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はじよう おやじ流手料理 案内人 深川 達哉 「懇切ていねいな調理動画で、誰でも簡単にできる魚料理
釣魚12か月  
07 包丁の研ぎ方  2006.03.21
 ときに骨を断ち、皮を引いて身を切るのが魚料理。そのために出刃や柳刃など、便利な包丁が用意されているが、切れなくては効力を発揮しない。そこで、常に切れる包丁であるためにはどのように手入れをすればいいのか。築地場外に店を構える杉本刃物(株)12代目の杉本弘治さんに、初心者にもできるコツをうかがった。
最大の敵はサビ
出刃、柳刃などの和包丁ほど切れ味がよく、しかもその切れ味が長く持続する包丁はほかにない。例えばその切れ味はヒゲが剃れるほどで、週に1回刺身などを料理する家なら、研ぐのは年1回でいい(ただし硬いまな板を使っているなら年2回)。さらに研ぎ方も意外に簡単だ。
ただこうした利点に対して、唯一の欠点がサビやすいこと。だから和庖丁を長く使うためには、使い終わったらすぐに洗剤で洗い、よく水気を取って乾燥したところで保管しておくこと。すべての料理が終わって食器と一緒に洗おうと、水気のある場所に置きっぱなしだと、そこですでにサビが始まっていると思った方がいい。
砥ぎのコツは荒砥で表7に裏3
 さて、切れ味の鈍った包丁ならば刃を研いで切れ味を復活させなければならない。そこで必要となるのが砥石だ。砥石には目の粗い順に荒砥、中砥、仕上げ砥の3種類あるが、家庭では荒砥と中砥があればいい。いまは荒砥と中砥が上下に貼り合わされて一体化した市販品もあるので、これから購入される人にはこれをお奨めしたい。いよいよ砥ぎにかかるが、その前に砥石には充分水を含ませておくこと。また砥いでいる最中もこまめに水をかけるよう注意する。
映像を見る 包丁の研ぎ方

 最初は荒砥で研ぐ。砥ぐのは「表」といわれる面からで、これは次の中砥も同じだ。ちなみに「表」というのは、刃を下に向けて持ったとき右側の面のこと。出刃や柳刃など片刃の包丁では、刃に角度が付いている面だ。

 それに対して左側の「裏」は、緩やかな湾曲を描いている。

01
包丁は砥石に対して斜めに(50〜70度)置き、表は刃の角度に沿って包丁を砥石に当てる。そうすると包丁の峰が浮き上がってくる。


02
この角度を保ったまま軽く力を入れて前に押し出す。力を入れるのは押し出すときだけで、引くときには力は入れなくていい。砥石全体を使って、切先から刃元まで万遍なく研いでいく。

03
同様に裏も砥ぐが、こちらは包丁をべったり砥石につけて行なう。砥ぐ比率は表7に対して、裏は3で、回数でいうなら表30往復、裏10往復ぐらい。これを何回か繰り返す。
砥ぎの仕上げは中砥で
 こうして砥いだ後、刃先を触ると指にかすかに引っかかる感じがある。これは「返り」という微細なギザギザ状態のことで、それを中砥で取り除いて、切れ味を出していく。砥ぐ要領は荒砥と同じだが、荒砥より力を抜き表と裏は交互に砥ぐ。ときどき刃先に触って、「返り」の感触がなくなっていれば終了だ。研ぐ回数は荒砥の半分くらいで済むはずだ。

 また研ぎに慣れた人なら、表を中砥で研ぐとき、峰を1mm上げ刃を立てるようにして研ぐと刃こぼれしにくい刃先に仕上がる。ただし、峰を1mm上げた角度が維持できないと刃先が丸くなることもあるので注意する。

 とまあ、意外に簡単だが、砥ぐ前との切れ味の違いにはビックリする。
このほか、砥石では除去できない裏側の湾曲部などのサビ落とし用研磨材「ミラクルクリーン」も揃えておくと便利だ。

 杉本刃物(株)では包丁の製造・販売のほか、砥ぎだけもやってくれる。店を訪れる機会があれば、頼んでみるのもいい。約1時間でできあがる。また、包丁の選び方や手入れなどを聞いてみると、きっと目からウロコの話が返ってくるはずだ。

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