海からの初夏の味
春本番を告げる桜の花が散ると、日に日に木々の緑が増してくる。季節の移ろいはこうした風景で見てとれるが、料理好きな人は皿や小鉢、丼の中にそれを見つける。桜の蕾の綻びを見て春を感じるように、筍を口に放り込み、もうこんな季節になったかと舌鼓を打つのである。味覚はもちろん、香りや食感が味の記憶に刷り込まれ、季節の記憶と一体化。いつしか味覚や香りで季節を感じるようになるのである。 初夏のこの時季、畑からは新ジャガイモや新玉葱が季節の味を提供するが、海から贈られる初夏の味覚で代表的な食材といえば上り鰹とメカブになる。 春から初夏にかけての黒潮をエサとなる小魚を追って北上する上り鰹は、秋の戻り鰹に比べてほどよく脂がのって刺身が美味しい旬の食材だ。
メカブはワカメの根近くの茎に襞(ひだ)状にできる胞子葉のことで、この時季にしか食べられない季節の食材だ。磯の風味もさることながら、ネバネバ好きにはたまらない食材でもある。このネバネバ食感を活かしてさらに美味しくしたのが「メカブのネバネバ冷製うどん」。 どちらも夏はもうすぐかと実感させる絶品料理で、すぐにお試しいただきたい2品である。 |
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