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はじよう おやじ流手料理 案内人 深川 達哉 「懇切ていねいな調理動画で、誰でも簡単にできる魚料理
釣魚12か月
連載第17回 2006.7.5更新 次回予告「マゴチ」 十九 イサキ 一度食べると病みつきになる、夏魚イサキの絶品メニュー 「塩焼き」「沖なます」  料理指導=細山和範(船宿割烹「汐風」店主)
 イサキは引き味がよく、慣れてくれば数釣りも楽しめるし、食べても美味しいと三拍子そろった釣魚である。だから、イサキで海釣りにハマッた人も多いのではないだろうか。ならば、誰でも釣れるかというと、そうはいかない。ビギナーとベテランとでは釣果に雲泥の差が出てくる。逆にいえば、釣果で自分の腕のほどがわかるのも、この釣りの面白いところでもある。そのイサキがもっとも美味しいのが梅雨の時季。産卵を迎えてでっぷりと太ったイサキは、どんな調理でも美味しい。「三宅島の魚」で紹介した「ユッケ」もそのひと
映像を見る 01.今回の料理について
つだが、ここでは定番の塩焼き、それも活きのよさをそのまま姿焼きにする技とともに紹介しよう。もうひとつは漁師料理の「沖なます」。夏バテで食欲不振のときでもおかわりしたいほど美味しい1品だ。
塩焼き
映像を見る 02.下処理
映像を見る 03.飾り包丁

材料
イサキ
ダイコンおろし
レモンの輪切り
 まずは魚の下処理の基本、ウロコ、エラ、内臓を取る。ウロコはヒレの付け根、腹側、尾の近くも丁寧に取る。エラは、下アゴのエラの付け根に包丁を入れ、半円を描くように刃を回したら、次に口に近いところに包丁を入れ、刃を返すと一気に取ることができる。内臓は、腹ビレの中央から切れ目を入れてもいいが、盛り付けたときに切れ目が見えないように隠し包丁を入れる。
魚の盛り付けは腹側を手前に頭を左に置くので、裏側の胸ビレ下から腹へと斜めに切れ目を入れて内臓を取る。こうすると切れ目は表からは見えなくなる。これが隠し包丁だ。この後、ウロコや内臓の汚れを洗えば「塩焼き」の下処理は完了だが、「沖なます」ではさらに三枚おろしにする。
ところで内臓を取るとき、産卵をひかえたイサキは白子か真子も一緒に出てくる。釣りたてで新鮮なら、傷つけないように取り出し、水で洗って水気を拭き取り、軽く塩をして網焼きかホイル焼きにするといい。はっきりいってメチャ美味。これを食べたいばかりに釣りに行く人もいるくらいだ。
見た目も美味しい飾り包丁とおどり串
 仕上がりも美しく、調理でも合理的な包丁技が飾り包丁だ。この塩焼きでは、表側には×(バツ)印の切れ目を、裏側には三枚おろしと同じように、背ビレの付け根に切り込みを入れておく。これは、火の通りをよくしながら、火で皮が破けるのを防ぐためだ。また、裏側の背ビレの切り込みは、焼いた後、串を抜いてもその姿を保つためのものだ。
魚が元気に泳ぐ姿をそのまま焼いたように施すのが、おどり串。同じ姿焼きでも、おどり串を打ったものは、見た目の美味しさも倍増するので、ぜひ試していただきたい。
盛り付けた状態に魚を置き、頭を立てて、裏側の目の下から金串を真下に刺す。そうすると、串は裏側の背骨のすぐ下に出るので、今度は串を背骨のすぐ上から表へ出るように刺すが、皮から出る手前で(指で串が出そうな場所を押さえているとわかる)
映像を見る 04.おどり串
尾の方に向ける。尾は、皿に盛ったとき頭より上に向かってピンと跳ねているようにして、串を背骨の下に通す。2本目の串は、裏側のアゴ下から刺し、裏の腹側に抜けたら、1本目の串の上に交差するように刺す。どちらの串も、表側に出ないようにする(このあたりのコツは映像を見るとわかりやすい)。
化粧塩をして強火の遠火
映像を見る 05.化粧塩
映像を見る 06.強火の遠火
 串を持って魚の両面に霧吹きで酒をかけたら、塩を振りかける。酒には旨味を引き出し、身を柔らかくする効果がある。また塩は、胸ビレ、背ビレ、尾ビレなどに厚く付けておく。これは化粧塩といって、ヒレが焦げて形が崩れるのを防ぐためのものだ。つづいて30cmほど上から、細山さんいわく「初雪降るがごとく」サラサラと全体に振りかける。もし塩が固まっていたりしたら、鍋で乾煎りするといい。
魚を焼くときの基本は、強火の遠火。皮にほどよい焦げ目がついて、中まできちんと火が通っている
状態になる焼き方のコツがこれ。家庭のガスコンロなら、両側をレンガかブロックで挟み、焼き台を高くするといい。さらにまんべんなく火がまわるように、コンロの五徳の上にセラミック付きの焼き網をのせておけば万全だ。
魚は、盛り付けの表側が最後の焼きで上にくるようにする。そこで表からじっくり焼いていく(ちなみに今回の焼きでは、表が約15分、裏が約10分で焼き上がった)。
焼き台から下ろしたら、金串を回しながら抜く。これを皿に盛って、ダイコンおろしと輪切りのレモンを添えれば、家庭ではなかなかお目にかからない塩焼きの完成だ。
魚体が波打ち尾をピンと跳ね上げ、きれいに焦げ目が付いた姿を見ただけで食欲が刺激される。その食欲に応えてくれる美味しさだ。皮はパリッとして身は脂がのって甘く、柔らかい。旬のイサキの塩焼きはこう食べたいものである。
沖なます
 漁師料理は簡単かつ豪快にして美味。失敗することはほとんどなく、おやじ流手料理にうってつけだが、これもその例にたがわぬメニューだ。
下処理で三枚におろしたイサキは、腹骨をすき取り、小骨を抜いて皮を引く。それをタテに2つに切り、細切りにする。ここにおろしショウガ、ミョウガのミジン切り、そしてイサキの切り身4分の1ぐらいの味噌に万能ネギを加えて混ぜていく。レシピは「味噌たたき」「ナメロウ」と同じだが、イサキの味、食感もわかるように、ここでは叩かずに混ぜる。これに氷水をかけて食べてもいいが、さらに美味しく仕上げるためにかけ汁を作ろう。
鍋に水を入れて火にかけ、市販の顆粒カツオダシ、少量の酒と旨味調味料を足して味噌を溶く。味噌の量は、かすかに味噌の味がするくらい超薄い味加減だ。汁ができたら粗熱を取り(大きなボウルに水を張り、そのなかに鍋を入れて冷ますといい)、食べる前に汁に氷を入れてさらに冷たくしたら、ご飯の上にナメロウをのせて、大葉の細切り、白ゴマを散らし、汁をたっぷりかければ完成だ。
超薄い味噌風味のかけ汁が、味噌たたきと混ざり合ってちょうどいい味になる。旬のイサキの食感を味わいながらサラサラとかき込むが、ついついおかわりしてしまうほど美味しい。何回食べても飽きない味だから、夏バテで食欲不振にときにお奨めといいたいが、食欲不振じゃなくても食べたくなる1品だ。
映像を見る 07.味噌たたき風

材料
イサキ
おろしショウガ
ミョウガのミジン切り
万能ネギのミジン切り
味噌
市販の顆粒カツオダシの素
旨味調味料
白ゴマ
大葉の細切り

映像を見る 08.汁作り
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