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はじよう おやじ流手料理 案内人 深川 達哉 「懇切ていねいな調理動画で、誰でも簡単にできる魚料理
釣魚12か月  2006.10.4更新


連載 第23回 料理指導 細山和範(船宿割烹「汐風」店主)

二十五 サンマ 新定番! 旬のサンマは骨まで食べる、あぶって食べる  「辛煮」「あぶり刺身/丼」

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「辛煮」

映像を見る 02.下処理

材料
刺身用サンマ 3尾
醤油
砂糖
ショウガの薄切り
梅干し3〜4個

下処理では、鮮度のいいサンマならウロコがついているものもあるので、包丁の刃で軽く撫でるように取り除き、胸ビレのところから頭を落とす。次に内臓の処理。これは腹を開かずに取る。腹を開くと、その後火を通したときに切り口が開いて美しく仕上がらないからだ。そのやり方は、腹を下に背を上にして、背を指で軽く押すと、頭を落とした切断面から内臓が出てくる。それを包丁で押さえ、包丁とは反対側にサンマを引くと内臓がズルズルと出てくる。この後尾を切り、鍋の大きさに合わせて2等分か3等分に切る。

骨まで柔らかくする酢炊き

映像を見る 03.酢炊き
映像を見る 04.煮詰める

この切り身をたっぷり水を入れた鍋に浸し、水の1〜2割の酢を加えたら、落とし蓋をして酢炊きする。酢炊きの時間は中火で20分ほど。この酢炊きで骨まで柔らかくするのだ。酢炊きしたら、身崩れを防ぐために落とし蓋で軽く押さえてお湯を捨て、さらに流水で2〜3回かけ流しする(このときも直接サンマに水をかけないこと)。

新たに鍋に水をサンマが3分の2ぐらい隠れるほど入れる。そこにサンマがひたひたになるくらい酒を加える。砂糖をレンゲ山盛り1杯半に、ショウガの薄切り数枚と梅干し3〜4個(これも骨を柔らかくする)、醤油を仕上がりより薄めに足したら落とし蓋をして、最初は強火で、煮立ってきたら中火でコトコト20分程煮詰めていく。出来上がりの目安は、煮汁が3分の1ほどに減ったころだが、味見をして確認するのがいちばん確実だ。もし味が薄ければもう少し煮詰めるか醤油を足せばいい。ただし濃いからといって水を足すのは厳禁だ。と、この要領は、これまでに紹介した煮付けと同じだ。

ただ、醤油を最初に入れるのは、すでにサンマに火が通っているからで、これがなぜ「辛煮」かといえば、砂糖の量が煮付けの半分だからだ。煮付けのように甘く仕上げない、それがこの名の由来だ。

酢炊きと煮詰めで約40分。その効果で、サンマの臭みは一切ない。しかも背骨にもスッと歯が通り、腹骨も、あったっけ? というくらい柔らかく煮上がっている。腹身など、噛む間もなくトロリと溶けていくほどだ。驚くのは、あれだけ火を通しても脂がのっていて、これが旨味になっている。この食感とちょっと濃い目の味が、この料理ならではの美味しさなのである。

あぶり刺身/丼


映像を見る 05.薬味

材料
刺身用サンマ 3尾
長ネギ
ミョウガ
万能ネギ
おろしショウガ
大葉
白ゴマ
ダイコンのツマ
刻み海苔

最初に薬味をたっぷり用意する(映像参照)。長ネギは白い部分を5 〜6cmに切り、タテに切れ目を入れて芯を取り除き、できるだけ細くタテに切って水にさらしておく。これがシラガネギ。次に万能ネギとミョウガをミジン切りにして混ぜ合わせ、おろしショウガを用意しておく。

映像を見る 06.三枚おろし

サンマは頭を落とし、内臓を取るまでは「辛煮」の処理と同じだが、その後、硬い腹の部分を細く切り取ってから、背ビレと腹側から切れ目を入れ、尾のところから包丁を入れて片身を切り離し、裏側も同様にして三枚におろす。腹骨をすき取り小骨を抜いたら、アルミ製バットの裏側(まな板にアルミホイルをかぶせたものでもよい)に皮を表にして並べる。その皮を卓上ガスバーナーで、きっちり焦げ目が付くようにあぶっていく。すると皮下の脂が溶け出して流れ出していく。余分な脂を取り除く、これが後に旨さのポイントになるのだ。


あぶった身をバットから取るときは、手で剥がさずバットの表面を包丁ですき取る。流れ出した脂で身がバットに貼り付き、手で剥がすと身崩れすることがあるからだ。その後あぶった片身は4等分に切っておく。

サンマはあぶりに限る!

これを「あぶり刺身丼」にするとメチャ美味しい。丼に盛ったご飯に白ゴマを振り、手でちぎった大葉(こうすると香りが出る)の上に、あぶり刺身をご飯が隠れるくらいのせる。それをたっぷりの薬味で覆い、中央におろしショウガを添えたらシラガネギを盛り、最後に刻み海苔を散らせば完成だ。

また、「あぶり刺身」で食べるなら、ダイコンのツマを皿に敷き、その上に大葉をのせて刺身を盛り、たっぷりの薬味を散らしておろしショウガを添える。

映像を見る 07.あぶり〜盛り付け

「あぶり刺身」を初めて食べる人なら、口の中でトロリと溶けていく食感と甘みに感激するに違いない。魚の臭みなど一切なく、皮の焦げ目の香ばしさとサンマの旨味に、箸が止まらなくなる。

一方「あぶり刺身丼」は、小皿におろしショウガを醤油で溶いて丼にかけ回して食べるのだが、これが他に例えようのない美味しさだ。熱々のご飯がサンマの脂を溶かし、それが旨味タレとなって染み込んでいるし、たっぷりの薬味が後味を爽やかにする。その旨さは丼物の逸品ともいいたいほどである。

「サンマは目黒に限る」というのは、落語『目黒のサンマ』で殿さまが言うオチだが、「あぶり刺身/丼」を食べると、「サンマはあぶりに限る」と言いたくなるほどクセになる料理なのである。

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