玉葱といえば血液サラサラ効果
玉葱は頼りになる野菜である。焼いても煮ても炒めても美味しいし、なにしろ他の野菜に比べて保存性に優れている。例えばモヤシと比べると、その差は歴然だ。袋入りのモヤシは、封を切ったら翌日までに使わないと色も変わり、臭みも出てくる。ところが玉葱は、あったことさえ忘れていたのに、キッチンの片隅で(玉葱は冷蔵庫より、風通しのいい日陰が保存に向いている)何日も、ときに何週間も料理にそなえ、じっと待っているのである。そういう意味では健気な野菜でもあるのだ。 原産は中央アジアといわれ、紀元前のエジプトではすでに栽培もされていた。やがてヨーロッパに伝わり、16世紀にはアメリカに渡って、そこから明治時代に日本へ導入された。
一方栄養面では生活習慣病の予防に効果があり、血栓溶解作用のある硫化プロピルも含んでいる(水にさらすと硫化プロピルは溶け出すので、生で食べるのが効果的)。いわゆる血液サラサラ効果で、ボンビバン世代にはまるで薬のような野菜といえるだろう。 ただし玉葱には涙を誘う成分がある。玉葱を切っていて「涙そうそう」状態になった人も多いと思う。涙の理由は硫化アリル。辛味成分でもあるこの硫化アリルが気化し、目や鼻の粘膜を刺激して涙に誘われることになるのである。この辛味や「涙」効果で玉葱を敬遠する人も多いが、じつは玉葱にはイチゴと同じくらいの糖度もあるのだ。疑問を持つ方は「ほうれん草のカレー」を見て(作って)いただきたい。このとき玉葱を飴色になるまで炒めたが、これが絶妙の甘みとなっていたのである。炒めることで硫化アリルを飛ばし、甘みだけを残したのが、この効果。ところが春の時季だけ、甘みが突出した瑞々しい玉葱が出回る。それが新玉葱だ。 皮(じつは葉)が少なく、切っても涙はなし。食べると水分が多く甘みが勝っているのが新玉葱の特徴だ。だからこの時季を待っていろんな料理に使われるが、ここでは「新玉葱と豚しゃぶのサラダ・ゴマソース」と、「新玉葱とヤリイカのフリット」で味わっていただきたい。従来の玉葱のイメージが変わること請け合いの美味しい料理なのである。 |
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