|
「釣魚12か月」がテーマの料理で、サンマは釣魚なのか? という声が聞こえてきそうだが、じつは釣魚なのである。正確にいうなら、釣魚になることもあるのだ。ならば仕掛けは? となるが、仕掛けどころか、竿もリールも不要。必要なのは玉網だけだが、これは船に常備されているので、釣り人は道具なしでサンマを手にすることができる……らしいのである。
本欄で撮影を担当する細田さんは、ヘラブナ釣りから海釣りまで楽しむオールラウンド・アングラー。その細田さんによれば、茨城県の鹿島港から出る夜イカ釣りの遊魚船で、たまに船の集魚灯にサンマの群が集まってくるという。その群を船に引き寄せまさに一(玉)網打尽にするというのである。ならばサンマは立派な釣魚である……という、ちょっと強引なこじつけはさておき、メチャ旨い料理なので、ぜひ紹介したいと思った次第。
それが骨まで食べられる「辛煮」と、「あぶり刺身/丼」だ。じつはこれ、細山さんの目黒店の、秋の人気メニューでもあるのだ。
20数年前、東京でもサンマの刺身が食べられる店があると聞いて、訪ねてみたことがある。足の早いサンマの刺身は、当時それほど珍しかった。それがいまでは、スーパーの鮮魚コーナーに刺身用として並ぶ時代になった。細山さんによれば、漁船から港〜市場〜小売りまでの流通での管理が進んだためだという。その刺身用で細山さんが、鮮度がよく、美味しいサンマの見分け方を教えてくれた。ポイントは3つ。
魚体が輝き、口の下先が黄色いものが鮮度のいいもので、頭の後ろから身が盛り上がっているのが美味しいサンマだとか。今回はそんな刺身用サンマを使っての料理である。
|