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先生は撮影の際、「光の具合はどうかな?」とつぶやくことが多い。独り言が多いわけではなく、私に聞かせるためにそうつぶやいているのだろう。
そのつぶやきを聞いて私は、「……そうか、光か! そういえば……光線の方向は? 被写体に射す光は適切だろうか?」と考え始める。
以前の講座で学んだことは、光には方向性があって、それが被写体の質感描写に影響する。だから、質感を表現するために被写体をよく見て、いきなりそのまま撮るのではなく、被写体の表情や色彩をもっと引き出すための光があるかどうか、最適なポジションを探す努力をしなさいということだった。
写真を撮る際の「いい光」とは何だろうか?
光は、コントラストの強弱と考えるとわかりやすいかもしれない。強い光は被写体をあざやかに力強く見せるが、明度の幅が大きく影が強く出るので、露出には細心の注意が必要になる。弱い光は力がないが、明度差が小さいため影が出にくく、フレーム全体をおだやかにまとめ、細部を明晰に表現してくれるメリットがある。どちらを採用するかはカメラマンの好みの問題だ。
もうひとつは、時間差だ。光はいうまでもなく太陽光線なので、刻々と陽射しの状態が変わる。その変化を先読みし、もっといい光がくるのを待つこともできる。撮影ポジションを変えて最適な光の方向を見つけることもできるし、構図を決めてその構図に最適な光になるまで待つこともできる。
いい光とは、ポートレートや風景などの被写体を見て、それを「自分が撮りたいイメージで表現できる光線」ということができる。だからこそ、自分好みの光をさがしたり、待ったりする。
肝心なのは、絵づくりのイメージなのだ。被写体を見て、構図を考え、被写体に最適な光線の状態をさがす。いいかえれば、撮りたい写真のイメージが固まっているから、そういったプロセスを踏んで、撮りたい色や露出を待ち、はじめてシャッターを押すことができるのだろう。
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