録音で高い評価を得ている、ジンマンとトーンハレ管のコンビが、超絶技巧の怪物ピアニスト、ブロンフマンを得て開始した協奏曲録音の第1作だ。旧ソヴィエト出身のイスラエル人でアメリカ国籍を有するブロンフマンは、細部に多くの変更が加えられたヘンレ版新全集をものともせずに、驚くほどの繊細なタッチで演奏を練り上げている。さらに驚くのは滑らかな音質でピアノとオケが一体となったサウンド・バランス。これは独立した旧デッカ録音チームの良い仕事のお陰。

◇2004年録音


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