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まずはアワビのさばき方。
アワビは身が隠れるほど多めの塩をまぶしてこする。こうすることでヌメリが取れ、身も硬くなる。殻には注ぎ口のような凹んだ所があって、そこがアワビの口につながっているので、その部分を下にして俎板に軽くコツコツと叩くと海水が出てくる。これも身を引き締める一手間だ。
次に殻から身を外す。これにはシャモジを使う。包丁などでは肝を傷つけることがあるので、かえってシャモジが向いているのだ。その前に殻を見ると一方が盛り上がり、そこからなだらかになっている。盛り上がったところに肝があるので、なだらかな側から殻に沿ってシャモジを差し込み、貝柱を外す。貝柱が外れると、あとは肝の周りの襞(ヒダ)が殻に付いているだけなので、これは手で外す。身と肝を切り離し、塩を洗い流したらペーパータオルに包んで水気を取る。これで下処理は一応完了だが、プロはこの後一手間かける。
アワビの口から竹串を交差するように2本刺して、さらに身を引き締めるのだ。細山さんによれば、こうして下処理した蒸しアワビや煮アワビは、冷凍庫で半年は保存できるとか。また刺身大に切って味噌漬けにしても美味しいといっていた。
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| アワビの処理1:身が隠れるくらい塩をまぶしヌメリを取る。殻には口につながる注ぎ口のような凹んだ所があるので、そこを下にして軽く叩いて海水を出す。次に肝がない部分(貝殻がなだらかなほう)からシャモジを差し込んで身を外す |
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| アワビの下処理2:殻から外した身は、肝を襞(ひだ)ごと切り取る。身の方は流水で塩を洗い流したらペーパータオルに包んで水気を取り、口から2本の竹串を交差するように刺してさらに身を引き締める |
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| 肝ダレだけ舐めても美味しく、これだけで酒が進む | ||||
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次に肝ダレ作り。料理屋などでアワビの刺身を注文すると、肝も丸ごと添えられていることが多いが、ここでは一手間かけて絶品の肝ダレに仕上げる。
肝の大きさの3分の1ほどの味噌を用意し、肝や周りの襞と一緒に包丁で叩いて混ぜていく。肝にも味噌にも塩分があるので、これ以外の味付けは必要ない。これを小鉢ほどの大きさに作ったアルミホイルの容器に入れて焼く。表面がぷちぷちと泡立ってきて固まり始めたら出来上がりだ。
アワビの身は竹串を抜き、口の部分を切り離す(これは軟骨のようなコリコリとした食感で美味しい)。細山さんによれば、身とは異なる食感なので、身と一緒に切らない方が食べやすいとか。身は表面に浅く切れ目(飾り包丁)を5〜6本入れてから、その切れ目と垂直に薄くそぎ切りする。できればそぎ切りするとき、包丁の角度を揺らして切断面を広くするといい。飾り包丁とともに、こうすることでタレが絡みやすくなるのだ。
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| 肝の3分の1ほどの味噌とともに、包丁で襞も一緒に叩いたら、アルミホイルで作った器に入れて焼く。表面がぷちぷちと泡立って固まり始めたら肝ダレの出来上がりだ | ||
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| 刺身では、口の部分(これはコリコリとして身とは違った食感で美味しい)を切り離し、表面に浅く切れ目(飾り包丁)を入れてからそぎ切りにする。そぎ切りのときにも包丁を波打つように揺らして切ると切断面が広くなり、タレに絡みやすくなる | ||
皿に殻の内側を表にしてのせ、殻の中に大根のツマを敷き、その上に大葉をのせて刺身を並べる。口の部分もそばに盛り、焼いた肝ダレを添えれば完成だ。
口の中が磯の香りで満たされるような味わいがなんといってもアワビの魅力。やがて噛むほどにえもいわれぬ旨味、甘味がじわっと滲み出てくるのだが、その味をさらに倍加させるのが肝ダレだ。
焼く前の肝ダレを試食したら、旨味と苦味があいまってこれで充分美味しいではないかと思ったほどだが、ちょっと焼くだけで苦味が減り、香ばしくまろやかな味に変わるのだ。このタレは、舐めるだけで冷酒や焼酎がぐいぐい進むほど美味しい。これが刺身に絡むと、アワビの旨味全開となるのである。