スパイスと聞くと料理ビギナーは身構える。種類も多く、アニス、フェンネル、クミン、ディルなど、初めて聞くような名前が次々と出てくるからだ。ならばスパイスを避けた料理をと思っても、ほとんどの料理に不可欠なのがスパイスでもある。そこで「旬菜12か月」料理指導の関口絢子さんに、身近なとこから始められるスパイスの使い方をうかがった。
ハーブと同様、スパイス(Spice)も料理に欠かせない材料です。香辛料ともいわれるように、主に乾燥させた樹皮、根、茎、種子、葉を、料理での香り付け、臭み消し、辛み付け、色付けなどに使います。歴史も古く、紀元前から使用されていたといいますから、スパイスは料理とは切っても切れない関係にあるのです。その種類は300種とも500種ともいわれていますが、身近なところではそばやうどんに七味唐辛子をかけたり、ラーメンにコショウをかけるのもスパイスの効用です。他にも、カレーやロールキャベツ、ポトフなどの洋風煮込み料理にローリエを1枚入れるだけで、香りや味わいが深くなります。
またスパイスのなかには抗菌、殺菌、防腐作用や薬効もあり、インドでは薬として食べることもあるくらい体にいい食材なのです。だからといって、多く使うと料理では逆効果となるので、控え目、ほどほどに使うというのがスパイスの基本です。
臭み消し、風味付け、それに淡白な料理などでは少なめに、赤ワイン煮やカレーなど強い味の場合は多めに入れるのが、スパイスを使うコツとなります。そこで身近なスパイスで、その使い方の一例を紹介しましょう。
唐辛子
日本人にもっとも親しまれているスパイスが唐辛子ですが、じつは世界中の料理で使われているのも唐辛子なのです。ラー油、チリペッパー、タバスコ、キムチなどの材料になっていることでもわかるとおり、辛み付けに使われます。細かく切れば切るほど辛みが増しますが、もっとも辛み成分(カプサイシン)が多いのは種で、激辛にしないのであれば種は取り除いて使います。ちなみにタカノツメは、日本の唐辛子でいちばん辛い種類です。参考料理:「グリーン・アスパラガス入りのボンゴレビアンコ」 「叩き蓮根のピリ辛煮」
ブラックペッパー
唐辛子同様、ポピュラーなスパイスです。独特の風味があって、殺菌・抗菌作用もあります。辛み付け、香り付けが主な役割で、肉や魚をソテーするときによく使われます。一般には辛み調味料として使われますが、出来上がった料理にペッパー・ミルで挽きたてを振りかけると、ブラックペッパーの香りが美味しい演出をします。参考料理:「そら豆とエビの塩炒め」
カレー粉
ターメリック、サフラン、パプリカ、クミン、ナツメグ、ガーリック、クローブなど、10種類以上のスパイスがブレンドされているのがカレー粉です。カレー料理はもちろん、風味付けでサラダに、臭み消しではサバなどの青魚にまぶしてソテーするときによく使われます。カレー粉のようにスパイスブレンドされたものにはメキシコのチリパウダーや、日本の七味唐辛子があり、使い勝手のあるスパイスです。参考料理:「丸ごとトマトのひんやりサラダ」「ほうれん草のカレーとターメリック・ライス」
ローリエ(ローレル)
月桂樹の葉を乾燥させたもので、英語ではベイリーフと呼ばれます。肉などの臭み消し効果もありますが、多くは清々しい香りを生かして風味付けとして使われます。カレーほかいろんな煮込み料理に使われ、味を引き立てます。例えば、市販のカレールーで作るカレーにローリエを入れただけで一味変わるほどです。ただし生の月桂樹の葉では、青臭さと苦味が出るので、乾燥した葉でないとその効果は出ません。参考料理:「スタッフドキャベツ」「大根のポトフ」
シナモン
熱帯のクスノキ科の常緑樹を発酵・乾燥させたもので、パウダー状とスティック状(写真)がありますが、どちらも甘い香りが特徴です。シナモンパウダーは主に洋菓子でよく使われていて、シナモンシュガーは砂糖と混ぜたものです。一方シナモンスティックは、紅茶に入れたり、「旬菜12か月」の料理ではカレーやケチャプなどで使いました。参考料理:「手作りトマトケッチャプ」
