フォークといえば食器だが、これが調理道具として大活躍する。もちろん箸やスプーンなども調理道具として使うが、フォークの活用の幅広さはその比ではないというのが「旬菜12か月」で料理指導する関口さんだ。そこで関口さんが実践する「フォーク活用術」を紹介していただいた。
料理のコツはいくつかありますが、そのひとつに、余分な道具を極力減らして手際よく作業することが挙げられます。そういうときに便利な調理道具がフォークです。
フォーク1本あれば、つぶす、混ぜる、刺す、割く、掬(すく)う、巻く、広げるなどなど、これほどさまざまな調理で使い勝手のいい道具はありません。特に使いやすいのはディナー用のフォークで、先端が鋭く、4枝に分かれていて枝が長いものです。例えば、こんなふうに使います。
茹でたジャガイモや卵などをつぶすとき、フォークの背でつぶします。その後、調味料や具材を加えて混ぜるときもそのままフォークでできます。
ひと口大程度に切った具材などは、竹串などなくてもフォークで刺して火の通りを確認できますし、料理によっては刺して味見もできます。また、しし唐などそのまま焼くと中の空気が膨張して破裂することがありますが、火にかける前に刺して空気抜きをしておくときにも使います。この他、肉やパイ生地に味を馴染ませるために穴を開けるときにもフォークがあると便利です。
長ネギのミジン切りも、フォークがあると便利です。ネギにフォークを刺し、繊維に沿って割いてから小口切りにするとミジン切りが手早くできます。
松茸のクリームコロッケで使いました。クリームコロッケは、タネをじかに手に取ってコロモを付けると手にタネが粘りついて、その後の作業がやりにくくなります。それをフォークで掬ってやるとスムースに運びます。このときは、小麦粉、溶き卵、アーモンドスライスと、各コロモ付けでそれぞれフォークを用意しました。
火を通した熱々の魚の身をほぐすとき、フォークがあると、簡単かつ手早くできます。
他にも、パイやタルトの飾り用とかニョッキ作りで、フォークの背を押し付けたり広げたり、パスタでもフォークに巻きつけて盛ると、こんもりと盛り付けることができます。また、タルトやキッシュ作りでも、パイ生地の中に均等に具材を詰めるのに便利だし、卵を溶いてスクランブするときや、オムレツ状に巻き上げたりするときなども、フォークを使うと便利です。それにゴムベラや菜箸などは熱に限界がありますが、フォークは熱に強く、その形状やコンパクトな大きさが使いやすく、第2の手のような感覚で細部にわたって作業をこなす調理道具なのです。