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はじよう おやじ流手料理 案内人 深川 達哉 「懇切丁寧な調理動画で、初めてでも作れる魅惑の特選料理
料理のコツ  2008.5.22更新

30. 一味変わる醤油の使い方


これがないと毎日の食事もままならないという調味料が醤油だろう。和食はもちろん、洋食や中華でも醤油を加えると美味しくなる。日本人にとっては味覚のDNAに深く刻まれたような調味料で、いまでは卵かけご飯専用の醤油や焼き魚専用、ラーメン用、はたまたアイスクリームにかける醤油まで登場している。こうした専用醤油はともかく、ここでは醤油の基本を知って、料理に合った使い方ができるように、旬菜・楽食シリーズの料理指導・関口絢子さんが紹介する。

小麦や大豆が主原料の醤(ひしお)

左から、たまり醤油、再仕込み醤油、濃口醤油、淡口(うすくち)醤油、白醤油

東アジア各地には醤(ひしお)という発酵調味料があります。その主原料は穀物だったり、野菜、魚、肉などだったりします。例えば、秋田のしょっつる、ベトナムのニョクマム、タイのナンプラーは、魚を原材料にした魚醤(ぎょしょう)で、これも醤の1種です。

日本の醤油は小麦や大豆の穀物を主原料にしたもので、そこに塩を加えて麹(こうじ)、乳酸菌、酵母で発酵させたものです。

もともと味噌を作るときにできる「たまり」が醤油のスタートで、この「たまり」を料理に使うと美味しくなるという発見が、醤油製造の始まりとなったといわれています。

醤油の効用には香り、旨味(各種のアミノ酸を含んでいます)、味付けなどがありますが、もうひとつ、料理の色付けという特徴もあります。そこに主原料である麦や大豆の割合や製法の違いで味やコク、色とさまざまなタイプの醤油が生まれてきます。大別すると濃口(こいくち)と淡口(うすくち)の色で分けられ、そのなかにも濃口、たまり、再仕込み、淡口、白醤油などがあります。そうした醤油の個性を知って使い分けると、料理も一味変わるのです。

濃口(こいくち)醤油

濃口醤油

一般に醤油といえば濃口醤油のことを指します。この醤油は原料の大豆の割合が多く、そのため色、コク、香りが濃いのが特徴です。関東圏ではほとんどの料理に使う醤油で、逆に関西の人は、濃口醤油で作った煮物やうどんの汁の色が濃いことに驚くようです。

再仕込み醤油/たまり醤油

再仕込み醤油 たまり醤油

再仕込み醤油は、別名「刺身醤油」とか「甘露醤油」とも呼ばれる醤油です。濃口醤油での塩水で仕込むところを、この醤油は塩水の代わりに醤油で仕込むため、色や風味、味わいが深く、濃口醤油よりもさらに濃厚な醤油になります。

たまり醤油はその名のとおり、味噌作りでできる「たまり」のことで、醤油の原形ともいえるものです。材料も大豆が中心で、素朴で重くコクがある味わいです。

再仕込み/たまり醤油は、どちらも刺身や漬けダレなど、濃い料理に合っていて、照り焼きのタレにもこの醤油がお奨めです。

淡口醤油/白醤油

淡口(うすくち)醤油 白醤油

濃口醤油に比べて色が薄いので、味も薄く思われるのが淡口醤油です。しかし原料は小麦の割合が多く、それを煎って酒を加える独特の製法で、濃口に比べて香りや旨味成分は少なく、塩分が多いのが特徴です。

白醤油の原料は小麦がほとんどで、色は淡口醤油よりさらに薄く、ほとんど透明に近くなり、糖分と塩分は多くなるものの旨味成分は淡口醤油よりさらに少なくなります。

このふたつの醤油に共通するのは、旨味よりも淡い色を生かす料理に向いていることです。うどんなどの汁物・椀物や煮物など、素材の彩りを生かす料理に向いています。ただし、塩分が濃口醤油より少々多いこと、さらにメイラード反応といって、時間が経つほど色が濃くなっていくので、濃口醤油に慣れた人は味付けや保存には注意したいものです。

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