| 私は写真入門書を読んだことがないので、上達の道を遠回りしているかもしれないが、写真塾を始めてからは、先生と話しながらテーマを決めてもらい、自分の考えをまとめてそれを先生に披露し、修正して、実写するという方法でやってきた。そういった意味では、シャッターチャンス、翻訳すれば「撮影機会」をお膳立てしてもらってきたといえる。
シャッターチャンスは一般には事件やニュース写真、スポーツ写真などの撮影の決定的瞬間と考えがちだが、撮影の現場にいると、そうそういいめぐり合わせになるとは限らない。
私たちが毎回撮っている写真は、「場所を決めて何時ごろから撮影」というプロセスだが、これでは、その場所の最良の写真を撮ることはできない。もちろんそれは想定内であるが、だからこそ、あの場所で、今度はこういう時間に、こういう天候の下で撮ればこんな写真が撮れるはずだという欲が出てくる。
たとえば、大きな時間的なチャンスとは、朝焼けの空を背景にしてこの建物を撮りたいとか、朝もやの中にたたずむ釣り人を逆光で撮りたいとか、撮りたい写真のイメージを固め、その現場に身を置くことがそれにあたる。
一方、ここに人がいるといい写真になりそうなので通りかかる人を待とう、と考えるのは小さな時間的チャンス。対象の変化のプロセスを推測し、その現場でいくつかの撮影条件を最適に配慮していくときは、一般的にいわれるシャッターチャンスと考えたほうがいいだろう。それが小さな時間的なチャンスだ。
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