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マダイ釣りはオデコ(釣果ゼロ)覚悟の釣りである。釣り人にとって空っぽのクーラーボックスで帰宅することほど虚しいことはないが、それでもマダイを狙って今日も多くの釣り人が船に乗る。
私が海釣りで初めてその姿を目にしたときの感動はいまも忘れられない。釣りを始めて2か月くらいのころ、イサキ釣りの外道(本命以外の魚をこう呼ぶ)で、近くにいた釣り人が上げたときだった。いま思えば500gほどの小型だったが、ピンクに輝く魚体はしばし見とれるほど美しかった。以来マダイ釣りにハマッたのだが、釣り場によって仕掛けも変われば、道具や釣り方も異なるマニアックなものだった。しかもマダイといっても500gから10s超までいるから、この釣りだけでひとつの趣味といえるほど奥が深い。さらに釣れた時期や場所はもちろん、同じ時期に同じ場所で釣れたマダイでも味が違うなど、個体差が大きいことも細山さんに教わった。だからこと味に関して、マダイは魚の王様という人もいれば、いやいやそれほどの魚ではないよ、という人もいる。天然魚でこれほど意見が分かれるマダイだが、ここでは養殖でもマダイは旨い! と納得の三品を紹介しよう。
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天然マダイの鼻
 
養殖マダイの鼻
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01.マダイの下処理 |
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マダイはウロコ、内臓を取り、頭を落とした後、きれいに洗って水気を取り三枚におろす。腹骨、小骨をすき取って皮を引き、鮨ダネ用にそぎ切りする。
漬(づ)けダレは醤油とミリンが1:1の割合で、切身がひたひたになるくらいの量。そこに細かく刻んだ島唐辛子、または青唐辛子を入れる。ただし、島唐辛子は細かく刻めば刻むほど辛味が増してくるので、好みに合わせて刻むこと。そこに切身がベッコウ色になるまで(1時間ほど)漬け込む。
酢飯はレンゲで酢4、砂糖2、塩1を合わせたなかに昆布を30分ほど浸し、温かいご飯にかけてシャモジで切るようにまぶした後、しばらく寝かせておく。この手間が面倒なら市販のすし酢で作ってもいい。
下ごしらえができたところで、にぎり鮨を作るが、その前にボウルなどに水と少量の酢を足した酢水を用意し、手を濡らしておく。右手に酢飯を軽くにぎり、左手でタネを取り、そこに和ガラシを付けて酢飯にのせ、形を整えて出来上がり。と書けば簡単なようだが、大きさが均一でなかったり不恰好だったりして、これはなかなか難しい。しかし多少不恰好でも島鮨は美味しい。伊豆諸島、 |
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03.タネ作り |

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1s級マダイの片身 |
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漬(づ)けダレ:醤油とミリン1:1 |
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島唐辛子(または青唐辛子)3〜4本 |
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酢飯:茶碗2杯分、酢・レンゲ4杯、砂糖・レンゲ2杯、塩・レンゲ1杯、昆布3×10cmほどを1枚
(市販のすし酢でもいい) |
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和ガラシ |
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八丈島の名物料理で、漬(づ)けにするのは魚の鮮度を保つため。和ガラシを使うのは、昔、島にはワサビがなかったからだという。甘めのタレにピリッときいた島唐辛子と和ガラシのコンビネーションは、これまで食べていた鮨とは一味違う新鮮な感覚で、ついつい手がのびてしまう美味しさだ。
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07.かぶとの下処理 |

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マダイのかぶと(頭) |
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味噌 |
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旨味調味料 |
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長ネギのザク切り |
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ゆずの皮の千切り |
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島鮨には汁物が欲しい。そこでかぶと(頭)の味噌汁を作って、1尾丸ごと食べ尽くそう。先に落としたかぶとから内臓とエラを取り、きれいに水洗いして2つ割りにするのだが、これまで何度も挑戦して、私はきれいに割ることができなかった。料理ページでこう表現するのもナンだが、「頭部に切り傷と打撲の痕跡多数あり」といったありさまになってしまう。原因は、力まかせにさばこうとしたこと。今回細山さんの手際を見てそう思った。

その手際とは、まず上アゴの中央、前歯2本の間に包丁で切り込みを入れる。次にそこから包丁を押すようにして、まっすぐ下へ切り割る。このとき、出刃包丁のような片刃の包丁だと、左側に刃が入っていくので、それを意識しながらまっすぐに切ること。もちろん切れる包丁を使うことが前提だ。
こうしてかぶとを割ったら、それを4〜5等分に切り分けて熱湯で湯通し(霜降り)し、冷水にさらしながら細かなウロコや汚れを取り除く。 |
| 次に、鍋に水とかぶとを入れ火にかける。煮立ってきたらコクを出すために酒を少量足し、丁寧にアクを取る。鍋を沸騰させないようにして味噌を溶き、火を止める直前に旨味調味料と長ネギのザク切りを入れる。器に注ぎ、ゆずの皮の千切りを散らして完成。 |

マダイの片身を塩焼きにして、焼きあがったところで身をほぐして、温かいご飯にまぶす(残ったタイの塩焼きがあればそれを電子レンジで温め直して使ってもいい)。このとき、ほんの少量の醤油と炒りゴマを加えると香ばしくなる。このご飯を大判型のおにぎりにして、フライパンに油をひいて上下両面がキツネ色にこげめが付くよう弱火でじっくりと焼く。 
もし冷やご飯でおにぎりを作るのなら、ご飯に醤油は加えず網焼きにして、このとき醤油を塗るといいと細山さんは言っていた。
この焼きおにぎりを大きめの茶碗に入れ、お茶をひたひたになるくらいまで注ぐと文字どおりお茶漬けになるのだが、せっかくマダイのアラ(骨)があるので、そこからダシを取って食べることにしよう。
アラは湯通し(霜降り)にして冷水にさらし汚れを取り、鍋で水から煮立てる。鍋のふちに泡が立ってきたら酒を加え、こまめにアクを取る。味噌汁と同様に、こちらも絶対沸騰させないようにする。次に塩、醤油、旨味調味料を入れるが、味は塩で決める。その目安は吸い物よりほんのちょっと薄いくらい。
焼き上がったおにぎりを器に入れ、三つ葉、あられ、ゆずの皮の千切りをのせ、ダシをおにぎりがひたひたになるまで注ぐ。仕上げに刻みノリをのせ、ワサビを添えれば出来上がり。
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09.タイのおにぎり作り |

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マダイの片身 |
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炒りゴマ |
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醤油 |
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旨味調味料 |
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酒 |
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塩 |
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三つ葉 |
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ゆずの皮の千切り |
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あられ(なくてもよい) |
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刻みノリ |
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ワサビ |
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| おにぎりを崩してワサワサとかき込むのだが、酒宴の仕上げにこれは最高! おこげの香ばしさ、塩焼きマダイやダシの旨味に思わず「お代わり!」といいたいほどだった。 |


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