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写真で綴る自分史 もういちどカメラ 藤森元之

押しかけ写真塾 藤森元之 プロフィール
実践編第2ステージ 写真を続ける力とは!? 第2回 着想・着眼点
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  これまでの1年間は、「どう撮るか」について学んできた。しかし、「どう撮るか」についてかなりわかってきたいま、「何を撮るか」があらためて問題となってきた。
最初のうちは被写体を見て、ただそれを写せばいいと思ってそうしていた。だが、それを写すといっても、被写体の何を写したいのか。それが問題だということがようやくわかってきた。もはや単純にシャッターを切れなくなったのだ。
写真を撮るという行為は、撮影の意図をはっきり伝えることで完結する。
今回は目のつけどころ、着想・着眼点について考えてみたい。
 

写真を撮るという行動には、大きく分ければ2つの動機があると考えられる。  

ひとつは記録。結婚式とか、入学式とか、旅行とか、人生の節目や大きなイベントのときにそれを記念として記録し、後に回顧の手立てにしたいという理由だろうか。未来の自分へのメッセージということもできる。

もうひとつは感動だ。カメラを持っているとき、「あっ、きれいだな!」と感じたら写真を撮りたくなる。あるいは、「あっ、かわいい!」とか、「あっ、おもしろい!」と感じたときだろうか。それが普通の写真の撮り方だろう。

記録と感動を対極において、その間にいろいろな写真がある。たとえば美しい風景写真はその場所にいたという記録寄りの感動写真だし、仲間内のスナップ写真はかわいいとかおもしろかったとか、仲よしだったという感動寄りの記録写真と位置づけられる。

どんな写真もその両方の意味があるのであって、だからこそだれもが写真を撮りつづけるのだろう。もちろん、シャッターを押すとき、そんなことを理屈っぽく考えているわけではないが。

 

だが、記念写真やスナップは、それを撮りたかった理由があるはずだ。写真を追求していくと、いい写真にはその理由が画面に写っていることがわかる。

いい写真には、撮影した人と被写体との関係性が表れている。わかりやすくいえば、記録写真にはその記録性がよく表れているし、スナップ写真には感動の理由がよく表現されている。

1年間撮り続けてきた結果、何が変わったのだろうか? それを確認してみたい。

今回撮影場所に選んだ川越の町を例にとれば、自分の関心が何に向いているかがわかっていて、都市環境や町並みをどう切り取り、どう伝えるか、シャッターを押すときにすでに決めていなくてはいい写真にならないということだ。それは、古い町並みがもっているはずのぬくもりであったり、そこにいるはずの素朴な人情やこまやかな情愛にあふれた人びとの姿に、古きよき時代の郷愁を感じたいからだ。

撮影時の想いが伝わるように撮れているのか、さらにそれをどう見てもらいたいのか、これらがはっきり画面に表現されていれば、それがいい写真といえるのだろう。

同時に自分の関心のベクトルがどこに向かっているのかがわかるし、確認にもなる。その意味で、写真を撮ることは自分探しでもあるのだ。

●“小江戸”川越に古きよき時代を探しにいく

昨年は六本木ミッドタウン、汐留など21世紀型都市の中核を撮ったので、今回はレトロな町を探索してみようと川越に行く。東京の坂を探したときもそうだったが、街並みを写そうとすると、とにかく電線が邪魔になる。電線が入っていない写真を撮ることは不可能だといっていい。

ところがビックリ。川越の町は、有名な蔵造りの町並みなど、おもだった観光名所には電線がなかった。電線がないと空が広い。写真を撮る身になると、こんなうれしいことはない。

今回のひそかな技術的なテーマはパンフォーカス。どこまでピントを合わせられるかの実験だ。ISO400にセットし、できるだけ絞り込んで撮ることに挑戦する。

f18 1/250秒 ISO 400

コメント
「時の鐘」は川越に行ったら必見のシンボル。青空になってきたので空を大きく入れて撮る。人出が多いので人物の入れ方に苦心した
講評
観光地の賑わいがうまく表現されています。時の鐘と街路灯の重なりが気になりますが、古いものと新しいものとの対比という観点でみると味のある構図かなと思います。画面の中の人物の配置は、あせらず、すこし時間をかけてチャンスを待ちたいですね。
f14 1/160秒 ISO 400

コメント
蔵造りのお店が多いのだが、撮り方がむずかしい。りそな銀行のレトロな社屋と組み合わせたが、絵葉書のようで説明的な写真になってしまった
講評
洋風、和風、どちらも古く懐かしい建築物です。一つの画面の中で二つの建物が競演しているようで楽しいですね。この場合は、奇抜なアングルや構図よりも、対象を説明的にしっかり見せるのがよいでしょう。
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