夜景の中でも今回はイルミネーションをテーマに街や公園に出かけてみた。見ると聞くとは大違いでそれぞれに感動を味わうことができた。 だが、そのきれいな景色のありのままをどう撮ればよいのか、またその思いを写真でどう表現したらよいのか、その写真術について解説してみたい。 私たちは普段、夜の景色を撮影する機会はごく稀で、そのため馴染みがなく難しいものと思いがちだが、デジカメのシンプルな設定と手順を覚えてしまえば誰でも上手く写せるモチーフなのだ。 |
| 設定1 測光モードの確認 かならず中央重点測光、または多分割測光を選択する。 設定2 ホワイトバランス(WB)はオートに設定する。多種類の光源や色に対応できる。 設定3 撮影モードは絞り優先またはマニュアルに決める。 フルオートやシーンモードは明るめに写したり、暗めに写したりする補正機能が働かないから使えない。絞り優先でも常にカメラの適正露出がいいとは限らない、モニターを見ながら明るさを調節してから次のカットに進もう。夜景は華やかさを出したいので+1の補正で明るめにすると見栄えがよい。
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この作例からみて露出は+1補正でも良いと思う。 作例写真はマニュアルモード、三脚がなかったので手すりを支えにした。 設定4 絞りは特別な狙いを除けばf 8.0で十分。ピントも一般的には∞でOK。 以上4つの設定を準備すればほぼ満足のいく写真が撮れます。 実践上の注意点は5つ。 1) 手ブレは絶対ダメ!どんなに明るく感じても夜の光は暗い。当然シャッタースピードは遅くなる。三脚の使用は必須。手ブレ補正機能には限界がある。 2) フラッシュは使わない。発光禁止モードにする。 3) 建物の中からガラス越に撮る時は室内の照明などの写り込みに注意する。 4) 夜景の撮影は薄暮がねらい目。空に表情が出て多彩なイメージを演出してくれる。 5) 画面の水平に配慮しよう。暗いのでつい見落とすことが多い。水準器を使うのもよい。 こんなことが分かれば安心、簡単。さあ、いい作品作りにチャレンジしよう。 |
実践編では、これまでの講評よりもっときびしく評価してもらいたい。それで、今回撮った写真の中からベストスリーを選んでもらって、それぞれを徹底追及し、分析的に評価をしていただく。
評価項目は5つ。「モチーフ」は、モチーフを捉える眼と視点を評価する。「構図」は、対象を切り取る構成力だ。「露出」と「ピント」は技術力、「表現力」は、総合的な評価となっている。
古屋大先生が選んだのはミッドタウンの銀河、橋越しの観覧車、昭和記念公園の噴水の3点。若先生が選んでくださったのは橋越しの観覧車、イルミネーションの芝生、昭和記念公園の噴水の3点だった。
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| f4.5 1/8 |
| 青色ダイオードが一面に敷かれ、川の流れのように光が走る。銀河をイメージしたという構想どおりの景観がすばらしい。光の点をくっきりさせ、3本の川を浮かび上がらせるように、ややアンダーに撮った |
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| ブルー一色のイルミネーションがパターンとして上品に描かれている。流動感のある画面構成がよかった。パンフォーカスで全体をシャープに捉え、適正露出との組み合わせで力強い印象を与える立派な作品。 |
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| f2.8 1/30 |
| 橋を渡って対岸から観覧車を撮る。最初は橋の右手から撮ったが、構図がよくなかったので左手に場所を変え、照明塔をアクセントに入れた。露出はカメラのAEのままで、補正はしなかった |
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| いい写真だなあ、私はこんなシーンが大好きだ。丸や三角、直線、曲がりくねった線、色彩もさまざまな遊園地とそこへ向かう道を影をひいて歩く人々、すべてがバランスよく配置されて、ここから何か始まりそうな予感さえする。映画のワンシーンを見ているよう。 |
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| 大きな観覧車と左下の人物の対比が面白いですね。左隅の街灯もいいアクセントになっています。もう少しだけ早い時間帯に撮影していれば、空の部分が黒ベタにならずで、さらに良くなったのではないでしょうか。構図はとてもよくまとまっています。 |
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| f5.6 1/30 |
| 噴水にピントと露出を合わせ、暗くなり始めた空の青を強調した。もっと右寄りから撮りたかったのだが、ライトアップの照明塔が強くなるため噴水塔で隠し、彫刻を浮かび上がらせるようにした |
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| シンプルで力強い画面構成がよい。明るさの残る薄暮の時間を選んだのが成功、空がきれいなブルーになって画面下部の黒の締りといいコントラストを作っている。噴水だけでなく背景にイルミネーションもあり、楽しいカットになっている。 |
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| 薄暮のうちに写したことで、美しいブルーの空が表現されています。手前のシャドウ部分の画面に占める割合が少し多めな感じはありますが、メインの明るい噴水を引き立てるのに一役買っています。無駄のないすっきりしたキレイな作品に仕上がっています。 |
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| f2.8 1/10 |
| クローズアップ感覚で青と赤のダイオードを敷き詰めた植栽をまた撮ってしまったが、もっと絞って全体をはっきり見せたほうがよかったと思う。この写真から使い勝手がよくわからない三脚をやめ、ISO1600で手持ちにする |
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| 青と赤のランプのコントラストが美しく捉えられています。両方の色の配分が絶妙ではないでしょうか。画面構成も見事です。露出をオーバーにしてしまうと光源の色味が弱くなりがちなのですが、この写真ではあまり明るく撮らずにうまくバランスがとれていました。 |
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| (参考) |
| 美しいモチーフをストレートに描写した作者の眼がすばらしい。その思いを力強く表現し、伝えるために、絞りを絞り込んで画面全体をシャープに描写してほしい。 |
| ●古屋光雄先生(大先生)のプロフィール: 写真家。1934年生まれ、山梨県出身。大学卒業後、会社勤務を経てフリーランス フォトグラファーとなる。1976年、東京六本木に株式会社光スタジオを設立、コマーシャルフォト、エディトリアルフォトを中心に新聞社、雑誌社の出版物、企業 のPR誌、自治体の刊行物などで幅広く活動。 |
| ●古屋洋一郎先生(若先生)のプロフィール: 1967年横浜生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒。日本広告写真家協会会員。建築写真、広告写真が専門分野。(株)光スタジオ代表。 |
| ●使用機材 : 生徒:CANON EOS 40D + EF-S17-55mm F2.8 IS USM + EF35-135mmF3.5-5.6 IS USM + PLフィルター 大先生:CANON EOS 5D + EF24-70mm F2.8L USM + EF70-200mm F2.8L USM |








