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姿形は似ているが、ヒラメとカレイの大きな違いは、腹側を下にしたときの頭の向きで、ヒラメは左を、カレイは右を向く。また、ヒラメ科の魚が4種ほどなのに対して、カレイ科は20種近くと多いことも大きな特徴だ。そのなかで釣りのメイン・ターゲットとなるのがマコガレイとイシガレイ。ともに釣期は冬から春にかけてだが、今年細山さんが、このイシガレイ釣りにハマッた。
数釣りが楽しめ、なおかつ「座布団級」といわれる全長60cmの大型もいるというのがハマッた理由だとか。とはいえ、イシガレイはヌルが多く、臭みもあるといわれる魚だ。しかし細山さんによれば、釣った後の処理をきちんと行なえば、メチャウマの魚だという。その処理とは次のようなものだ。
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釣ったイシガレイは、活かしたままクーラーボックスに海水を入れて持ち帰る。このなかで魚は腹の中のものを吐き出し、臭みのもとの大半は解消されるとか。そうして持ち帰ったイシガレイは、次に紹介する絶品料理に変身するのである。
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イシガレイ 30cm級1尾 |
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ダイコン |
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大葉 3枚 |
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ポン酢 |
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活魚のイシガレイは、目の上を一気に切り下げて締める。次に、もうひとつの臭みのもとであるヌルを取り除く。これは大量の塩を裏表、両面にかけて、ヒレの部分も丁寧にタワシでこすり取っていく。それを水洗いした後、名前の由来となっている背側(腹側に付いていることもある)の骨質板の“石”を包丁でそぎ取る。今回は姿造りにするため、頭は落とさずさばいていく。エラは包丁で半円を描くように付け根を切って取り除き、内臓は裏側の胸ビレ下をヨコに切れ目を入れて取り出し(この手順の詳細は映像を参照)五枚おろしにする。
まず、背側・腹側のヒレの付け根に浅く切れ目を入れる。次に胸ビレ下にもヨコに切れ目を入れ、魚体の中央に走る側線に沿って背骨に刃が当たるところまで切り込みを入れる。さらに頭部の側線の切れ込みから包丁を入れて背側、または腹側へ身をめくるよう徐々に刃を深く入れながら切り取っていく。裏側も同様に切り取ると、裏表で4枚のサクと尾頭付き背骨の5枚の部位に分かれる。こうした下処理〜五枚おろしは、包丁の先(切先)の切れ味がいいとらくにできる。
切り取った4枚のサクは、中骨・腹骨を取り除いて皮を引く。皮を下にして、尾側の方に刃を入れ、皮に当たる手前で頭部の方に刃を向ける。その後包丁を滑らせるようにするやり方と、包丁はそのままに皮を引っ張るやり方があるが、詳しくは映像を参照していただきたい。どちらにしても、片刃包丁の利点を生かしたさばき方だ。
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皮を引いたところでエンガワは手でも取れる状態になるので、適当な大きさに切っておく。身の方は、ひとつが薄造り、もうひとつは刺身に、最後はあらいにする。あらいは刺身と薄造りの中間ほどの厚さに切り、氷水に1分ほどさらしておくことでギュッと身が締まってくるものをいう。この3種類を姿造りの土台に盛っていく。
土台はまず、厚さ2〜3pのダイコンを斜めに2等分し、その上に頭と尾をのせて爪楊枝で刺して固定する。尾頭付きの骨にダイコンのツマを盛り、さらに大葉を3枚のせる。その3枚にそれぞれ薄造り、刺身、あらいを盛って完成だ。薄造りはポン酢で、 |
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ほかはワサビ醤油でいただく。
その味はというと、これが絶品だった。活き締めだけに、身のシコシコとした食感がたまらない。そして噛むごとにじんわりと甘味が口のなかに広がっていく。もちろん臭みなど微塵もない。特にあらいは甘味・食感ともに最高で、ちょっと忘れられない味だった。なにしろ1尾で3種類の魚を食べているような贅沢な味が楽しめるのである。
五枚おろしという、料理初心者にはちょっと高いハードルもあるが、細山さんは失敗を恐れず何度も挑戦してほしいという。もし失敗しても、こんな美味料理になるからだ。
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イシガレイ |
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春雨 |
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ニンジン ザク切り |
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タマネギ ザク切り |
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シイタケ ザク切り |
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エノキ |
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ギンナンの水煮(缶詰) |
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顆粒ダシ |
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ミリン |
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醤油 |
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片栗粉 |
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ゆずの皮の千切り、または三つ葉か刻みノリ
(なくてもいい) |
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五枚おろしの失敗としてよくあるのが、そぎ取ったサクより骨に付いた身の方が多いことだろう。じつはこうした失敗作におあつらえ向きの料理がある。「あんかけ唐揚げ」だ。これはイシガレイの身も骨も二度揚げし、そこに和風味のあんをかけたもので、あんの具材は冷蔵庫の残り野菜でOK。五枚おろしの失敗作が簡単でメチャ美味しい料理に変身する。
最初は春雨を揚げる。というのも、春雨は油がきれいなことが条件だからだ。温度は低温で、春雨の切れ端を油に落とすと、一旦底に沈んでからゆっくりと浮いてくるのが目安だ。その温度を確認して春雨を油に入れる。すると一気に3倍ほどに膨らんでくるので、裏表に火を通して上げる。その時間は20〜30秒くらい。
次に片栗粉をまぶした尾頭付きの背骨と切り身を、これまた低温の油で揚げる。余分な粉をはたいて、まずは尾頭付きの骨を、しばらくして身を入れる。ガスの火は中火〜弱火だが、身を入れたところで油の温度が下がるので、一度強火にし、20秒ほどしたら再び中〜弱火に戻す。油の気泡や音が細かくなったら、ここで1度取り出し、粗熱を取る。この間に鍋(またはフライパン)の油カスを取り除いておこう。
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二度揚げは、前より少々高めの温度で揚げる。ここでも尾頭付きの骨を最初に入れ、しばらくして身を入れる。この二度揚げで身は外がカリッと中はフワフワに、尾頭付き骨はヒレも食べられるようになる。油から揚げる目安は同じで、気泡や弾ける音が細かくなったときだが、時間は前の半分ぐらいか。この唐揚げをポン酢で食べても美味しいが、ここではもう一手間かける。
あんのつゆは、ダシ(水+顆粒ダシでいい)4に対してミリン1、醤油1の割合。天つゆを少々薄くした味だ。そこにザク切りした野菜やキノコ類、ギンナンの水煮を入れる。野菜が柔らかくなってきたら、水溶き片栗粉(水1:片栗粉1)を入れてトロ味をつける。
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盛り付けは、尾頭付きの骨の上に春雨を盛り、その上に切り身をのせる。そこに熱々のあんを掛けまわし、香り付けにゆずの皮の千切りを散らせば完成だ。
この料理、五枚おろしの失敗作の手直し料理と思ったら大間違い。メチャウマの逸品だったのである。身はもちろん、パリパリのヒレがじつに香ばしくて美味しい。甘くとろりとなった野菜には白菜、ナス、ピーマンも合いそうだとか、水煮のギンナンは欠かせないとか、食べている最中も食の想像力がかきたてられるほどだった。この料理、釣りたてではなくても鮮魚店の魚で味わえるので、ぜひお試しいただきたい。
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