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はじよう おとこの手料理 案内人 深川 達哉 懇切丁寧な調理動画で、初めてでも作れる季節の旬菜料理
旬菜編−旬菜12か月 2007.1.24更新

    連載 第6回   料理指導 関口絢子(料理クリエイター)

今日の旬菜 里芋 「里芋の明太子和え」「里芋のグラタン」 里芋のイメージを変えるお洒落な2品

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あのぬめりが栄養の宝庫

地中に眠る里芋

郷愁に誘われる野菜が里芋である。若いころには見向きもしなかったのに、40歳を過ぎたあたりから煮物や衣(きぬ)かつぎを食べると、妙に懐かしさを覚えて、その味がしだいに忘れられなくなる。いうならば田舎料理、おふくろの味の代表選手が里芋だろう。

原産はインドやマレー地方で、日本に渡ってきたのは縄文時代中〜後期というから、古代日本人は稲作前から里芋を食べていたことになる。葉柄(ズイキ)は非常食にもなった。

これが郷愁を覚える理由かどうかは定かではないが、でんぷん質主体で低カロリー、食物繊維も豊富。あのぬめりに含まれるムチン、ガラクタンには消化促進、免疫力向上の効果もあり生活習慣病の予防に効果があるので、現代人もどんどん食べたい野菜なのである。

地中に眠る里芋
葉の枯れた冬も地中に眠る里芋

また芋といっても、じつは茎が地中で肥大化したもの(塊茎)で、親芋、子芋、孫芋と増えていく(とくに八頭=やつがしら)ことから、子孫繁栄の縁起物として正月料理にも使われる。子芋を食べるのは土垂(どだれ)や石川早生(いしかわわせ)という品種。親芋を食べるのは筍(たけのこ)芋、親芋・子芋を食べるのは海老芋、セレベス(インドネシアのセレベス島から移植された品種)などがある。東北の秋の風物“芋煮会”でも主役になるように、収穫は初秋から始まるが、写真のように冬まで地中に蓄えてから収穫することも多い。

映像を見る 01.今回の料理について

ここでは冬の滋養食として、郷愁とはひと味もふた味も違うお洒落な2品を紹介しよう。「里芋の明太子和え」と「里芋のグラタン」がそれで、ちょっと驚きの美味しさなのである。

里芋の明太子和え

里芋の明太子和え   材料(4人分)
里芋 200g(中型4〜5個)
キュウリ 1本
茹でダコの足 2本
小ネギの小口切り
和えゴロモ:明太子1/2腹、ゴマ油小さじ2、酢小さじ2、塩適量

まずは里芋の下ごしらえから。水で洗った里芋を金ザルに取り(もう1品のグラタンも同じ下ごしらえなので一緒に用意する)、2cmほど水を入れた鍋に金ザルごと入れ蓋をして20〜30分程蒸す。串がスーッと通れば蒸し上がりだ(蒸し器を使ってもいいが、こちらのほうが簡単で手早くできる)。


里芋の皮を剥いて水から茹でてもいいが、ムチン(ぬめり)を損なわずに火を通すなら蒸すのがお奨めだ。蒸し上がった里芋は、熱いうちに両端を切り落し、タテに切れ目を入れてペーパータオルなどで包み、切れ目を広げて皮を剥く(里芋の皮をむくときかゆみの出る人もいるので注意したい)。この熱々の里芋を衣かつぎのように塩や醤油に付けて食べても美味しい。が、ここではさらに一手間、二手間かけて美味しくする。

皮を剥いた里芋は1cm角に切る。キュウリはタテに半分に切り、水分の多い種の部分をスプーンでかき出し、さらにタテに半分に切る。それを1cm幅に切って容器に入れ、軽く塩を振っておく。茹でダコの足は臭みを取るために、もう1度熱湯に20秒程通して、これも1cm角に切る。


   
里芋は金ザルに入れ、その金ザルがすっぽり入る鍋に2cm程水を入れ、蓋をして20〜30分間蒸す   蒸し上がった里芋は両端を切り落し、タテに切れ目を入れ、ペーパータオルなどで包んで皮を剥く   タテに半分に切ったキュウリは種の部分をスプーンでかき出す
映像を見る 02.下ごしらえ
     
映像を見る 03.具材の準備

新しい里芋の味わい

明太子は2分の1腹分をかき出し、里芋、キュウリ、茹でダコの足は1cm角に切り、下ごしらえが完了。後はこれらを和えて、小口切りした小ネギを散らすだけ

和えゴロモ用の明太子は、膜にタテに切れ目を入れ、包丁の背で卵をかき出す。これをボウルに入れ、ゴマ油小さじ2、酢小さじ2(これは酸味を足すというより食材の味を引き締める隠し味)を加えて混ぜれば、和えゴロモの完成だ。

そこに里芋、タコ、水気を取ったキュウリを加えて、里芋が潰れないように和えていく。明太子とキュウリに塩味があるが、味見をして塩気が足りないようなら、塩を足して味を整える。それを小皿や小鉢に盛り、小口切りの小ネギを散らせば出来上がりだ。

ゴマ油の香ばしさにとろりとした里芋が美味しい。明太子と塩のみの味付けだけに、里芋の旨味が引き立っているのだ。それにシャキシャキとしたキュウリと茹でダコの組み合わせが絶妙で、里芋=郷愁の味が、爽やかでお洒落な酒肴に変身するのである。常温、もしくはキリッと冷やした日本酒やワインにも合う1品だ。

映像を見る 04.和える〜盛り付け

ところで、里芋が蒸し上がったとき、一緒に蒸したセレベスを食べたのだが、ぬめりが少なくほくほくとした肉質で、じつはこれがいちばん懐かしい味だったのである。関口さんによれば、煮崩れしにくいので煮物に合う品種ということだった。


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