これさえあれば下味はもちろん、煮物、炒め物、ドレッシングなどが簡単かつ美味しく仕上がる。まさにおとこの手料理の強い味方。それが「白だし」「中華練りダシ」「固形スープ」だ。なんだダシの素か、と思う人も多いだろうが、じつはこれがひと味深い料理の決め手になるのだ。味付けの裏技ともいえるその意外な利用法を、関口さんに披露していただいた。
醤油や塩の代わりに使うのがコツ
「白だし」「中華練りダシ」「固形スープ」はスープや汁物などで、旨味ダシとして使うのが一般的です。「旬菜12か月」でも「スタッフドキャベツ」や「白菜と豚肉の重ね蒸し」「白菜と貝柱のクリーム煮」で、これらを使っていますが、このダシの素という発想をがらりと変えて使うと、料理の幅がもっと広がります。どういう発想の転換かというと、ダシの素ではなく醤油や塩の代わりに調味料として使うのです。例えば、醤油の代わりに「白だし」を、塩の代わりに「中華練りダシ」や「固形スープ」を使います。例えばこんな使い方です。● 鶏の唐揚げの場合
鶏肉を醤油ダレに漬け込んで揚げると「竜田揚げ風」になりますが、醤油の代わりに白だし+おろしショウガを混ぜたタレに漬け込んで揚げる。また、砕いた固形スープを少量のお湯で溶いてコショウを加えたタレや、これも少量のお湯で溶いた中華練りダシとおろしニンニクを混ぜたタレに漬け込んで揚げる。こうした下味を付けて揚げると、これまでとは違った味わいで、美味しい唐揚げになります。
● 肉と野菜(人参、玉葱、ジャガイモ)の煮物の場合
和食の煮物は、ダシに醤油、ミリン、酒、砂糖などの調味料で作りますが、白だしを使うとダシと醤油が不要になります。同じ食材でも、固形スープとハーブ(ローズマリーやタイム)で煮込むと塩は不要で、プロバンス風の煮込みになりますし、少量のお湯で溶いた中華練りダシとショウガ、ニンニクで煮込むと、中華風煮物になります。
● 炒めご飯の場合
ご飯に刻んだハムとネギを加え白だしで炒めると和風チャーハン、ご飯に刻んだハムと玉葱を加えて砕いた固形スープで炒めるとピラフ、中華練りダシで刻んだハムと葱を加えたご飯を炒めると中華風チャーハンになります。
● ドレッシングの場合
白だし大さじ1と水大さじ1(計30cc)+ゴマ油60cc+レモン汁30ccで和風ドレッシング。水30ccで溶いた固形スープ2分の1個+オリーブオイル60cc+レモン汁30ccで洋風ドレッシング、水30ccで溶いた小さじ2分の1の中華練りダシ+ゴマ油60cc+酢30ccで中華風ドレッシングになります。レモン汁の代わりに酢でもかまいません。またこれは基本のブレンドで、配合の割合を微調整して、好みの味を見つけてください。
● 炒めキノコ類の場合
白だしでキノコを炒め、仕上げに鰹節をのせると、日本酒に格好の酒肴になります。キノコをバターと固形スープで炒めるとワインと合います。中華練りダシと刻んだニンニク、ショウガで炒めると紹興酒や焼酎に合う酒肴となります。
この他、コロッケやハンバーグのタネに隠し味として使うと、いつもの料理が一味もふた味も変わってきます。ダシの素というイメージがありますが、醤油や塩の代わりに使うというところが、これらを使うコツなのです。
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| 「白だし」 本来白だしは、白醤油を砂糖やミリンを入れた昆布ダシで割った、京風料理の基本となるもので、いまは調合したものがいくつか市販されている。写真はヤマサの「白だし」で、醤油と昆布ダシをベースに鰹節・鯖節が配合されている。その他、食塩、糖類、発酵調味料、醸造酢などが入っていて、汁物として使うときは水で割るが、今回紹介した料理では醤油代わりに使うので、水では割らずにそのまま使う |
「中華練りダシ」 半練り状の中華ダシで、鶏肉・豚骨のエキスをベースに、野菜エキスや香辛料、調味料が配合されている。「ウエイパー」や「ウエイユー」(写真)などの市販品があり、プロも使う調味料だ。炒め物や汁物などで小さじ1杯入れるだけで、本格中華のコクを出す |
「固形スープ」 食塩・砂糖・乳糖・植物性油脂・野菜エキス・アミノ酸・ビーフ&チキンエキス・醤油・酵母エキスなどが配合されたのが写真のコンソメ固形スープ。キューブ状で、スープなら1個を300ccのお湯で割るが、ここで紹介した料理では、塩の代わりに使うので、細かく砕いて使うか、ごく少量のお湯で溶かして使う |



