| ピントも露出も写真の情報量を増すために必要な技術だと考えれば、何を撮り、何を伝えたいかもわかってくる。 |
今回は水の風景を撮る塾だ。水は多様な姿を見せるので、対象を川に限定する。川といっても源流のせせらぎから山あいの急流、水量が増えて景観に見所の多い中流、河口付近の広々とした下流までさまざまだ。 写真を撮るときは、流水そのものの色、岩や石、岸辺の動物や木や草花、土手の上の人や建物、空と雲、これらの組み合わせ、つまり足し算がポイントになりそうだ。逆に、絵の構成としては、どれを除外するかという引き算も考えなくてはいけないだろう。 初めのころはあれこれ盛りだくさんに写っている写真がいいと思っていたが、最近は対象を絞り込んでできるだけ少なくするようになった。伝えたいものをきちんと整理し、わかりやすく表現することが必要だと、やっとわかってきたのかもしれない。 |
ピントも露出も写真情報を正確に伝えるために必要な要素で、そのために技術を高めなくてはいけないのだが、まずはピントだ。 ピント合わせの技術は二つある。 ひとつは、ねらいのポイントを絞りこみ、ねらったものに正確にピントを合わせること。スポーツ写真家は選手の目にピントを合わせるのが生命線だそうだが、彼らは右目にピントを合わせるか、左目にするか、点を意識してねらって撮影するという。そこまではできないが、漠然とあのへんにピントが合えばいいというところで妥協したくはないのが今の気持ち。 もうひとつは、どこからどこまでピントを合わせるか、奥行きを考えて撮りたいという目標だ。技術的には深度の把握ということになる。今のボクの写真術のレベルで考えなくてはいけないのが奥行きの表現なのだから。 さて、今回の撮影の対象は「水」だ。「水」のどんな状態をどう感じて、どのように伝えたいか。それを撮ってみたい。写真を通じたコミュニケーションを成立させたい――これが写真の楽しみではないだろうか。こんな当たり前のことを最近は考えている。 |
| 「縦位置と横位置、これはどう選択するのでしょうか。なにか法則はありませんか?」 「撮る対象の範囲に左右されるのが一般的で、どこからどこまで写したいか、普通は何も考えなくても選択できるものです」 「そうですね。これはタテで撮りますか、ヨコですかと聞く人なんかいませんよね」 「そんな質問、されたことがありませんよ」 「でも、たとえば、こんな場合ですが……」
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