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アフターフィッシングの楽しみは、なんといっても釣った魚を美味しく食べることだが、釣りと同様にここにも大きな驚きと発見がある。こんなに美味しい魚がいたのかとか、この魚はこんなに美味しかったのか、というものだ。私の場合、そんな驚きの魚にタチウオがいる。
もちろん釣りという趣味にハマる前にも、塩焼き、煮付けなどは何度も食べていたのだが、まさか刺身がこんなに美味しいとは! ということを、釣りを始めてから知った。
多くの場合、釣魚を美味しく食べるなら、釣って2日後くらいの、脂がまわったころが食べどきだ。ところがタチウオは、刺身なら釣りたてがいちばん美味しい。2〜3日も冷蔵庫のチルドルームで熟成させようものなら、刺身では逆に脂がくどくなってくる。その釣りたての刺身を一度知ると、もういけない。ほんのり桜色のこりこりとした食感と上品な甘味が忘れられなくなるのだ。
ならば釣ってこようじゃないかとなる。そこでおやじ手料理スタッフは、急遽「釣りたて食い隊」を結成。釣況はイマイチながら、千葉県金谷港から出漁し、帰港後すぐに港で調理&賞味したのが、以下に紹介する激ウマ三品だ。

ウロコのない銀色に輝く刀のような姿でタテに泳ぐタチウオは、見た目のとおり“太刀魚”とも“立ち魚”とも表記される。それだけに下処理からしてほかの魚とは少々異なっている。
まず鋭い歯を持つ頭(歯は触っただけでも切れるので注意)を切り落し、15〜20cmくらいに切り分ける。切り身にして内臓を取った後、背ビレを取り除く。これはヒレの付け根両側に1cmほど切れ目を入れ、 |
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背側の小骨はヒレの付け根を包丁で押さえて切り身を引っ張って抜くとわりと簡単に取り除ける。
つぎに、下処理で取り除いた背ビレのところから包丁を入れ、背骨まで切る。同様に腹側からも背骨まで切れ目を入れて身を切り離す。これを裏表の両面やると、背骨と切り離した2枚の身になる。変型三枚おろしといえるさばき方だ。
この下処理をしておくと、食べたとき口の中での異物感がなくなるので、ぜひやっておきたい処理だ。これが終わったところで、まずは「あぶり刺身」に挑戦してみよう。 |

切り離した身には、背骨があった部分にも小骨があるので、ここを皮ごと引き落とす。2等分された2枚の身を、金属製のバットかトレイの裏に皮を表にして貼るように置く。その皮を、きっちりこげめがつくように小型ガスバーナーであぶる。これをタテに(頭〜尾の方向)2等分したら、さらに食べやすい大きさに切り、ダイコンのツマの上に置いた大葉にのせ、ワサビを添えれば出来上がりだ。
魚の旨味は皮と身の間にあるといわれるが、まさにそれを実感する味だ。歯ごたえのある皮、こりこりとした身の食感の後、皮と身の間からじんわりと旨味がにじみ出てくる。細山さんいわく「釣りたてのタチウオ以外でも、刺身用のサンマ、カツオでも、このあぶり刺身は楽しめる」とか。

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| 小型ガスバーナー |
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タチウオ 15〜20p程度の切り身を2つ |
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ダイコンのツマと大葉(なくてもいい) |
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タチウオ 15〜20cm程度の切り身を2つ |
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タマネギ 4分の1個を粗ミジン |
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ショウガ 親指大くらいをミジン切り(おろしでもいい) |
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万能ネギのミジン切り |
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玉子の黄身 |
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刻みノリ |
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煎りゴマ |
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ゴマ油 |
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ダイコンのツマ・大葉(なくてもいい) |
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あぶり刺身と同様に変型三枚おろしにした20cmほどの切り身を、半分の長さに切る。次に、皮を下にして小骨の側から包丁を入れる。包丁の刃が皮に当たる手前で、背側、腹側へ身をそぎ取っていくと、裏表で4枚のサクになる。これをあぶり刺身と同様にタテに短冊に切っていく。ほとんどの魚はヨコ(背側〜腹側方向)に切って刺身にするのだが、タチウオではヨコだと身割れすることが多いのでタテに短冊状に切るのだ、と細山さんはいう。これがタチウオの刺身で、メチャ旨い。今回はその刺身に一手間かけてみよう。
短冊状の切り身をさらにサイの目に切ってボウルに入れ、そこに粗ミジンのタマネギとショウガ、万能ネギのミジン切りを加えてよく混ぜ合わせる。ここにゴマ油をまんべんなく絡む程度に入れ、煎りゴマを加える。それを皿か小鉢に盛り、中央に玉子の黄身を落として刻みノリを散らせば完成だ。


食べるときは醤油をかけ、黄身を崩してかき混ぜる。本来刺身だけでも超美味なのだが、黄身の甘味や香ばしいゴマ油の風味にタマネギなどのシャキシャキした食感がなんとも新鮮だ。酒の肴としても最高だが、これをご飯の上に盛って「ユッケ丼」にしても美味しい。
以前、細山さんと釣行したとき、船上で釣りたてのムロアジをこの「ユッケ丼」にして食べたことがある。以来、私はこの料理にハマりっぱなしで、カンパチ、イサキ、マダイ、メジナと、なんでもユッケ風で食べている。そのどれもが旨い。釣りたてのタチウオがなくても、スーパーで売っている刺身でも美味しく食べられるので、ぜひ一度試していただきたい。
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下処理でヒレを取った切り身は、火の通りをよくするために裏表に軽く切れ目を入れ、小麦粉をまぶしたところで、フライパンをよく熱してニンニク油をひく。
普通はニンニクをフライパンに入れ、油に香り付けするのだが、ニンニクはすぐにこげてしまう。こげる前に取り出せばいいのだが、その最中にもどんどんこげて、結局取りきれなかったニンニクが苦味として残ってしまう、なんて経験ありませんか。それを防ぐのがニンニク油。
ニンニクのスライスをサラダ油(もちろんオリーブオイルでもいい)に1時間以上漬け込んだものだと、事前に香り付けもできて、こがす心配もないという細山流下ごしらえだ。密閉ビンやペットボトルにそのまま漬け置きできるというから、このニンニク油は、他の料理にも活用できそうだ。

それはともかく、余分な小麦粉をはたいた切り身をフライパンに入れたら軽く塩・コショウをして、中火でじっくりソテーする(フライパンにアルミホイルでフタをすると火の通りが早くなる)。両面がキツネ色になり、身がふっくらしてきたところでブランデーを注いでフランベする。隠し味で醤油数滴を垂らしたら切り身を皿に取り出し、ソースを作ろう。
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07.ソテー〜ソース作り |

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タチウオ 15〜20p程度の切り身を2つ |
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ニンニク油 (サラダ油にニンニクスライスを漬け込んだもの) |
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小麦粉 |
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塩・コショウ |
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ブランデー |
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おろしポン酢(ポン酢にダイコンおろしを入れたもの) |
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醤油 |
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フライパンに残った油を熱し、そこにポン酢とダイコンおろしを合わせたおろしポン酢を加える。このソースがふつふつと泡立ってきたら火を止め、先の切り身にかけ回すと完成だ。
あぶり刺身やユッケ風たたきのこりこりとした身が、火を通すことでふわふわの食感に変わったことにまず驚く。一見すると洋風の調理だが、味はほとんど和風で、タチウオの甘味と、熱することでほどよく飛んだポン酢の酸味がベストマッチ。同じ魚でこうも変身するのかと、ちょっと驚きの味だ。
しかもこのステーキは釣りたてでなくても、鮮魚店などで売っている切り身でもできるのがうれしい。塩焼き、煮付けの味に慣れた人にぜひお奨めしたい一品だ。
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