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はじよう おやじ流手料理 案内人 深川 達哉 「懇切ていねいな調理動画で、誰でも簡単にできる魚料理
釣魚12か月
連載第15回 2006.6.7更新 十七 伊豆諸島・三宅島の魚 五目釣りで楽しむ、絶品5魚種5つの味! 「海鮮舟盛り」「アカハタのお吸い物」  料理指導=細山和範(船宿割烹「汐風」店主)
 五目釣りは楽しい。狙いをひとつの魚に絞るのではなく、いってみれば仕掛けに食ってくるすべての魚がターゲットといってもいい釣りだ。だから、おおまかな釣魚の予想はあっても意外な魚が顔を見せることもあって、その姿を見るまでのやりとりがなんとも楽しいのである。そんな釣りで第一級のポイントといえば、伊豆諸島の島になる。この海域は、黒潮に育まれたフエダイ科の魚やシマアジ、カンパチ、ヒラマサの回遊魚など、釣り味、食味ともに最高の魚で賑わっているのだ。
そこで今回、タチウオで結成した「釣りたて食い隊」のメンバーが三宅島で五目釣りに挑戦。釣りたての魚を宿で料理したのが今回
のメニューだ。隊員のなかには 「もういちどBE-PAL おとなのずる休み」の堀田貴之さんもいて、
ルアーで超美味しい魚を釣り上げていた。結果、五目どころか十目以上(なかにサメもいて、これは
映像を見る 01.三宅島の魚と今回の料理について
海にご帰還いただいた)となったが、そのなかからオナガメジナ、イサキ、アカハタ、フエダイ科のアオダイ、ウメイロを食材にして作ったのが次に紹介する料理だ。
もちろん、この魚でしかできない料理ではないので、ほかの五目釣りや、鮮魚店での五目買いでも楽しめるものだ。

海鮮舟盛り
 釣りたてならばやっぱり刺身が最高だ。そこでウメイロ、オナガメジナ、アオダイ、イサキの4魚種を刺身にしたが、そこに一手間かけて4種の味が楽しめるものにするのがボンビバン流「海鮮舟盛り」だ。鮮度のよさは折り紙つき。なにしろ数時間前まで元気に海で泳いでいた魚だ。そこで細山さんは、すべて活き造りにした。
まず下処理。ウロコ、エラ、内臓を取って水で洗った後、三枚におろす。包丁は背側・腹側から徐々に深く切れ込みを入れていく。頭を落とさないので、片身は背骨についたまま裏返しにして、同様に切れ込みを入れ、最後に背骨から身を切り離す。切り離した片身は腹骨をすき取る。これが活き造りにするときのさばき方で4魚種とも同じだが、この後それぞれの魚に一手間かけていく。
映像を見る 02.下処理

材料
ウメイロ
オナガメジナ
アオダイ
イサキ
昆布
ゴマ油
タマネギ
ショウガのミジン切り
卵の黄身
ダイコンのツマ
ワカメ
ウメイロの昆布締め
映像を見る 03.ウメイロの昆布締め

 ウメイロはフエダイ科の魚で、背中から尾にかけて黄色い模様があるのが特徴だ。このウメイロをはじめ、フエダイ科の魚はもちもちとした食感と甘みがあり、刺身、煮物、塩焼きなど、どんな調理でも美味しいが、今回は昆布締めにした。
本来昆布締めは、小骨を抜いて皮を引き、サクにして昆布で締めて一晩寝かせるが、今回は1時間ほどで食べられるよう、刺身にしてから昆布で締めた。
 まず、刺身にして並べた切り身に軽く塩を振る。それを酒、もしくは水に浸したペーパータオルで拭いてしんなりさせた昆布の上に並べ、同様にしんなりさせた昆布で覆う。
オナガメジナの刺身
 一般にメジナは、夏季は磯臭いといわれるが、それはおもに沿岸に棲むクチブトと呼ばれるメジナのことで、沖にいるオナガメジナ(エラブタの縁が黒く、尾の縁が湾曲しているのがクチブトメジナと異なる)はそんなことはない。それどころかマダイより旨いという人がいるくらいだ。で、これはその旨さを味わうため刺身にした。
映像を見る 04.オナガメジナの刺身
アオダイの湯引き
映像を見る 05.アオダイの湯引き

 名前のとおり、釣り上げたときほれぼれとするほど美しい魚で、これは皮を湯引きして「松皮造り」にした。魚の旨味は身と皮の間に詰まっているので、それを味わう1品だ。
あらかじめボウルなど大きな容器に氷水を用意しておく。次に、傾けたまな板に片身を、皮を表に、尾側を上にして並べる。その皮に熱湯をゆっくりかけていく(このとき片身をペーパータオルか布巾で覆って、
その上から熱湯をかけるのが本来のやり方だと、細山さんは言っていた)。皮が丸まってきたら氷水に入れて身を引き締め、粗熱が取れたら水気を拭き、小骨を取る。

イサキのユッケ
 伊豆諸島の名物がジャンボイサキ。今回もほとんどが40p級で、しかも産卵直前のでっぷり太ったものだった。これはユッケ風の刺身にした。
三枚におろした片身は、小骨のところから背側と腹側に切り分け皮を引き、さらにタテに切った後、1cm角ほどに切る。イサキの量の4分の1から3分の1くらいのタマネギの粗ミジンと、ショウガ1片のミジン切りをイサキと一緒にボウルに入れ、ゴマ油で
映像を見る 06.イサキのユッケ
和える。ゴマ油の量は、全体にまんべんなくからむ程度だ。
盛り付け
 4種の刺身は、ダイコンのツマや水で戻したワカメを添えて盛り付けていく。
ウメイロの昆布締めは、わずか小1時間ほどだったのに、昆布から離すときに糸をひくような粘りがある。オナガメジナの刺身では腹側をそぎ切りにして、身を3分の1ほど重なるように並べて、それを巻いて花のようなお造りにもした。アオダイは小骨を取り(小骨のところから背側、腹側に切り分けてもいい)、少々厚めに切る。そしてイサキのユッケ風は、盛りつけた中央に卵黄をのせれば、なんとも豪華な「海鮮舟盛り」の完成だ。

映像を見る 07.盛り付け

 さて、どれから食べようかというほどに、どれもが美味しそうだ。で、オナガメジナの刺身をパクリ。プリプリとした歯ごたえと、噛むごとにじわっと甘みがにじみ出る。これが釣りたての味だ。またイサキのユッケは、卵の黄身を崩して醤油をかけて食べる。やはり釣りたてだから身が引き締まり、タマネギのシャキシャキとした食感とゴマ油の香ばしさが食欲を刺激する。この2魚種がプリプリ系とするなら、アオダイ、ウメイロはもちもち系の美味しさが持ち味だった。
湯引きしたアオダイは、なんといっても皮が噛み応えがあり、身はもちもちとした食感で
なにしろ甘い。宿でいただいた韓国海苔に巻いて食べたら、その甘みが一層際立った(アオダイに限らず、刺身+韓国海苔はお奨めです)。最後にウメイロの昆布締めは全員が驚く美味しさ。わずか小1時間ながら、昆布の旨味と魚の旨味が1+1=4ぐらいに膨らんだ感じで、噛むほどに滋味豊かな味があふれてくる。
また、これらの刺身をご飯(または酢飯)の上に盛ると、極上の海鮮丼になるので、ぜひお試しいただきたい。

アカハタのお吸い物
映像を見る 08.下処理

材料
アカハタ
昆布
醤油
旨味調味料
ミリン
ショウガの絞り汁
カイワレ大根
ワカメ
 美味しいダシが出るアカハタは蒸し物、煮物が絶品の高級魚だが、今回はお吸い物にした。ウロコ、エラ、内臓を取り、頭を落として二枚におろす。身は大きめにブツ切りにする。頭は上アゴのところから包丁を入れて開き、適当な大きさに切り分ける。これら切り身を熱湯で湯通し(霜降り)して、すぐに冷水にさらす。ここで取り残したウロコ、血の汚れや臭みを取り除く。
鍋に水と昆布(昆布締めで使ったものでもいい)、切り身を入れて火にかける。最初は強火でいいが、沸騰する手前で弱火にする。こまめにアクを取り、酒を適量、色付け程度にほんのちょっと醤油を入れ、塩で味を整える。味が決まったら、旨味調味料とミリンを少量加え、最後にショウガの絞り汁で味を引き締める。椀に盛ったら、カイワレ大根と水で戻したワカメを入れて出来上がり。

 ほとんど透明な汁だが、アカハタから出るダシはとても上品な味わいでコクがある。ほんのりとした甘みがなんとも爽やかだ。切り身は繊維が細かく、甘みがあってこれまたじつに美味しい。と、三宅島の五目釣りは、釣っても食べても最高の味を提供してくれたのである。
映像を見る 09.ダシ作り〜盛り付け

協力:民宿「蔵王 沖山」〒100−1212 東京都三宅島三宅村阿古656 TEL/FAX04994‐5‐0881
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