おとなのたまり場 > いつでもbon vivant > もういちどカメラ > 押しかけ写真塾
写真で綴る自分史 もういちどカメラ 藤森元之

押しかけ写真塾 藤森元之 プロフィール
挑戦編 写真の心にチャレンジする!第4回 ボケとピントの効果
  1 2 頁

●実際に写る画像でボケを確認してみる

「一眼レフのカメラだからファインダーで見たとおりに写る」と漫然と信じて写真を撮っていませんか?

ファインダーに見えている画像は、いつでもそのカメラに装着しているレンズの開放値の画像です。絞り値をf8.0とかf16にセットしていたとしても、ファインダーを通して見ている画像は、f2.8の明るさのレンズなら絞りf2.8の画像であり、f4.0のレンズならば絞りf4.0の画像なのです。

カメラマンなら、撮りたい画像を開放値で見るより、実際にセットした絞り値の画像がどんなものか確認したうえでシャッターを押したいと考えますね。

カメラにはそのためのボタンがあります。プレビューボタン、あるいは絞込みボタンというものです。

仮に今あなたが公園で遊ぶ子供を撮るとしましょう。使うレンズの明るさはf2.8として、絞り値をf8.0にセットし、子供の顔にピントを合わせてファインダーを覗きます。背景の電柱やビル群はいい具合にボケています。しかしプレビューボタンを押してセットしたf8.0の画像を見ると、すぐ後ろのフェンスや電柱はシャープで、ビル群もかなりはっきりして、全体にうるさい感じです。

このように、子供だけでなくフェンスや電柱までピントが合ってみえる範囲のことを「レンズの被写界深度」といいます。

撮影の時、一般的には被写体をふくめ前後にどこまでシャープに描写したいかを決定する場合に、この被写界深度を使います。今回のテーマとして取り上げた「ボケのコントロール」は、被写界深度からはずれた領域を利用するテクニックです。

深度からどれくらいはずれたら、どんなボケになるんだろう? こんなふうに考えながらあなたのいつも使うレンズでテストしてみるのも楽しいエクササイズになります。


●被写界深度とはフォーカスが合っているように見える範囲のこと

被写界深度について理解を深めるために整理してみました。参考にしてください。


*絞りを絞り込めば(値を大きくすれば)深くなり(範囲が広くなり)
   絞りを開ければ(値を小さくすれば)浅くなる(範囲が狭くなる)

*被写体とカメラの距離が遠くなるほど深く、近いほど浅くなる

*レンズの焦点距離が短いほど(広角)深く、長いほど(望遠)浅くなる

*ピントが合っている位置より後ろ側に深く、前側に浅くなる
作例1
f4 1/4000秒 ISO 400
露出補正+0.67
2月8日浜離宮にて撮影
講評
作例1は背景をボカしたもの、2は前景と背景をボカして奥行き感をつけたもの。同じ被写体でもボケの効果によってイメージが変わることがわかります。
作例2
f4 1/5000秒 ISO 400
露出補正+0.67








●被写界深度の実験例

被写界深度の実戦的な感覚は、簡単なエクササイズによって理解することができるでしょう。28mm前後の広角と200mm前後の望遠レンズを持って実験に出かけてみましょうか。ズーム1本でカバーしてもOKです。

撮影場所は奥行きのある商店街などにターゲットをさだめてピントをつけます。


実験1 絞り値は広角、望遠ともレンズの開放値。絞り優先AEでやや遠目の場所から撮影(広角側・望遠側でそれぞれ撮ってみる)
実験2 次にそのままの設定で、できるだけ接近して撮影
実験3 同じことを絞りf8にして撮影してみる
実験4 絞り込みボタンで好みのボケ味を選択した設定で、同じことを繰り返して撮影してみる

こうして撮った画像でどこまでフォーカスが合っているかを比較してみると、被写界深度の感覚がつかめます。あなたが好んで多用するレンズの被写界深度をつかんでいれば、現場での絵づくりにきっと役立つ知識となるはずです。

自分好みのボケ味の標準設定とはどんな絞り値なのか、それをさがす実験です。むずかしいと考えず、楽しみながら会得してください。

●古屋光雄先生(大先生)のプロフィール:
写真家。1934年生まれ、山梨県出身。大学卒業後、会社勤務を経てフリーランス フォトグラファーとなる。1976年、東京六本木に株式会社光スタジオを設立、コマーシャルフォト、エディトリアルフォトを中心に新誌社の出版物、企業 のPR誌、自治体の刊行物などで幅広く活動
●使用機材 :
生徒:CANON EOS 40D + EF-S17-55mm F2.8 IS USM + EF-S55-250 mm F3.5-5.6 IS USM
大先生:CANON EOS 5D + EF70-200mm F2.8L USM
前のページへ戻る  
「もういちどカメラ」トップへ戻る
TOP