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はじよう おやじ流手料理 案内人 深川 達哉 「懇切ていねいな調理動画で、誰でも簡単にできる魚料理
釣魚12か月
連載 第14回 2006.5.24更新 十六 アイナメ 料理の幅がぐんと広がるプロ級メニューに挑戦! 「アイナメと豆腐の揚げだし」「しぐれ煮」  料理指導=細山和範(船宿割烹「汐風」店主)
 シロギスなら「ひじ叩き」、カレイは「座布団」、イカなら「パラソル」に例えられるのがジャンボ・サイズの別称だ。そして「ビール瓶」といわれるのが、今回の釣魚、アイナメである。その例えからもわかるように、紡錘形の魚で、大きいものでは50cmを超すというから、「ビール瓶」を越えて「マグナム・ボトル」まで成長するようだ。
映像を見る 01.アイナメ料理について
 白身であっさりとした味のアイナメは、釣りたてなら刺身も美味しいが、なんといっても定番は煮付け。そこで今回は、1回の下ごしらえでできる、ふたつの料理を紹介しよう。ひとつはプロ級の1品、もうひとつは煮付けだが、こんな手もあったのかという料理で、しかも失敗度はほとんどゼロに近いから、ぜひお試しいただきたい。
アイナメと豆腐の揚げだし
映像を見る 02.下処理〜三枚おろし
映像を見る 03.骨切り

材料
アイナメ 2尾
豆腐
エノキ
シイタケ
ギンナンの水煮(缶詰)
昆布
顆粒のカツオダシの素
醤油
旨味調味料
片栗粉
糸三つ葉
ゆずの皮の千切り

 アイナメはウロコを取り、ざっと水洗いした後、頭を落として内臓を取り除く。ウロコは小さいので、専用の「ウロコ落とし」より包丁のほうが取りやすいかもしれない。これを三枚におろし、背骨や腹骨あたりの血の汚れを取っておく。次はアイナメならではの「骨切り」という下処理だ。
アイナメはアジやマダイなどと違い、小骨が長く、また多いのが特徴だ。そこで食べやすくするために骨切りを施しておくのだ。といっても、ハモほど細かい作業ではないので、この機会に覚えておこう。
皮を下にして尾側を左に置き、右側から5mm幅ぐらいで切っていくのだが、ちょっとしたコツがある。切るときに少々包丁を左側に寝かせて、皮1枚を残すところまで切り込みを入れる。アイナメの皮は結構丈夫なので皮のところで包丁が止まるはずだ。皮を残して切り込みを入れたら、今度は包丁を少し右側へ起こすようして、これを繰り返していく。このときジリ、ジリという音がするが、これが骨切りの音だ(詳細は映像参照:「03.骨切り」)。
今回使ったアイナメは全長30cmに満たないサイズだったので、腹骨も小骨と一緒に骨切りしたが、30cm以上なら腹骨をすき取ってから骨切りした方がいいと、細山さんは言っていた。切れ目を入れた魚は、水気を取るためペーパータオルの上に置いておく。
キノコたっぷりがダシ作りのコツ
 次にダシ作り。鍋に水を入れて昆布をひたし、そこに少量の酒、顆粒のカツオダシの素、旨味調味料を少々加えたなかに、石づきを取り厚めに切ったシイタケやエノキ、ギンナンの水煮を入れて煮る。ここにニンジンやナスなどの野菜を入れてもいい。
ダシが煮立ってきたら塩を入れ、醤油を色づけ程度に足して、最後にミリンを少々加える。味は塩で決める。味の目安は、お吸い物よりほんのちょっと濃いくらいだ。味が整ったところで、一旦火を止める。この後、余熱でキノコから旨いダシがどんどん出てくる。
ダシを寝かせている間に、骨切りしたアイナメを二度揚げにする。油の温度はやや低温
映像を見る 04.ダシ作り
映像を見る 05.二度揚げ
映像を見る 06.豆腐を揚げる
で、切り身が底に沈み、ゆっくりと浮いてくるのが目安だ。このとき注意したいのが、骨切りした切れ目の間までまんべんなく片栗粉をまぶしておくことだ。ここで切り身にじっくり中まで火を通しておく。弾ける音が小さくなり、泡も細かくなるのが上げる合図。一旦油から上げ、粗熱を取ったら再度揚げるが、今度は前より少し高めの温度で、ここで外側をカリッと揚げる。揚げる時間は3分前後が目安だ。
次に水切りした豆腐を揚げよう。豆腐は揚げる30分ほど前から水切りしておく。形が崩れないようペーパータオルで包み、その上にバットのような平らな容器をのせる。さらにその上に水を入れた小型のボウルをのせておく。水切りした豆腐は一口大に切り、片栗粉をまぶして揚げる。これは二度揚げの必要はなく、表面がキツネ色になったらOKだ。
油抜きと軽めのトロ味で爽やか味に
映像を見る 07.油抜き〜盛り付け

 今度は料理のミソとなる工程、油抜きという作業だ。
揚げたアイナメ(半分は次の料理に使うので取っておく)と豆腐を、熱湯にさっと(3秒ほど)くぐらせたら、ある程度底の深い器に入れて、先ほどのダシを加熱する。ダシが煮立ってきたら水溶き片栗粉(片栗粉1:水1)をかけ回してトロ味をつける。ただし、あんかけのタレより軽いトロ味にする。だから1度に水溶き片栗粉を入れるのではなく、トロ味の加減を見るよう
に少しずつ入れていく。この熱々のタレをたっぷり揚げ物にかけ回し、刻んだ三つ葉とゆずの皮の千切りを散らせば、プロ顔負けの料理の完成だ。
白身で淡白なアイナメだから、いろんなダシやソースに合うことはわかるが、それにしてもダシがメチャ旨い。ほんのりついたトロ味と油抜き効果で、どこまでも爽やかな味。それがアイナメに絡んで、なんとも上品な味わいだ。しかも骨切りし二度揚げしているので、小骨の違和感がないからあっという間にダシも残さず完食。細山さんによれば、この料理はほかの白身魚でもいいし、またイカでも合うとか。

しぐれ煮
 アイナメの定番料理は煮付けだが、ここでは先に二度揚げしたアイナメを使って、ちょっと変わった煮付けにしてみよう。
まず、昆布でとったダシ3に、醤油1、ミリン1を足して火にかけ、煮立ってきたらおろしショウガを入れる。次に油抜きしたアイナメを入れたら、落とし蓋はせずにお玉で上から煮汁をかけていく。これは3分程続ければいい。
皿にダシ昆布を敷いてアイナメをのせ、その上に水気を切ったたっぷりのダイコンおろしを盛って、煮汁をかけ回す。そこにゆずの皮の千切りと刻み海苔を散らせば「しぐれ煮」の出来上がりだ。
普通なら20分はかかる煮付けだが、これはわずか3分。ところが、驚くほど味が染みていて美味しい。片栗粉のコロモのトロッとした食感は普通の煮付けとは一味違って新鮮で、味わいは煮付けそのものなのである。揚げ物が煮付けに変身するこの「しぐれ煮」、料理のレパートリーが広がる1品だ。
映像を見る 08.煮汁作り〜盛り付け

材料
二度揚げしたアイナメ
昆布
醤油
ミリン
おろしショウガ
ダイコンおろし
刻み海苔
ゆずの皮の千切り

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