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はじよう おやじ流手料理 案内人 深川 達哉 「懇切ていねいな調理動画で、誰でも簡単にできる魚料理
釣魚12か月  2006.9.6更新


連載 第21回 料理指導 細山和範(船宿割烹「汐風」店主)

二十三 クエ(モロコ) 幻の巨大魚の極上料理は家庭でも味わえる?

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01.今回の料理について

クエ(九絵)は釣り人の間でモロコ、また九州ではアラとも呼ばれる超高級魚だ。磯からも船からも狙える魚ではあるが、じつに稀少、大物狙いの釣り人が1度は釣り上げたいと願うターゲットである。それだけに食べる機会もまれだが、なによりどんな料理に仕上げても超美味という魚だ。その釣りたてのクエ料理が今回のメニュー。
釣りたてとはいっても、クエは4〜5日氷漬けにして熟成させたものが美味しい。で、これは、釣って5日目の31.5kgだ。一般的な釣魚ではないが、今回の料理は他の白身魚でも美味しく仕上がる調理なのでぜひ試していただきたい。その料理とは、湯引きして氷水で締める「ふりふり造り」と切り身を網で焼く「あぶり串焼き」だ。が、なにはともあれ、31.5kgの巨大魚をどうやって捌く のか。まずは迫力の映像をご覧いただきたい。

下処理は大型魚に共通

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下処理1ウロコ取り〜内臓取り

巨大魚とはいっても、捌く過程は他の魚と同じだ。まずウロコを取る。巨大なわりにウロコは小さいので、ブリやヒラメのように「すき引き」で、皮ごとウロコをすき取っていく。ただし柳刃包丁では刃こぼれすることがあるので、こうした大きな魚では出刃包丁がいい。次に胸ビレのところから切れ目を入れて、頭を落とし、腹を切って内臓を取り除く。とはいえ、31.5kgだから、まるで解体作業のようだ。実際、頭を落とすとき切断する背骨は、太い所では直径5cmほどはある。これをナタかナタのような包丁の峰を木槌で叩いて切り落す。細山さんによれば、断ち切る背骨の位置は太い所で、ここには骨髄があって、意外に骨自体は薄いのだという。逆に細い所は、全体が硬い骨で空洞がないので断ちにくいとか。これは大ダイやブリなどの大型魚も同じだという。

片身で4つの部位に切り取る

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下処理2 身を切り分ける

普通の魚ならこの後三枚におろして身を切り分けるのだが、ここまで大きいと片身だけでも4つの部位に分けて切り取る。まず腹身を切り取る。続いて背、腹、尾に分ける。魚体中央のヨコに深く切れ目を入れたら、背側・腹側からも背骨に刃先が当たるまで切り込みを入れるが、尾の所からも切れ目を入れる。これは2cm幅で2本入れておく。このあと尾側の身を持ち上げ、頭の方へ身を切り離していくのだが、2本目の切り込みは、そこに指を入れてしっかり持ち上げるためのものだ。またこのとき、一気に包丁で身を切り取ろうとはせず、身を持ち上げながらコブ状になっている背骨のコブごとに切り離していくのが、きれいに身を取るコツだ。

残った身は、中央から頭側への半分。その断面を見ると血合いがある。血合いは背骨に沿ってあるので、血合いに沿って切れ目を入れる。背ビレの上からも切れ目を入れて、背側の身を切り取り、腹側は腹骨と背骨が繋がっているので、身を持ち上げながら、身と背骨の接合部を包丁の刃元で叩きながら切り離す(詳しい作業は映像を参照)。

ふりふり造り

映像を見る 04.湯引き〜氷締め
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材料
クエ
ダイコンのツマ
ワカメ
大葉
レモンの輪切り
刻みネギ
もみじおろし
ポン酢醤油

箸が止まらなくなる極上の甘み

こうして切り分けた身は、皮を引いてサク取りする。この皮も美味しく食べられるので捨てずに取っておく。身は、厚さ3〜5mmぐらいにそぎ切りにする。これを皮とともに沸騰したお湯にくぐらせる。皮は10秒ほどお湯に浸したら氷水にさらし、流水で小さなウロコを取り除いておく。そぎ身の湯通しは4〜5秒ぐらいで、すぐに氷水で締める。このくらいが表面には熱が通り、中は生という、ステーキでいうレア状態になるのだ。

皿にダイコンのツマを敷き、水で戻し適当な大きさに切ったワカメや大葉をのせ、その上に湯通ししたそぎ身、細く切った皮を盛る。薬味は刻みネギともみじおろし。そこにポン酢醤油を添えれば完成だ。

氷水でぎゅっと締まった身は弾力があり、噛むごとに極上の甘みが口のなかにあふれてくる。この甘みがクエならではの旨味で、箸が止まらなくなるほどの美味しさだ。また皮の湯引きは、噛む音が聞こえるほどプリプリの食感で、酒の肴に最高の珍味である。

ところでこの「ふりふり造り」、ハタやマダイなどの白身魚でも美味しく食べられる料理なので、1度お試しいただきたい。

あぶり串焼き

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材料
クエ
ゆずコショウ

クエのサクから4〜5cm角に切った身を2個、竹串に刺して網焼きにする。これも表面から5mmほどに火を通して中は生にしたいので、上下左右の4面をこまめに網の上で返しながら均等に焼いていく。焼き具合は串の手元の、切り身の断面で確認するといい。卓上ガスバーナーがあれば、ある程度火が通ったら網焼きの火を止めて焦げ目を付けるときれいに仕上がる。この切り身にひとつひとつ、ゆずコショウをのせて皿に盛れば出来上がりだ。
ゆずコショウ以外、味付け一切なしの野趣あふれる料理である。初めて食べる人ならば、鶏のササミかと思うかもしれない。しかしその身は、じつに柔らかい。口にあふれる肉汁が旨さの源流で、皿に滴るほど脂がのっているが、これがまったくくどくない。それどころか優しい甘みとなって、あっという間に食べられてしまう。この料理、細山さんはカジキなどでも楽しめるといっていた。


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