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はじよう おやじ流手料理 案内人 深川 達哉 「懇切ていねいな調理動画で、誰でも簡単にできる魚料理
釣魚12か月
連載第16回 2006.6.21更新 十八 アナゴ シンプル調理で味わう、絶品! 旬の味 「白焼き」「天ぷら」  料理指導=細山和範(船宿割烹「汐風」店主)
 江戸前(東京湾)の美味しい魚の代表がアナゴだ。正式にはマアナゴといい、白斑がタテに並んでいるのが特徴だ。夜行性で甲殻類や小魚を捕食する習性があるところから、東京湾では初夏の声を聞くころになると、夜釣りの船が出る。この釣りたてのアナゴがとても美味しい。一度食べるとクセになるほどだ。そこで今回は、その味をシンプルな調理で楽しんでいただこう。もちろん江戸前のアナゴでなくとも、鮮魚店で買ったものでも味わえるので、お試しいただいきたい。
映像を見る 01.今回の料理について
アナゴやウナギに独特の捌き方
映像を見る 02.下処理1 背開きにする
映像を見る 03.下処理2 背骨を取る
映像を見る 04.下処理3 洗う
 魚の下処理を「おろす」というが、アナゴやウナギの場合は「割(さ)く」という。それほど独特なもので、一般の人はまずやらない。鮮魚店では下処理したものを売っているし、釣り船で釣ったものは船宿で割いてくれる。とはいえ、少なからず包丁に自信のある人ならば試してみたいところである。
活魚のアナゴはヌルヌル、クネクネしてつかまえにくいが、氷水にしばらく入れておくとおとなしくなる。そのアナゴを、背側を手前にしてまな板に目打ちするが、まな板は目打ちが刺さりやすい木製のものがいい。また専用の目打ちがなくてもアイスピックで代用できる。
ヌルを取るのが旨さの秘訣
 目打ちされたアナゴは、ぐったりなるどころか、魚体をクネクネさせて暴れることがある。そういうときは、頭から尾に向かって何回か優しく撫でてやると、なぜかおとなしくなる。そうしておいて胸ビレのところから包丁を入れ、一気に背開きにする。このとき、刃先の峰を中指と、皮の上から人差し指とを当てて軽く押さえるようにして割いていく。
身を開いたら、背骨の中ほどから尾側に向けて、腹側の背骨と身の境目を返し包丁(刃を上に向ける)にして浅く切れ目を入れる。こうしておくと背骨が少し浮き上がり、取りやすくなるのだ。次に胸ビレ下の背骨を断ち、刃を尾側に向けて背骨を取ったら、包丁を持たない方の手に滑り止めの塩をつけ、尾を押さえて背ビレを切り取る。最後に包丁の刃で撫でるようにして内臓をこそぎ取れば、割く作業は完了だ。
割いた身は、水とひと握りの塩を入れたボウルのなかでもみ洗いする。それも2〜3回洗うといい。身に残った血の汚れや皮のヌルを取るためだが、鮮魚店で買ったものでも、この処理をしていないものがあるので、船宿で割いてもらっていても、はたまた鮮魚店で買ったものも、アナゴの調理は丁寧に洗うことから始めたい。これら一連の作業は映像を参照していただくとわかりやすい。そして、これさえ押さえておけば、後は簡単で超美味しいアナゴ料理が待っている。
白焼き
映像を見る 05.焼きの準備〜盛り付け

材料
アナゴ
ワサビ
醤油
アナゴならではの焼き方
 下処理したアナゴは焼くだけだが、事前に焼き網は強火で熱しておき、網にペーパータオルなどに浸したサラダ油を塗っておく。皮が網に焦げ付かないためだ。焼く準備が整ったら中火にして、アナゴは皮から焼いていく。焼き網からはみ出していた身が、ギュッと縮まり、皮が丸まっていく。細山さんは焼き目をまんべんなくつけるため、菜箸で丸まった皮を網に押し付け、こまめに焼き面を裏返していく。このあたりも一般の焼き魚の焼き方とは異なるところだ。
 やがて最初は茶色だった皮が灰色になり、次第に黒ずんでくる。これが身に火が通った目印となる。これを皿に盛り、多めのワサビを添えれば(ゆずコショウでもいい)出来上がりだ。
たっぷりのワサビをのせて醤油をつけ、口のなかに放り込む。焼いているときからジュウジュウと脂が滴り落ちていたが、それでも甘みとなって脂が口いっぱいに広がっていく。身はプリップリと弾力があり、じつに美味しい!
ただ焼いただけである。が、これだけ魚の旨味を堪能できる魚も珍しい。これぞまさに旬の味だ。
天ぷら
映像を見る 06.簡単コロモ作り

材料
アナゴ
ナス
大葉
天ぷら粉(昭和天ぷら粉 黄金)
抹茶塩(抹茶の素1:塩1)
天つゆで食べるなら、ダシ3:ミリン1:醤油1
 本来はサワラの香り揚げのところで紹介したように、冷水に小麦粉と玉子を溶いてコロモを作るが、今回は細山さんがもっと簡単なコロモ作りを教えてくれた。それが〈材料〉のところで紹介した天ぷら粉だ。玉子を入れなくてもカリッと揚がり、だから少量の天ぷらでも難なくコロモができるというものだ。
冷水にこの天ぷら粉を入れ、半分くらいが溶ける程度に混ぜる。けして混ぜ過ぎないのがコロモ作りのコツで、ダマ(玉)が残るくらいでいい。
付け合せには大葉とナスを用意する。ナスはタテに半分に切り、皮面に細かく切れ目を入れておく。
抹茶塩で際立つ極上の甘み
 油の温度は170度くらい。コロモを油に入れたら一旦沈み、すぐに浮き上がってくるのが目安だ。温度を確認したら、小麦粉をまぶしコロモを付けて揚げるが、大葉は裏側だけに、ナスは切り口側だけに小麦粉・コロモをつけて揚げる。アナゴは小麦粉・コロモを両面につけるが、身の面はコロモを入れたボウルの縁を滑らせて、コロモを少し落としてから油に入れる。
油から上げるのは気泡が細かくなってきたときで、菜箸で挟んでカリッとした感触があればOKだ。
映像を見る 07.揚げ〜盛り付け
時間でいえば3分くらい。こうしてきちんと揚がったアナゴは盛り付けで切るときも、箸で切ることができるほどだ。アナゴの旨味を味わうために、皿に添えるのは抹茶塩。市販の抹茶の素と塩を1:1で混ぜたものだが、天つゆで食べるのであれば、ダシ3:ミリン1:醤油1をひと煮立ちさせればいい。
白焼きの弾力ある歯応えに対し、天ぷらのフワフワ、モチモチの食感に驚かされるが、抹茶塩で際立つ甘みは、やはり格別だ。この甘み、旨味は天つゆより塩味で一層際立ってくる。
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