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ヒラメ釣りに「ヒラメ40」という言葉がある。
ヒラメは小魚を捕食していることから、多くの釣り場ではイワシを活き餌として使う。その餌をヒラメがくわえたとき、竿先にググッと魚信が伝わる。これが前アタリ。しかしまだくわえただけで呑み込んではいないから、ハリ掛かりはしない。ハリ掛かりするのは餌を呑み込んだときで、竿がグーッと引き込まれる強い手応えがあるのだが、前アタリからこの本アタリになるまで、40を数えるくらいじっくり待つというのが「ヒラメ40」の由来だ。そしてこのやりとりの機微がヒラメ釣りの醍醐味でもある。
このように臥薪嘗胆、艱難辛苦の末に釣り上げたなら、薄造りや昆布じめにして4〜5枚まとめて口に放り込みたいし、エンガワ
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だってきし麺状態でズルズルといきたいものだ。細山さんはこれを「大人食い」というが、ここではその「大人食い」を「中華風カルパッチョ」と「贅沢フライ・サンド」の二品で挑んでいただきたい。


その前に、ヒラメを下処理〜五枚おろしにする。下処理はウロコ、内臓を取り除く作業だが、ヒラメのウロコはとても小さく、ウロコ取りでこそげ落とせるものではない。そこで薄皮ごと包丁でそぎ取る。
難易度の高い技だが、細山さんは「ヒラメのウロコ取りはこれがいちばん。失敗を恐れず、ぜひ挑戦してほしい」という。詳しい手順は映像を参照していただくとして、それでも自信がない人は金ダワシ(ステンレスタワシ)を使えばいいとのアドバイスがあった。金ダワシはウロコも飛び散らず、便利。
今回は姿造りではないので、背側、腹側のウロコを取ったら頭を落とし、内臓を取り除いて水洗いの後、水気をふき取り五枚におろす。
背側・腹側どちらも中央(背骨の上)に側線が走っている。まずその側線に沿って切れ目を入れる。次に背ビレ・腹ビレの付け根に切り込みを入れるのだが、ここがエンガワのあるところだ。次に頭部の方から、中央に入れた切れ目に沿って背ビレ側へ向かって骨が包丁にあたるようにして、身をめくるようにそいでいき、同様に腹ビレ側へもそいでいく。切り離した4つの身にそれぞれエンガワがついているが、これをまず丁寧に切り離す。その後、身とエンガワの皮を引く。これがサク取りだ。 |

 
最初はヒラメの中華風カルパッチョ。
サク取りが済んだところで、カルパッチョの下ごしらえ。まずトッピングに使うワンタンの皮を油で揚げる。油の温度は160〜170度くらい。小さくちぎったワンタンの皮を油に入れると、一旦沈んですぐに浮き上がってくるのが目安。ワンタンの皮はキツネ色にカリッとなったらOK。次に、水にさらした後、水気を取ったミョウガの千切り、ワカメ、タマネギのスライス、ダイコンのツマをあわせ、それを平らな皿にたっぷり敷く。
その上に、先ほどサク取りした腹側の身をそぎ切りにし(このとき、ヒラメの身に木目のような模様が見えるが、この模様と平行にそぎ切りすると身割れしない)、きし麺のようなエンガワも食べやすい長さに切ってたっぷりのせる。そこにカリカリに揚げたワンタンの皮を粗めにつぶしてトッピング。さらにカイワレを散らし、市販の中華胡麻ドレッシングをかければ出来上がり。

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03.エンガワ取り〜皮引き |

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1kg級ヒラメの腹側を使う |
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ワンタンの皮4〜5枚(餃子や春巻きの皮、または砕いたピーナッツでもいい) |
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市販の中華胡麻ドレッシング |
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ミョウガの千切り |
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ワカメ |
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タマネギのスライス |
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ダイコンのツマ |
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カイワレ |
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| この料理、まずは口いっぱい放り込んでいただきたい。口のなかでワンタンのカリカリ、野菜類のシャキシャキ、ヒラメのモチモチと、異なる食感が中華胡麻ドレッシングの仲介で手を繋いでいく。ヒラメ定番の薄造りや昆布じめとは異なる新しい味覚世界が広がるはずだ。野菜を多くすればサラダ感覚になるし、和風ドレッシングにすれば、また違った装いになる。淡白な白身魚ならではの料理で、あっという間に平らげてしまうこと請合い。ヒラメに限らず、スーパーで売っている白身魚の刺身でもこの美味しさは味わえるので、ぜひお試しあれ。 |


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06.下ごしらえ |

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ヒラメの背側を使う |
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タルタルソース:ゆで玉子2個、マヨネーズ、パセリのみじん切り |
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フライ用のコロモ:玉子2個、小麦粉、パン粉、粉チーズ(パルメザンチーズ) |
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キャベツの千切り |
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ホットドッグ用パン
(ハンバーガー用パン、食パンでもいい) |
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塩 |
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コショウ |
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皮を引いた背側の片身を厚めにそぎ切りにするが、その大きさは挟むパンに合わせたものにする。切身の両面に軽く塩・コショウをして20〜30分ほど置く。その間に付け合わせのキャベツをできるだけ細く千切りにして水にさらし、タルタルソースを作ろう。
ゆで玉子をつぶしながらマヨネーズを加え、塩・コショウをし(ここでマスタードやカラシを加えてもいい)、かき混ぜながらパセリのみじん切りも入れる。これでタルタルソースは完成。好みにもよるが、ゆで玉子は原型をとどめないまでつぶすより、アジのタタキくらいの粗さがお奨めだ。
ここからフライ作り。コロモ用の溶き玉子は単にかき混ぜるのではなく、箸を器の底につけ、左右に切るように動かすと黄身と白身が早く混ざり合う。またパン粉に粉チーズ(パルメザンチーズ)をミックスするのも旨味を増すコツだ。その量は、用意したパン粉の表面が粉チーズで隠れるほど。
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切身は小麦粉をまぶし、溶き玉子にくぐらせ、パン粉をまぶして油に入れるが、このとき切身を竹串に刺して作業すると手が汚れない。
揚げる油は低中温。コロモがふわっと広がるのが目安の温度だ。高温だとコロモだけキツネ色になるが魚まで火が通らないことがあるので、低中温でじっくり揚げる。ただし、小さなフライパンだと一度に何枚も切身を入れると油の温度が下がるので、このときは火力を上げるなど、温度調整をこまめに行なう。上げるタイミングはキツネ色になることと、泡が入れたときより細かくなったとき。
盛り付けは、水にさらした千切りキャベツの水気を取ってパンに挟み、次にあつあつのフライ、そこにタルタルソースをたっぷりかける。
揚げているときからチーズの香ばしい香りが漂い食欲が刺激されていたが、食べてみてさらに驚きましたね。劇画風にいうなら「なんじゃ、これは!」
ちょっとエビやカニに似た繊細な食感と甘味が、酸味のきいたタルタルソースと抜群の相性だ。いつも定食屋で食べていたヒラメフライは何だったのだろうと思ったほど、別物の味だった。なんと上品! なんと贅沢な味! 刺身もいいけど、このフライ・サンドはクセになる美味しさだ。 |

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