たっぷりの脂肪分、これが体にいい
ジビエ(野禽獣の狩猟肉)のなかで、日本人にも身近なのが鴨肉である。日本では鴨は葱とともに鍋の中で和風ダシに浸るが、ジビエ料理では、鴨は赤ワインに浸ることが多い。もちろん鴨がワイン好きというわけではない。鴨にかぎらずジビエ料理で赤ワインを使うことが多いのは、肉の臭みを消してクセを和らげ、肉を軟らかくするとともに、なにより味に深みが出るからだ。 本来真鴨(マガモ)料理は狩猟シーズンの冬が旬だが、いまは真鴨と家鴨(アヒル)との交配種である合鴨(アイガモ)が1年を通して流通している。どちらにしても肉の特質はほとんど同じなので、今回の料理はどちらを使ってもかまわない(インターネット通販で手軽に入手できる)。 鴨肉の特徴は、なんといっても歯応えがあることと鶏肉に比べて脂肪分が多いことだ。脂肪分は旨味につながるが、鴨は牛肉や豚肉に劣らないほどたっぷりと蓄えている。しかもその脂肪分は牛肉や豚肉と異なり、不飽和脂肪分が多く、これは善玉脂肪酸として血中コレステロールを抑える効果があり、ダイエットにも向いている。このほか、ビタミンA、E、B2、鉄分も多く、美肌や貧血にもいい食肉なのである。 そこで今回の料理は、1羽丸ごとを調理。ワインも合わせて楽しむ「鴨もも肉とポルチーニのラグー」「鴨むね肉のソテー オレンジソース」の2品を紹介する。 まさにジビエを味わう食味で、鴨肉の濃厚な味わいを堪能できるのはいうまでもなく、ここで作るソースは他の料理にも応用できるので、ぜひお試しいただきたい。 鴨1羽丸ごと捌いてむね肉ともも肉に
鴨肉はもも肉、むね肉と部位によってそれぞれ入手できるが、1羽丸ごとなら今回の2品ができるので、さばき方を覚えておきたい。 もも肉は、足の骨を広げて腹側のももの付け根のところから包丁を入れていく。肉を切るというより皮を切る感じで7割ほど切ると、肉も関節も自然に外れてくるので、そうなったら付け根から切り離す。 むね肉も腹側のタテ中央の骨に沿って切れ目を入れ、上部はV字の鎖骨のような骨に沿って切れ目を入れる。次に中央の切れ目から肋骨に沿って左右に切り取っていく。手羽の部分は手で関節を折って、包丁の刃元で切り落とす。これは「鴨むね肉のソテー オレンジソース」で使う。
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