シャッターチャンスというと、街角のスナップをはじめ、スポーツ選手の一瞬の表情や動き、動植物の生態、自然現象にみる一瞬など、さまざまなシーンが思い浮かんできます。
このような典型的な場面だけでなく、ベランダから眺める空の表情や、人々の行き交う街角、夕日を映すビルのガラス窓、家族の表情など、私たちの日常生活の中にも心を動かされるシーンはたくさんあります。カメラが巡り合う多くのシーンの中で二度とない瞬間、これをシャッターチャンスというのでしょう。
しかし、よく考えてみると、そのようなシーンにたびたび出会うことはありません。写真は現場主義です。そこに居なければその場の貴重な瞬間を写し取ることはできません。
それならば、「犬も歩けば棒にあたる」の喩えにならってウロウロと歩き回り、偶然のチャンスに頼ってみても、それは時間や労力のむだ使いというものでしょう。
マグナム写真集団の創設者アンリ・カルチエ・ブレッソンは決定的瞬間を捉える名手としてたくさんの作品を残していますが、彼がイメージするパリの街角を撮影するにあたって、その場所に連日足をはこび、どの時間にどんな人たちが行き来するのか、時間によって光はどう変わるのか、などを克明に記録していたという話を聞きました。
そうなのです! シャッターチャンスは自分で準備するもので、偶然を期待する宝くじとは訳が違うのです。
必然の中で偶然を掴み取るというのでしょうか。このように理解してチャレンジしてはどうでしょう。
|